ハンミョウの仲間とは?
コウチュウ目オサムシ科に含まれるグループで、大きなアゴと俊敏な動きが特徴的な仲間です。近づくと少し先に飛んで逃げるのですが、また近づくと飛んで逃げるのを繰り返すところから「ミチオシエ(道教え)」の別名で呼ばれることもあります。
名前の由来
漢字で「斑猫」と書きます。この字には「斑点があり、矛のように刺す虫」の意味があります。
その由来は、肉食のネコ科の動物が獲物を捕える姿からきているのです。
英語では「Tiger beetle」
英語では「Tiger beetle(タイガービートル)」と呼ばれますが、これは哺乳類のタイガーからきています。
ハンミョウの写真ギャラリー
Carabidae
※クリックすると各ページに飛べます。写真と詳しい説明があります。
ハンミョウの種類
ハンミョウは日本では24種類ほどが知られています。
- トウキョウヒメハンミョウ
- エリザハンミョウ(ヒメハンミョウ)
- コハンミョウ
- ヨドシロヘリハンミョウ
- シロヘリハンミョウ
- ミヤマハンミョウ
- アイヌハンミョウ
- コニワハンミョウ
- ニワハンミョウ
- ルイスハンミョウ
- マガタマハンミョウ
- ナミハンミョウ(ハンミョウ)
- ホソハンミョウ
- ハラビロハンミョウ
- イカリモンハンミョウ
- カワラハンミョウ
- タテスジハンミョウ
などが知られています。
ハンミョウの生態/成長
ハンミョウは土中に卵を生みます。
孵化した幼虫は、地面に縦穴を掘って生活しています。平べったい頭でまるでフタをするようにじっとしているのですが、近くを獲物が通りかかると勢いよく飛び出して捕まえます。そして穴に引きずり込んで食べるのです。
この時、獲物の力が強くて引きずり出されないように、幼虫の体にはカギ状の突起がついていて巣穴に引っかかるようになっています。
3齢が終齢幼虫とされており、巣穴の底に蛹室を作って蛹になります。羽化して地上に出てくると獰猛で俊敏なハンターの誕生です。
成虫は素早く走り回って獲物を捕らえ、大きく鋭いアゴで噛み砕きながら食事をします。
メスと交尾をするときにも大アゴは活躍し、しっかりとメスをアゴで挟んで離しません。
足がとても早い
種類にもよりますが、日本に生息するハンミョウはかなり素早く動きます。
時速で約80キロともいわれているのでその素早さがわかることでしょう。
ちなみに人間サイズだったらというのもよくバラエティーなどでやっていますが、ハンミョウが人間サイズになったら時速500キロだとか800キロだとか言われています。とんでもないですね。
獲物を見つけた時の素早い動きや、警戒心も強いので近づいた時に逃げる速度はなかなかのものです。
写真を撮影するのにファインダーを覗いていると、一瞬で見失うことが多々あります。
走るだけでなく、飛び立つスピードもとても早いので、姿がよく見えないとハチやハエの仲間かと思ってしまうほどです。
種類によっては飛べないものもいます。マガタマハンミョウなどは後翅が退化して飛べなくなっています。
世界最大のハンミョウ
ハンミョウで世界最大の種類は「オオエンマハンミョウ」で、体長は60mm程もあるそうです。
日本のハンミョウとは雰囲気が異なり、アゴもでかすぎてびっくりします。
ちなみに、日本での最大種は「ナミハンミョウ(ハンミョウ)」で約20mm程です。