毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

アブラムシの仲間まとめ 油虫図鑑

アブラムシ特集バナー画像

カメムシ目(半翅目)まとめ 亀虫図鑑

アブラムシ科とは?

カメムシ目に含まれるグループで、植物についている小さな昆虫です。植物の汁を吸って、そんなに移動もしませんが、農作物や園芸植物にもつくので害虫として警戒もされている昆虫です。
多くの種類が特定の植物につくのですが、そのためにかなり多くの種類が発見されています。
有名な生態では、アリと共生関係にあることなどが知られています。

アブラムシ科の写真ギャラリー
Aphididae

※クリックすると各ページに飛べます。写真と詳しい説明があります。

雪虫・ユキムシ・ワタムシ

アブラムシの名前の由来

アブラムシは漢字で「油虫」と書きます。
江戸時代にはハギについていたアブラムシをすり潰して、髪に塗ってテカテカにする遊びがあったようで、そこが語源となっているようです。

ゴキブリのことをアブラムシと呼ぶこともあるので、少し注意が必要です。

別名「アリマキ(蟻牧)」

アブラムシは別名でアリマキと呼ばれることもあります。
これはアリに分泌物を与えて、テントウムシなどの外敵から守ってもらう生態から来ています。

アブラムシの種類

アブラムシはカメムシ目に含まれる仲間になるのですが、日本では700種類以上が見つかっています。
植物によってついているアブラムシの種類が違うなどでかなりたくさんの種類がいるので今後も研究が進めばもっと増えていくのだと思います。

アブラムシの亜科

  • ミツアブラムシ亜科
  • ミズキヒラタアブラムシ亜科
  • マダラアブラムシ亜科
  • ケアブラムシ亜科
  • ケクダアブラムシ亜科
  • アブラムシ亜科
  • オオアブラムシ亜科
  • ヒラタアブラムシ亜科
  • ワタムシ亜科

アブラムシの生態

アブラムシの食べ物や餌(エサ)

アブラムシはストロー状の口吻を使って植物の汁を吸います。
その多くは依存する植物の種類が決まっている「寄主特異性」のアブラムシなので、種類を調べる時にはついている植物の種類も大切になります。
ただ、広く多様な植物につくことのできる「多食性」のアブラムシなどもいます。

ソラマメヒゲナガアブラムシの写真
ソラマメヒゲナガアブラムシ
口からストローを伸ばしているのがわかります。

子供を産むアブラムシ

アブラムシは基本的にメスで構成されています。
そして、メスだけで増えるのですがなんと子供を産むのです。
アブラムシを観察していると、お尻の先に小さな赤ちゃんがついているのを見かけることがあります。

冬前になるとオスが生まれてきてメスと交尾をし、卵を産卵して冬をこす種類が多いようです。
それまでの春から夏にかけては、メスだけでどんどん増えます。

ソラマメヒゲナガアブラムシの写真
ソラマメヒゲナガアブラムシ
お尻から出てきているのは卵ではなく幼虫です。

有翅型と無翅型

アブラムシでは同種の中で羽を持つ「有翅型」と羽の無い「無翅型」が見られるものが多いです。
羽があったら飛べるのはもちろんですが、他にも違いが考えられます。

羽があるアブラムシは、別の場所に飛んでいくことができるので新天地を探すことができるメリットがあります。
ですから「移動タイプ」と呼ぶことができます。

羽がないものは、飛翔筋を作らないで済むなどでエネルギーを幼虫を産むことに使えます。
ですから「増殖タイプ」と呼ぶことができるんですね。

ソラマメヒゲナガアブラムシの写真
ソラマメヒゲナガアブラムシの「有翅型」
ソラマメヒゲナガアブラムシの写真
ソラマメヒゲナガアブラムシの「無翅型」

人との関わり

種類によっては農作物や園芸植物について、被害を与えるものがいるので害虫としても注意されています。

カメムシの仲間をもっと見る!

カメムシ目(半翅目)まとめ 亀虫図鑑

カメムシ目特集バナー画像
関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)