年が明けて新年会のごあいさつでほろ酔いになった夜中に連絡がきて「とても面白い虫が見られて後悔しないので明日の朝一で行きませんか?」との調査のお誘いがあったので、同行することに。
次の日の新年会のあいさつの予定もキャンセルして行っちゃいました・・・。
兵庫県の某所で落ち葉の多い場所へ。
冬にだけ見られるハネナシナガクチキという昆虫の調査だそうで、飛ぶこともできず冬にだけ出てくるので甲虫界のフユシャクとも。
色んな採集方法を試していたのですが、落ち葉をふるいにかけて虫を探すやり方で見つかった昆虫たちが出てきます。

落ち葉と枯れ枝がたくさん落ちているのが期待できるポイントだそう。

落ち葉がたくさん積もっていて、半分埋まっているような枝が狙い目の場所です。

登山道から少し外れたところに不思議なかごのようなものが設置されていました。
落ち葉がとても多い場所なので、落ち葉の量を調査している方がいるようです。

色々やっていたのですが、一番頑張ったのが篩(ふるい)を使って、落ち葉から昆虫を探す方法です。
やってみるとわかるのですが、大きな篩のほうがいいですね。
目はちょっと粗いほうがいい。
小さい篩は100均で買ったものですが、小さくて大変なので中くらいのものをコーナンで買いました!
でも実際に使っていたのはさらに大きな篩です。(一番大きいのを借りました)

落ち葉にもタイプが色々あって、土壌生物がたくさんいるのは上の方の落ち葉をどけた、腐葉土の部分。
しかし、今回は落葉落枝層(らくようらくしそう/リター層)と呼ばれる、まだ土壌生物によって分解のあまり進んでいない落ち葉をメインに篩にかけていきます。
落ち葉が多いのでたくさんやると大変・・・。

細かい見つけ方は省きますが、数時間頑張ったあとにご褒美のようにハネナシナガクチキに出会えました!!
省いたけど、かなりしんどかった(笑)
ナガクチキムシ科の仲間。
羽は退化して飛ばない。
冬にしか成虫は見られない。
学名がニッポノマロリアでなんか名前が可愛い。
とてもおもしろい昆虫が見られて満足です。
このときの落ち葉の一部を少し持って帰ったので、そこにはどんな昆虫が他にいたのかを少し紹介します。
狙っていたのは落葉落枝層ですが、分解の進んだ土みたいな部分も少し混じっているので、何かしらの生き物や昆虫はいると信じて・・・。

いましたいました、まずは小さな甲虫。ホソカタムシとかの仲間かな??

小さなゾウムシを発見!!
全身黒くて頭が長いのにとても小さく見えます。

更に小さなゾウムシの仲間を発見。1~2mmとか?
ここらへんの大きさになってくると、ゴミなのか虫なのか見分けがつかなくなってきます…。
ゾウムシはまだ、口吻(こうふん)が特徴あるのでわかりやすい方ですね。

オオワラジカイガラムシの幼虫だろうか?
滑るように動いてるみたいに見えたけど、実際にはしっかり6本の脚を使って動いてますね。

知らない生き物が出てきてダニなのかクモなのかさっぱり。
まるでヤドカリのようにも見えるので混乱しましたが、背中に脱皮殻を背負って巻き貝のような雰囲気になるウズタカダニという仲間らしいです。
これもmmサイズでとても小さいので、クモのようにも見えてたんですが、ピンセットで掴むととても硬い触感だったんですよね。
カメラのファインダーでのぞいて写真を見て、怪獣みたいのが出てきたと思ってびっくりです。

ハムシの仲間も出てきました!
カサハラハムシの仲間かな?

黒くて、小さくて、しかも跳ねる!!
トビムシの仲間です。
なんだか不思議な可愛さがありますね。

前のトビムシよりも大きなトビムシ!
目の模様がカッコよいですね。
触角も長い!
数mmあるので、まだ大きく感じますが、やっぱり跳ねるのですぐに見失って大変です・・・。

完全にゴミだと思ってたものが動いてびっくり。
雰囲気はヒロズコガの仲間のミノに見えます。
これも小さいから最初は枯れ葉片にしか見えてなかったんですよ。
砂粒とかをつづって作った見事なお家ですね。
冬の落ち葉には色んな生き物が隠れているのがわかりました。
他にも色々いたんですが、今回はこのくらいで。
土壌生物くらい小さな昆虫はあまり調べたことなかったんですが、近所の撮影スポットでも色々見つかりそうなのでまた自分の撮影フィールドでも試してみたいですね。