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バッタ目(直翅目)まとめ 飛蝗図鑑

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バッタ目(直翅目)とは?

バッタ目は日本で500種類ほどが知られています。大きくはバッタ、コオロギ、キリギリスの仲間に分かれます。鳴く虫としても有名ですが、コオロギやキリギリスは羽をこすって音を出します。バッタにも鳴く種類がいますが、羽ではなく脚を羽にこすり合わせて発音します。

バッタ目の写真ギャラリー
Orthoptera

バッタの名前の由来

バッタの名前の由来は「はたはた」と飛ぶ姿からきているようです。
はたはたから少しずつ変わっていって「バッタ」になったんですね。

バッタを英語で「Locust」「grasshopper」

バッタという言葉を英語にすると「Locust」や「grasshopper」と呼ぶのですが、これはバッタ目全体を指しているわけではありません。バッタ科やイナゴのことを呼ぶほうがしっくりきます。しかし、キリギリスなどもグラスホッパーと呼ばれることがあります。

バッタ目にはたくさんの昆虫が含まれているので様々な呼び方がされます。

  • バッタ(バッタ科)「Locust」「grasshopper」
  • キリギリス「katydid(アメリカ)」「grasshopper」
  • コオロギ・スズムシ「cricket」
  • ケラ「mole cricket」
  • カマドウマ「camel cricket」「cave cricket」「spider cricket」

ちなみに「Locust」には集団で発生するバッタの意味合いがあるので、トノサマバッタやイナゴなどの大量発生して作物に被害が出るような種類に使われます。

バッタの種類

かつてはカマキリやナナフシなども含まれていたグループですが、現在では含まれない考え方のほうが一般的です。
日本には500種類ほどが知られていて、世界では15,000種類以上が発見されています。
大きくはバッタの仲間、キリギリスの仲間、コオロギの仲間が含まれているグループですが、他にもたくさんの種類が含まれていて、ケラ、カマドウマ、コロギスなども含まれています。

  • クロギリス科
  • コロギス科
  • カマドウマ科
  • キリギリス科
  • ササキリモドキ科
  • クツワムシ科
  • ヒラタツユムシ科
  • ツユムシ科
  • コオロギ科
  • マツムシ科
  • ヒバリモドキ科
  • カネタタキ科
  • アリツカコオロギ科
  • ケラ科
  • ノミバッタ科
  • ヒシバッタ科
  • オンブバッタ科
  • バッタ科

このように多様な種類が含まれているグループです。

バッタの特徴や生態

食べ物や餌(エサ)

バッタには草食のイメージがあるかと思いますが、種類によって食性も様々です。
バッタ科の昆虫やイナゴ類などはイネ科植物を中心に草食のものが多いですが、キリギリスの仲間などは雑食性や肉食のものが多いです。
肉食性のキリギリスなどは獲物を逃さないために前脚のトゲトゲが大きくなっていたり、アゴが強力に発達していて不用意に掴んで噛まれるとかなり痛いです。

ジャンプ!跳ぶ虫として有名

バッタの仲間ではなんと言っても、発達した後ろ脚を使ったジャンプ力です。
ぴょんぴょん跳ねる虫として有名ですね!
種類にもよりますが、そのジャンプ力は体長の何十倍者距離を一気に飛び跳ねます。

跳んで飛んで

ジャンプ力が自慢なので、空を飛ばなくなったものもいますが、それでも飛ぶことのできる種類も多くいます。
ジャンプのするわ、そこから飛んでいってしまうわで結構逃げられることも多いです。

ショウリョウバッタなどは飛ぶ時に羽を打ち鳴らしてチキチキと鳴くことができるので別名で「チキチキバッタ」とも呼ばれます。

ケラのように地上を歩き回つ方が得意で、あまりジャンプはしないようなものもいますし、フキバッタの仲間は羽が退化して成虫になっても羽が小さく飛べません。

バッタは鳴く虫

バッタの仲間は鳴く虫としても昔から親しまれています。
虫の音を美しいと思うのは、日本独特の感性とも言われます。その音色に風情を感じ昔から詩などでも多く取り上げられてきました。

鳴く虫として有名なのはスズムシやコオロギなどですが、他にも多くの種類が鳴くことができます。
音でコミュニケーションを取っていると言われていて、音を感じる耳の役割を果たす器官も備えています。

キリギリスやコオロギの仲間は羽を震わせて鳴き声を出すのですが、バッタ類の仲間で鳴くものは羽と後ろ脚をこすり合わせて鳴くものが多く、その音の出し方に違いがあります。

バッタの成長

バッタの仲間は不完全変態をする昆虫で、蛹の期間はないので生まれたときから成虫と同じような姿をしています。
成虫をそのまま小さくしたような種類もイますが、キリギリスの仲間などは成長するに従ってかなり逞しくなっていきます。

基本は成虫と同じような姿ですが、ササキリなどは生まれてすぐの一齢幼虫の時だけ体の色が赤黒をしています。
一回脱皮すると緑色になってしまいます。

バッタの産卵

バッタ類では土の中に腹部を差し込んで泡立てた卵のうの中に卵を産むものが多いです。
キリギリス類では腹部を土の中に差し込んで一個ずつ産卵するものが多いなどの違いがあります。
バッタやイナゴには見られませんが、キリギリスの仲間は発達した長い産卵管を持っているものが多いですね。

おまけ:「バッタもん」ってなんだろう?

バッタの付く言葉を調べていたら「バッタもん」がでてきました。
偽物の商品や粗悪品などというような意味合いで使われることがおいですが、なぜなんだろうと思い由来を少し調べてみました。

由来も色々考えられるようですが、これは倒産品などを多く扱っていたところから、そういった店が「ばったばった」と倒れていった商品を扱うからという説がしっくりくるような気がします。
昆虫のバッタが飛び跳ねるみたいに店をぴょんぴょんと移転させていたからという説もあるようです。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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