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ウスバカゲロウ(アリジゴク)

ウスバカゲロウの写真

写真ギャラリー

ウスバカゲロウの幼虫

大きなアゴが特徴的

おしっこの形跡

繭玉、中にサナギが入っています

サナギの抜け殻

羽化に失敗した成虫

成虫の顔

観察中のウスバカゲロウの幼虫

岩の下のアリジゴク

木の根元のアリジゴク

森で見つけた成虫

アミメカゲロウ目(脈翅目)まとめ カゲロウ図鑑

ウスバカゲロウってどんな虫?

幼虫はアリジゴクと呼ばれ、砂の上にすり鉢状の巣を作って獲物を捕えます。
その穴に落ちた獲物を捕える様子が有名です。

成虫は、幼虫とは似ても似つかないのですが、細長い体と細長い透明な羽を持っています。

ウスバカゲロウの成虫写真

ウスバカゲロウの写真
ウスバカゲロウ

ウスバカゲロウ科

昆虫の分類にアミメカゲロウ目があります。ウスバカゲロウはその中の「ウスバカゲロウ科」の一種です。

ウスバカゲロウの成長や特徴

ウスバカゲロウの幼虫はすり鉢状の巣を作り、その中に潜んで獲物を待ちます。

アリジゴクと呼ばれる幼虫の巣

アリジゴクは砂地に巣を作ります。
すり鉢状に作られた巣はトラップになっていて、ここを通りかかった他の昆虫は足を滑らせるように落ちてしまうんですね。

しかし、落ちそうになった昆虫は、すり鉢を登って脱出を試みます。その獲物を、アリジゴクは砂を飛ばして巣に落としにかかる狩りの様子も見ものです。

そして、幼虫は落ちてきた昆虫を大きなアゴで挟んで捕食します。

ウスバカゲロウの写真
ウスバカゲロウの幼虫の観察。
アリジゴクと呼ばれ、この巣に落ちた昆虫を食べて成長します。

ウスバカゲロウの幼虫は雨の当たらない場所を好んで巣を作ります。
雨の当たらない神社の軒下などに巣を作ることが有名ですが、自然や森の中では木の根元や大きな石の下などで見つかります。

ウスバカゲロウの写真
木の根元で見つけたアリジゴクの巣。
ウスバカゲロウの写真
大きな岩の影に作られたアリジゴクの巣。

幼虫

幼虫は短い体に大きなアゴを持っています。

すり鉢状の巣の中心に隠れるように住んでいます。
幼虫の生命力は結構強い方で、乾燥にも強いですし、エサがなくても一ヶ月以上生きることができます。

ウスバカゲロウの写真
ウスバカゲロウの幼虫
ウスバカゲロウの写真
大きなアゴを持っており、このアゴで巣穴に落ちた獲物を挟んで放しません。

幼虫のおしっこ

アリジゴクとして生活している間は排泄はせず、成虫になったときに幼虫の時に食べたものをまとめて出すと考えられていたこともあります。
しかし、今ではおしっこをすることがわかっています。

このことを自由研究で確認した話が面白かったのでリンクを載せておきます。
「アリジゴク、おしっこする 千葉の小4が通説覆す発見(朝日新聞DIGITAL)」

飼育していた時にも変化を見ることができました。
ケースの端に巣を作っていたのですが、その側面から濡れた部分を確認することができました。
こんな感じでおしっこしてるんですね!

ウスバカゲロウの写真
ケースの側面から確認できた水分を含んだ部分。きっとおしっこだ。

繭(まゆ)

幼虫は充分な栄養を取って成長すると、巣の中で繭を作ります。
土で作った玉のような繭玉の中で蛹(サナギ)になっているんですね!

土の中でひっそりと変化が起こるので気づきにくいのですが、巣にエサが落ちても食べなくなり、崩れた巣が復活しなくなると繭になっている可能性が高いです。

ウスバカゲロウの写真
ウスバカゲロウの繭玉。この中でサナギになっています。

蛹(サナギ)の抜け殻

繭玉ができてから一ヶ月ほどで、羽化して成虫になります。
繭玉を見てみると、サナギが繭玉を突き破って、その中から成虫が出てきた感じが見て取れますね。

ウスバカゲロウの写真
ウスバカゲロウのサナギの抜け殻。

成虫(せいちゅう)

成虫はトンボのような雰囲気も持っています。
細長い体に、細長い羽などはトンボにも似た特徴です。
しかし、羽は背中に伏せてたたみますし、顔の印象も違います。
長めの触角もトンボにはない特徴です。

ウスバカゲロウの写真
複眼は離れ、口元まで逆三角形の印象です。触角が長いのもトンボとは違うポイントです。
ウスバカゲロウの写真
羽化に失敗して羽が曲がってしまいました。
透明な細長い羽を持っています。

ウスバカゲロウの分布や生息地

分布の幅は広く、北海道から南西諸島まで全国的に見ることができます。
平地~山地まで見ることができますが、森や林の中で出会うことが多いように思います。

ウスバカゲロウの仲間をもっと見る!

ムシミルではたくさんの昆虫の面白い!を届けていきます。
綺麗な写真をたくさん使って紹介していますので、他の昆虫も是非ご覧になってください。
これからもムシミルをよろしくお願いします!

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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