毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

アトラスオオカブト

アトラスオオカブトの写真

写真ギャラリー

ボリュームのある体つき

発達した3本のツノが特徴的

大型個体のツノはとても長いです

頭角の途中に突起はありません

3本の目立ったツノとは別に短いツノがもう一本あります

胸部と腹部の隙間は鋭利です

ツヤと光沢のあるボディ

オス

アトラスオオカブトってどんな虫?

フィリピンやインドネシアなどの東南アジアに生息する、3本のツノを持ったカブトムシです。
名前の由来になっている「アトラス」は、ギリシア神話に登場する巨人(巨神)で、天空を支えるほどに大きな神です。
アトラスオオカブトの力強さや、大きさから名付けられたのでしょうね!

アトラスオオカブトの写真
アトラスオオカブト

コガネムシ科

カブトムシの仲間は、甲虫(コウチュウ)目のコガネムシ科に含まれています。アトラスオオカブトもその中に含まれる昆虫で、他にも「コーカサスオオカブト」や「ヘラクレスオオカブト」、日本の「カブトムシ」などが近い仲間です。

アトラスオオカブトの特徴

闘争心の強いカブトムシで、オス同士はよくケンカします。
3本の長いツノが特徴的ですが、生息地や大きさでツノのサイズにはバラつきがあります。

オス♂

メスにはない、3本のツノが特徴的です。
個体のサイズによって、ツノの大きさは様々です。

アトラスオオカブトの写真
大型のオス。
アトラスオオカブトの写真
頭部から1本。胸部に3本のツノがあります。
アトラスオオカブトの写真
ボリュームがあります。
アトラスオオカブトの写真
強い光沢を持ちます。

3本のツノと「コーカサスオオカブト」との違い

3本の長く発達したツノが迫力満点ですが、これは個体によって大きさは様々です。

アトラスオオカブトの写真
3本の発達したツノは迫力があります。

アトラスオオカブトと似ているカブトムシに「コーカサスオオカブト」がいます。
ツヤっぽい体とか、3本のツノなど共通点が多いのです。

その中で見分ける方法のひとつとして、頭から出ているツノ(頭角)の中央部に突起があるかどうかです。
突起があればコーカサスオオカブトで、突起がなければアトラスオオカブトです。

しかし、サイズの小さいものではどちらも突起がなかったりするので注意が必要です。
傾向としては、胸の幅などはアトラスの方が少しほっそりしています。

参考:アトラスオオカブト

アトラスオオカブトの写真
アトラスオオカブト
突起はありません。

参考:コーカサスオオカブト

コーカサスオオカブトの写真
コーカサスオオカブト
頭角の途中に突起があります。

背中に注意!?

アトラスオオカブトの背中の隙間に注意が必要です。
胸部と腹部の間は鋭利で爪切りのようになっています。
これは、捕食者から身を守るのに役立っているようですが、うっかり触るとケガをするので気をつけましょう。

一度試しにと思って爪楊枝を近づけたら、簡単にへし折れました。

アトラスオオカブトの写真
この隙間がとても鋭利になっています。

アトラスオオカブトの生態

食べ物や餌(エサ)

アトラスオオカブトはジャングルやその周りのヤシ畑などに住んでいます。
朽ち木などに産み付けられた卵から孵化(ふか)した幼虫は、その下のボロボロになった朽ち木を食べて数年かけて大きくなります。

成虫はヤシの木の樹液などを吸っています。

明かりにやってくる

明かりに飛んでくる習性を持っています。
ライトトラップにもやってきます。

種類や亜種

アトラスオオカブトは住んでいる地域によって、ツノの長さや大きさなどに変化があります。
その特徴から、同じアトラスオオカブトでもいくつかの亜種に分けられています。

アトラスオオカブトでは、フィリピのミンダナオ島に生息するものなどが大型になります。

通称や名前/学名生息地域
アトラスオオカブト(基亜種)
Chalcosoma atlas
スラウェシ島など
ブトンアトラス(ブトン島亜種)
Chalcosoma atlas butonensis
ブトン島(スラウェシ島南東部の沖)
インドアトラス(大陸亜種)
Chalcosoma atlas mantetsu
インド北東部からインドシナ半島
フィリピンアトラス(フィリピン亜種)
Chalcosoma atlas hesperus
フィリピン
ネシアアトラス(インドネシア・マレー半島亜種)
Chalcosoma atlas keyboh
マレー半島、スマトラ島、カリマンタン島など
ペレンアトラス
Chalcosoma atlas shintae
ペレン島
シムルエアトラス
Chalcosoma atlas simeuluensis
シメウルーエ島

分布や生息地

インド~インドシナ、マレー半島、ボルネオ島、スマトラ島、スラウェシ島、フィリピンなどで見られる昆虫です。

輝く昆虫ワールドで展示されている昆虫をもっと見る!

ムシミルではたくさんの昆虫の面白い!を届けていきます。
綺麗な写真をたくさん使って紹介していますので、他の昆虫も是非ご覧になってください。
これからもムシミルをよろしくお願いします!

他の展示されている昆虫は下のバナーから!

「輝く昆虫ワールド」生体展示特集!

輝く昆虫ワールド特集バナー画像

世界の昆虫図鑑

関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)