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スズムシってどんな虫?
美しい音色で昔から私達の耳を楽しませてくれてきた昆虫です。
飼育も盛んなので、自分で飼ったことはなくでも育てている人に見せてもらったり、学校などで見る機会もあったのではないでしょうか。
その音色は涼しげで、夏頃から鳴いてはいますが、秋を感じさせてくれる昆虫です。
マツムシ科
スズムシはバッタ目に含まれるマツムシ科の昆虫です。キレイな鳴き声を出すものが多く知られ、日本人の耳を楽しませてくれます。
マツムシ科?
スズムシのことを調べていると「科」がどこに含まれるのか意見がわかれているようです。「マツムシ科」としているもの以外にも「コオロギ科」や「スズムシ科」としている情報も見かけます。
持っている書籍を複数見たところ「コオロギ科」としているものもありましたが、ほとんどは「マツムシ科」として分類されていましたのでムシミルではマツムシ科として紹介しています。
スズムシの特徴
スズムシのオスは羽を立てて美しい音を出します。
触角の根本から半分くらい白いのも特徴的です。
成長すると、産卵管の有無でオスとメスは区別しやすいです。
オス♂
メス♀
マツムシとの違い
スズムシもマツムシもコオロギ類の中では頭が小さく、形も似ています。
マツムシの羽のほうが四角っぽい感じです。
スズムシは羽の幅がマツムシと比べて丸っこく幅が広い印象です。
マツムシは羽が褐色ですが、スズムシは黒っぽい色をしています。
マツムシの鳴き声は「チンチロリン、、、」と表現されます。
参考:スズムシとマツムシのオス♂
秋に鳴く虫の代表種
スズムシは鳴く虫として有名です。
その鳴き声は「リーーン、リーーン、、、」と表現されることが多く、高い鈴の音のように鳴きます。
鳴くのはオス♂だけで、羽を立てて鳴きます。
その羽の翅脈をこすり合わせることで音を出しています。
ですから、虫の鳴き声というのは、実際には声を出しているわけではないのですね。
生態
スズムシの食べ物や餌(エサ)は?
スズムシは雑食性で植物から、昆虫の死骸なども食べます。
飼育している場合は、ナスやリンゴなどと一緒に鰹節や煮干しなども一緒にあげましょう。
私が飼育する時はニンジンやキュウリなどもあげます。
キュウリは傷みやすいので、他の餌(エサ)が切れたときだけですが。
金魚など飼っている人は、金魚用のエサなんかもオススメです。
実は飛ぶこともできる
羽化直後の個体は、後翅を含めて羽が4枚あります。
地面にいる印象の強いスズムシですが、そのタイミングだと飛ぶこともできるのですが、後翅は自分で切り落としてしまいます。
同じ場所からは、同じ親世代のスズムシがたくさん出てくるので、遺伝子が弱くならないように移動をしてから繁殖するのに有効なのだと思います。
成長
スズムシは不完全変態の昆虫で、小さいときから大人と同じような姿をしています。
卵
縦長の白い卵を産卵します。
幼虫
生まれたては白く、小さいときは弱々しい感じで、白い触角が生えています。
お尻からも白い糸のようなもの(尾毛)がはえているので、4本の白い糸が出ているようです。
脱皮を繰り返して成長すると、だんだんと大きく育っていき、最後の脱皮で羽を持ってオスは鳴くことができるようになります。
羽化(うか)
最後の脱皮を羽化と呼びます。
小さかった羽が大きくなって、鳴くことができるようになります。
羽化したての羽は白いのがとてもキレイです。
羽化したばかりでは、飛ぶのに必要な後翅(こうし)があるのもわかります。
成虫
交尾
メスが産卵管を持ち上げて、オスはそこにお尻をくっつけに行きます。
精包と呼ばれる、精子の入った玉をメスに受け渡すことができれば交尾成功です。
寿命
観察していると、羽が傷ついたりして鳴けなくなるものもいますが、その間にオスとメスは次世代を残すために交尾をして、土の中にたくさんの卵を産みます。
成虫になってからの寿命は2~3ヶ月ほどです。
飼育してみよう!
スズムシは鳴く虫として有名で、昔から飼育も盛んに行われてきました。
ですから、観賞用に飼育するのはそんなに難しくはなく、餌(エサ)やスズムシ自体もよく販売されています。
自宅で飼う場合は、餌にはナスやリンゴやキュウリなどをあげると喜びます。
床に直接置くと、腐ったりカビの原因になるので串や爪楊枝に刺した状態でケースの中に入れてあげます。
スズムシは動物性タンパク質も必要とするので、煮干しや鰹節なども与えます。
そうしておかないと共食いの原因にもなるので注意しましょう。
もともと湿った環境を好み、水分もよく補給するので、水飲み場を作ったり水苔を入れて湿らせておくのもよいでしょう。
飼育した様子を観察した飼育記事もありますので、そちらもご覧になってください。
分布や生息地
スズムシは本州から九州まで広く生息していますが、茂みや岩陰に隠れているので鳴き声が聞こえても見つけるのは大変です。
都会ではあまり見られず、生前どの高い環境を好みます。北海道に移入されたものが生息範囲を広げているようです。
海外にも生息しており、朝鮮半島、台湾、中国などでも見られます。湿った環境で、草もたくさん茂っているところを好みます。