はじめに
この記事はモンシロチョウを実際に飼育してみた様子を写真を使って紹介したものです。
観察の様子から、モンシロチョウの生態や育て方まで広くわかる内容となっています。
この記事を読んで嬉しいメッセージもいただいています!
庭のハボタンにモンシロチョウ が卵を産み、あおむしが生まれました。途中からハボタンの葉っぱがたりなくなり、どうしよう〜となりました。そして、ムシミルのページを見ながら冷蔵庫にあった白菜を食べさせながら見守りました。
昨日、一匹目が無事モンシロチョウ になって飛び立ちました。羽化は感動でした。羽化のタイミングも参考になりました。ありがとうございます。
昆虫って本当にすごいですね!あおむしから さなぎ 蝶。お花に来る他の虫たちも観察しながら、もうしばらくあおむしたちを見守っていこうと思います。
これからもムシミルを楽しみにしています。
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はじめまして。昆虫写真家の村松です。
ムシミルは昆虫の写真を通して自然に関心を持つ人がたくさん増えるようにと運営しています。写真を使って昆虫の紹介をしたり、昆虫の「面白い!」に関心を持つ人が増えてほしいと思っているので、飼育などの記事も書いています。
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とてもなじみの深いモンシロチョウですが、昔学校で育てたような記憶もあるのですがあまり覚えていません。
当時は写真も撮ってなかったですが、今ならしっかりと記録を残すこともできると思ったので飼育してみることにしました!
さぁ、うまくいくかな?
飼育するためにはまずはモンシロチョウのことをいろいろと知っておいたほうが良いですね。
まずは、モンシロチョウを飼育する上での基本をおさえておきましょう!
モンシロチョウの一生
モンシロチョウは完全変態の昆虫で、卵→幼虫→サナギ→成虫と大きくなっていき、オスとメスが出会って卵を産みます。
卵を産んでから成虫になるまでの期間は2~3週間程度と成長スピードも速く、ワンシーズンの間に5~6回ほど発生すると言われています。
モンシロチョウの幼虫はアブラナ科を食草とし、緑っぽい体をしているところから「青虫(アオムシ)」と呼ばれるかわいいやつです。
モンシロチョウのページでも成長の様子を紹介しています。
まとめて見たかったらそちらから御覧ください。
モンシロチョウ
青虫(アオムシ)の天敵
青虫も自然界で生き残るのはとても大変です。鳥やトカゲが狙ってきます。他にもカエル、アシナガバチ、カマキリ、クモなど多くの天敵が存在します。
その中でも、飼育をする時に気をつけておきたいのが寄生蜂です。モンシロチョウの幼虫に卵を産み付けて寄生するハチがいるのです。
アオムシコマユバチというアオムシを専門に寄生するハチの仲間で、大きくなった幼虫に生きたまま卵を産み付けます。孵化した卵はアオムシの体の中を食べて育ち、体を突き破って外に出てきて繭を作ります。ちょっとこわいですね。。。
卵や幼虫のとり方
探してみつける!
モンシロチョウの幼虫である「アオムシ」はアブラナ科の植物を食べて育ちます。
それらの食草を調べてみると見つけやすいでしょう。しかし、幼虫も小さいですし卵は1mm程しかないので見つけにくいかもしれません。そんな時には食草の周りを飛んでまわっている成虫のモンシロチョウを先に見つけましょう!
葉っぱに止まってお尻を葉っぱの裏にくっつけているようなポーズをとったら、それはきっと産卵です。生みたて卵を周りの葉っぱごと持ち帰るのがよいでしょう。
卵を産ましてみる!
安心安全を考えるならプランターでコマツナなどの食草を栽培する方法もあります!モンシロチョウが出られない程度に網を張って、その中に産卵準備の整ったメスのモンシロチョウを入れておけば、葉っぱに卵を産み付けてくれるでしょう。わからなかったら何匹か捕まえて一緒に入れておくと、オスとメスがカップルになって産卵してくれます。
もちろんスーパーで買ってきたキャベツやコマツナに産卵させることもできます。その場合は次の写真のようにするか、小瓶に水を入れてコマツナを差しておくと良いでしょう!
産卵用のコマツナ準備
幼虫の飼い方、青虫の育て方
餌(エサ)
アブラナ科の植物で「キャベツ」「アブラナ」「コマツナ」などです。私たちが普段食べるものでもあるので、スーパーなどでも入手が可能です。(※農薬注意)
飼育ケース
一番手軽なのは、100均などでも売っている飼育ケースだと思います。蛹になるとき以外は餌(エサ)から離れることはないので脱走の心配はないと思いますが、心配な場合はネットなどをかぶせておきましょう。
ちょっとしたプラケースに空気穴をあけて代用もできますよ!
注意事項
・病気
病気になったアオムシは早めに隔離しましょう。変な汁を出したり、脱皮もしないのに動かなくなったら要注意です。
・農薬
スーパーで買ってきたキャベツやコマツナをエサとしてあげる場合には、農薬に気をつけなければなりません。丁寧に洗うか、キャベツでしたらできるだけ内側の葉を上げると良いでしょう。
・寄生蜂
室内で飼育している場合は気にしなくても殆どの場合は大丈夫です。気になる場合は排水溝用のゴム紐のついたネットなどをかぶせておくと安心です。寄生蜂は小さいので網目が大きいと簡単にすり抜けてくるので細かい目のものを使いましょう。
・水滴
ケースに水滴がつくような場合はふき取っておいた方が良いでしょう。小さいのでうっかり溺れてしまうかもしれません。
ではさっそく飼育していきましょう!
モンシロチョウの青虫の飼育記録
さぁ、まずは事前準備が色々と必要ですね!
モンシロチョウを取ってくる
今回はモンシロチョウを捕まえてきて産卵させることにしました!
大切なのはお父さんとお母さんを連れてくること。
全部メスの場合は卵を産む可能性もありますが、全部オスだと卵を産むことはありません。
しかし、残念なことに一度取りに行ったときには5匹捕まえて全部オス。
気を取り直して次の日も取りに行きました。
やっとメスが取れたので一安心。
途中農家の方にも声をかけられて「モンシロチョウを取っているのは観察しようと思いまして・・・」みたいな話をしたら「もっと取っていってくれ」みたなことをおっしゃっていました。
やはり農家さんからしたら育てている作物を食べられてしまうのには困っているようですね。
参考:オス♂とメス♀の違い
メスは羽を広げた時に、付け根の部分に灰色を帯びている範囲が広いです。
モンシロチョウのオス♂
モンシロチョウのメス♀
次の日には飼育ケースに入れていたコマツナに卵がついているのを確認できました。
餌(エサ)の準備をする
キャベツなどで内側の方の葉っぱを上げれば大丈夫じゃないかとも考えてはいますが、念のために「コマツナ」を育てることにしました。完全無農薬です!
コマツナの種と土を買ってきて、幼虫が食べる分だけ育ったら良いので適当なサイズのケースに土を入れてコマツナの種を蒔きました。
2日も経つとすぐに芽が出てきました!
次の日にはめっちゃ伸びてました!
なんだかよく育ったので、いつモンシロチョウの卵からアオムシさんが出てきても良いようにプリンカップ(プラスチックの小さなケース)に少し植え替えることにしました!
観察1日目!(4/17)
観察4日目!(4/20)
観察5日目!(4/21)
観察6日目!(4/22)
観察7日目!(4/23)
観察8日目!(4/24)
観察10日目!(4/26)
観察11日目!(4/27)
観察12日目!(4/28)
観察13日目!(4/29)
観察14日目!(4/30)
葉っぱの上でこっちを見ているアオムシが一匹いたので右から左から正面から撮ってみた。可愛い顔をしていますね!
観察15日目!(5/1)
観察16日目!(5/2)
観察17日目!(5/3)
観察18日目!(5/4)
観察19日目!(5/5)
本当によく食べます。一回食べ始めたらどのくらい食べるのかをじっと見てみました。
コマツナの新芽だと5~6枚分くらいを一気に食べています。これを一日に何回も繰り返すのだから、コマツナをまるまる入れてもあっという間になくなっていきます・・・。
観察20日目!(5/6)
観察21日目!(5/7)
入れておいた葉っぱでサナギになったイモムシちゃんもいました!葉っぱが緑だから、緑色のサナギになりました。サナギの状態でも、ちょっと刺激があると左右に体を振って動かします。横から見ると意外にトゲトゲしてるんですね!
観察22日目!(5/8)
しかし「うんち」にはちょっとしか変化が
食べるものによって出すものの色も変わってくるのですね!
観察24日目!(5/10)
事件発生!?
5/10のサナギ
この時点でサナギ9匹と幼虫が2匹です!(上の紫キャベツを食べてる子が一番成長が遅い。)
この中から何匹かを選んで様子を見ていこうと思いますが、サナギなのであんまり変化はないと思います・・・。
アルファベットをふったのと、後ろの番号はサナギになっているのを確認した日になります。
観察27日目!(5/13)
5/13のサナギ
観察28日目!(5/14)
育てていた幼虫はみんな無事に蛹(サナギ)になりました。
5/14のサナギ
やっと揃ったと持っていたところだったのですが6日にサナギになった「A-5/6」の横をちょっとよく見ると、羽の模様が透けて見えています。これは明日には羽化を初めそうです。
観察29日目!(5/15)
最初の方にサナギになった3匹が成虫になりました!
羽化に失敗することもなく無事に出てきてくれて良かったです。
5/15のサナギと成虫
最初の3匹が成虫になりましたが、葉っぱでサナギになった緑のサナギも羽の模様が見えてきたので羽化しそうです。
観察30日目(31日目)!(5/16 5/17)
E-5/8
モンシロチョウの飼育感想
この後、他のモンシロチョウのサナギもみんな羽化して飛んでいきました!青虫が大きくなっていく様子や、食べ物の色で体の色が変わるわけではないことがわかったこと。羽化の様子が観察できたのは神秘的でした。サナギになる場所で色がかわるのも興味深かったですね!
また次の春にもモンシロチョウに会えるのが楽しみです!
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昆虫の飼育まとめ!生き物と触れ合う楽しさ
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