毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

オキナワアズチグモ

オキナワアズチグモの写真

写真ギャラリー

黄色いオキナワアズチグモがムラサキシジミを捕まえた(石垣島)

アサヒナキマダラセセリを捕まえたオキナワアズチグモ(石垣島)

ミツバチを捕まえたオキナワアズチグモの♀と、そのすきを狙ってやってきたオレンジ色の小さな♂(石垣島)

オキナワアズチグモってどんな蜘蛛?

クモは肉食で他の昆虫などを捕らえて食べてしまいます。日本にも色んな種類のクモがいますが、実は昆虫ではありません。昆虫類などと同じ節足動物の仲間ではありますが、鋏角類(きょうかくるい)という別の種類となります。昆虫との違いを比べると、昆虫は頭部・胸部・腹部とわかれていることや脚が6本などの特徴がありますがクモの仲間は脚が8本あったりします。

オキナワアズチグモはそんなクモの仲間で、カニグモ科に属しています。全国的にアズチグモは生息しているのですが、南西諸島に住むオキナワアズチグモは一回り大きいように思います。

白く美しい体をした蜘蛛

白い体を持った美しいクモの仲間です。実際には、白色のものから黄色っぽいものまでいますし、模様があったりなかったりして変異も大きいのですが、どれも上品な色彩で美しいクモです。

黄色のオキナワアズチグモ

オキナワアズチグモとムラサキシジミの写真
捕まえているのはムラサキシジミ。

サングラスをかけているような特徴的な顔

特徴的なのは、目の周りの模様ですね!まるでサングラスを掛けているみたいなデザインをしています。白くきれいな乙女にも思えたのですが、これは仮面舞踏会の淑女(しゅくじょ)の方がイメージは近いのかもかもしれません。

花に紛れて狩りをする

体の色が薄いので花に紛れていると気づきにくいクモです。他の昆虫を撮影している途中で気づいてびっくりすることがあります。昆虫を見つけて様子がおかしいと思ってよく見ると、このオキナワアズチグモが噛み付いていたりもします。

獲物を捕まえるパワーが凄い

自分の体より大きい獲物でもガッチリとアゴで噛み付いて捕獲してしまいます。そんなパワーがどこにあるのかとびっくりしてしまうのですが、自分の体よりも大きな獲物でも捕まえてしまいます。大きめのチョウなどにもがぶっと噛みついて、チョウが激しくバタついたとしても決して離さないんですよね。

セセリチョウを発見したが、なんだか様子がおかしい

セセリチョウを見つけたので近くによって撮影しようと思いました。しかし、花にやってきているのにミツを吸っているにはなんだか様子がおかしいと思ってよく見てみると・・・

オキナワアズチグモとアサヒナキマダラセセリの写真
セセリチョウの花への止まり方がおかしい??ミツを吸っているようには見えないぞ。

オキナワアズチグモが捕まえていた

近づくとセセリチョウはオキナワアズチグモに捕まっていました。私が近づいて驚いたのかオキナワアズチグモは下の方に降りていって葉っぱに止まりましたがチョウを放すことはありません。

アサヒナキマダラセセリとオキナワアズチグモの写真
このセセリチョウ、実は絶滅が危惧されている種類のアサヒナキマダラセセリです。オキナワアズチグモはそんなのお構いなしですね。自然の世界です。

オスとメスの体格差

このよく見るサイズの個体はメスばかりです。美しい色彩でパワーに溢れているのですがメスなのです。実は、オスはとても小さいのです。写真の白いメスのお尻の辺りにいるオレンジ色の小さな個体がオスですが、メスの何分の一程度のサイズしかありません。大人と子供くらいの体格の差があるのが印象的です。

ですから、メスが何かに気を取られている間に近づかないとかなり危険です。脱皮した直後であったりとか、獲物を捉えて食事をしている最中などでないと、パワーが違いすぎすので獲物と間違われて襲われたらオスには助かる道はありません。うっかりしてると食べられてしまいかねないのです。

カニグモ科まとめ 蜘蛛図鑑

関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)