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ハグロハバチ

ハグロハバチの飼育の写真

写真ギャラリー

とぐろを巻いてじっとしていたりします

生まれたての小さな幼虫。まだ全然模様がないです

脱皮殻は食べちゃいます

ファンシーな幼虫

サナギになる時期が近づくと色が濃くなってきます

本当は地面に潜りたいのですが、土がなかったのでスイバの茎を掘って潜んでいました

きれいな宝石みたいなサナギ

ハチの姿がわかります

羽化したては羽も透明です

時間が経つと羽は黒くなります

ハバチ科まとめ 葉蜂の図鑑

ハグロハバチってどんな蜂?

幼虫が特徴的でとても可愛いのですが、成虫は黒色で地味な印象なので幼虫だけが有名な印象です。

スイバの葉っぱなどでよく見られるのですが、同じ葉っぱをベニシジミの幼虫も食べて成長します。
そんなベニシジミの幼虫の観察をするのに、スイバの葉っぱを持って帰ってきたら、ベニシジミではない幼虫が出てきました。
それがハグロハバチの幼虫だったのですね。

育ててみたら、食草を入れておくだけでどんどん大きくなるので、可愛い幼虫を観察してみるのも楽しいですよ!
春先の観察におすすめです!

飼育した記事もあるので良かったらご覧になってください。

ハバチ科

ハチ目に含まれるグループで、幼虫時代は葉っぱを食べて成長することで「葉蜂(はばち)」と呼ばれます。
日本で見られるハバチ科の仲間は500種類を超えると言われており、かなり大きなグループです。

幼虫は、チョウや蛾のイモムシのようにも見えますが、腹脚の数や単眼が特徴的なのが大きく違う点です。
成虫は、腹部と胸部の境目がくびれずに繋がった寸胴体型で、見た目がスズメバチやミツバチなどと異なります。

ハグロハバチの特徴

幼虫はオレンジ色の頭部にミントグリーンの体色。ドット模様が特徴的です。

成虫は全体に真っ黒な印象ですが、横から見たときに
・腹部の付け根のところ
・腹部真ん中くらいに2本
・羽の縁にある紋
に白い模様が入っています。

ハグロハバチの生態と成長

幼虫

生まれたての幼虫は黒い頭に模様のない緑色のイモムシです。

ハグロハバチの飼育の写真
生まれたては頭部が真っ黒。

大きくなると少しドット模様が見えてきます。
何回目かの脱皮で、真っ黒だった頭部はオレンジ色に変わって模様もはっきりしてきます。

ハグロハバチの写真
まだ頭部は黒いですが、少しドット模様が見えてきました。
ハグロハバチの写真
脱皮殻を食べちゃってます。脱いだ皮の頭部は真っ黒だけど、脱皮した幼虫の頭部は黄色っぽくなっています。

成長した幼虫

これが知る人ぞ知る、ファンシーなハグロハバチの幼虫です!

オレンジ色の頭部に単眼が付いてるのが、なんとも可愛らしい印象です。
体の色もミントブルーに黒いドット模様のお菓子みたいなデザインです。

ハグロハバチの飼育の写真
とぐろみたいに体を丸めている姿をよく見かけます。
ハグロハバチの写真
ファンシーな色彩とドット模様。
ハグロハバチの飼育の写真
パッと見はチョウなどのイモムシのようです。

ハグロハバチの飼育の写真
スイバの葉っぱをもしゃもしゃ食べます。
ハグロハバチの飼育の写真
成長すると全体の色彩が少しくすんできます。
ハグロハバチの写真
全体の色彩が濃くくすんできたらもうすぐサナギです。この時期になるとエサもあまり食べなくなります。

脱皮殻(だっぴがら)

ハグロハバチの飼育の写真
脱皮した皮は食べちゃうこともありますが、大きくなってくるとほったらかしですね。脱いだ頭部にも顔がついていて可愛いです。

蛹化(ようか)

本来は地面に降りて土の中で蛹(サナギ)になります。
ある日、幼虫の姿が狭いケースの中で消えてしまいました。
土を入れてなかったので茎の部分を掘って部屋を作っていたようです。

ハグロハバチの写真
本来は地面に降りて、土の中でサナギになる準備をします。

蛹(サナギ)

土がなかったので、諦めて葉っぱの上で蛹化(ようか)しました。
サナギになったばかりは、透き通ったとても美しい色彩です。

ハグロハバチの写真
ハチの顔や姿がわかりますね。
ハグロハバチの写真
宝石みたいにキレイなサナギです。

羽化が近づくと、蛹(サナギ)の色に変化が見られます。

ハグロハバチの写真
色が変化してきました。
ハグロハバチの写真
羽化の直前は全体的に黒くなります。
ハグロハバチの飼育
観察しようと、土に穴を開けて幼虫を入れておいたら、その中で蛹になっていました。
ハグロハバチの飼育の写真
真っ黒になって羽化をしています。
表面の皮を脱いでいくように羽化します。

羽化(うか)

羽化したばかりの成虫の羽は透明です。
羽が伸びて時間が経つと真っ黒になっていきます。

ハグロハバチの写真
羽化したばかりは、透明な羽を持っています。
お尻には脱いだ皮がまだ残っています。

成虫

羽化して時間が経つと、羽は真っ黒になり、腹部の白いスジ模様もはっきりします。

ハグロハバチの飼育の写真
ハグロハバチの飼育

ハグロハバチの分布や見つかる場所

北海道から九州にかけて見られるハバチの仲間です。
ギシギシやスイバなどがあれば春先から見られる昆虫で、都市部の公園などでもよく見かけます。

ハバチの仲間をもっと見る!

ムシミルではたくさんの昆虫の面白い!を届けていきます。
綺麗な写真をたくさん使って紹介していますので、他の昆虫も是非ご覧になってください。
これからもムシミルをよろしくお願いします!

ハバチ科まとめ 葉蜂の図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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