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ウスバカミキリってどんな虫?
大きなカミキリムシですが、都市公園などでも衰弱木などで見つけることのできる、意外に身近な大型のカミキリムシです。
樹洞や、木に開けられた穴の中に隠れているところをよく見かけます。
カミキリムシ科
コウチュウ目に含まれるグループで、日本では約900種類が知られています。その中に「カミキリムシ科」は含まれており、ウスバカミキリはその中の一種です。
発達したアゴは細い枝なら噛みちぎってしまうものもいます。その様子からカミキリムシ(髪切虫)と名付けられました。他にも長い触角を持つものが多いのも特徴です。
ウスバカミキリの特徴
他のカミキリムシと比べ羽が薄いのが特徴ですが、羽を広げたりしないとちょっとわからないですね。
赤みのある茶色から、濃い褐色まで体色には変化があります。
大型のカミキリムシで、その姿は「ミヤマカミキリ」に似ていますが、ノコギリカミキリなどに近い仲間だったりします。
(ウスバカミキリは「ノコギリカミキリ亜科」、ミヤマカミキリは「カミキリ亜科」に分類されています。)
ウスバカミキリの成虫
羽化したての個体なので腹部が大きく膨らんでいます。
羽よりも飛び出ている腹部ですが、余分な体液を排出すると腹部が縮んで羽の下に収まってきます。
ウスバカミキリの蛹(サナギ)
台風の強風で倒れてしまった立ち枯れの木があったんですね。
その折れたところから幼虫や蛹(サナギ)がこぼれていたので持って帰って観察したものです。
ミヤマカミキリとの違い
ミヤマカミキリとの違いでは、触角の第2節がかなり長くギザギザトゲトゲしています。
胸部に強いシワが入るのはミヤマクワガタの特徴になるので、でかい、茶色い、シワがない!だとウスバカミキリの可能性が高いです。
他にも、ウスバカミキリは大アゴが少し前方を向いている、羽に縦の筋が目立つなどの特徴もあります。
ウスバカミキリ
ミヤマカミキリ
生態や成長
衰弱木や立ち枯れの木、倒木などに産卵します。
その中で数年かけて大きく成長し、蛹(サナギ)になってから成虫へと育つ完全変態の昆虫です。
気性は荒く、同種でも近づくとケンカをして片方が追い払われているのを見かけます。
捕まえたときにもかなり暴れますね!
基本は夜行性で、昼間に見つけた時には穴に隠れているのをよく見かけます。
食べ物や餌(エサ)
幼虫は様々な種類の木の中で育つので、好き嫌いはあまりなさそうです。
成虫は、与えれば果物など食べたりするようですが、野外で見かけるときも産卵のための木の周りで見かけることが多く、樹液などにやってきている様子があまりないです。
昆虫ゼリーも、他の昆虫だったら頭を突っ込んで食べそうなものですが、口元に持っていってもあんまり嬉しくなさそうです。
この大きな体を維持するエネルギーをどうしているのか不思議ですが、あまり摂食行動は取らないようです。
分布や生息環境
日本では北海道から沖縄まで全国的に見られる昆虫です。