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イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)

イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)の写真

写真ギャラリー

甘露を求めてアリがやってくる(奈良)

一見、昆虫には見えない不思議な物体(奈良)

体が重たいのか、ぶら下がるようについていることが多い(奈良)

不思議な形だ(奈良)

イセリアカイガラムシは何匹かまとまって見つかることが多い(奈良)

イセリアカイガラムシってどんな虫?

木に白いモコモコしたものがついているのを見かけることがある。これが昆虫とは知らなかったら気づかないでしょう。イセリアカイガラムシワタフキカイガラムシと呼ばれますが、イセリカイガラムシと呼ばれたりもしています。

イセリアカイガラムシの特徴

一番の特徴はロウ状の物質で覆われた体です。実はこのロウ物質は卵のうになっていて、この中には卵がたくさん入っています。見た目のほとんどがロウ状の物質に覆われていますが、前の方にはちゃんと脚(アシ)などがついていて昆虫だとわかります。

イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)の写真
上を向いている状態。赤っぽく見えるところより下の部分がロウ状物質に包まれた卵のうになっています。

オーストラリアからやって来た

オーストラリア原産で、日本には明治時代に入ってきたとされています。樹木の苗などの移動によって、世界的にも広がりを見せている昆虫です。

農業に被害を与える害虫

多くの樹木につくことで知られています。なんと300種類以上もの樹木につくことがわかっているそうです。

柑橘類などにもつくので日本やアメリカなどでの農業被害もかなり多く出たようです。その被害を抑えるために見つかったのが天敵を導入することです。

天敵のベダリアテントウ

イセリアカイガラムシの天敵を探すのに昆虫学者が活躍しました。同じくオーストラリア原産の「ベダリアテントウ」がイセリアカイガラムシを食べることがわかり、農業被害が出ている地域にベダリアテントウを放すことで著しく被害を抑えることができたようです。

共生関係のアリ

天敵もいれば、守ってくれる共生関係の生物もいます。アリさんですね!

樹木から吸った汁の余った糖分を甘露としてアリに与えます。その代わりに天敵から守ってもらう共生関係が築かれています。この関係はアブラムシなどでよく知られていますね。

イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)の写真
甘露を求めてやってきたアリさん。

ワタフキカイガラムシ科まとめ 介殻虫図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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