写真ギャラリー
マメコガネってどんな虫?
マメコガネは、割とよく見られるコガネムシで赤色と緑色のコントラストがとてもキレイで可愛い昆虫です。
しかし、畑の作物につくことも多く、農業害虫としての一面も持っています。
アメリカにも移入されてしまったらしく「Japanese beetle(ジャパニーズ ビートル)」として農作物へ被害が出ているようです。
コガネムシ科
昆虫の分類に硬い羽を持つことが特徴の甲虫(コウチュウ)目があります。「マメコガネ」はその中のコガネムシ科の一種です。この種類にはカブトムシやカナブン、スジコガネなど有名な昆虫がたくさん含まれています。
マメコガネの特徴
体長1cm程度の小型コガネムシです。
赤色っぽい羽の部分と緑色の金属光沢が美しい種類です。
体色には変化があって、すこし緑色に赤みの入ったものや、赤銅色で赤色の印象の強い個体も見つかります。
よく見る緑色の個体
緑色に赤色の混じった個体
赤色が強い個体
生態
体長は1cm程度の小型の昆虫です。
近づいたり刺激を与えると、後ろ脚をあげて構えてきます。
威嚇なのか、バランスを取っているのかわかりませんが、なんとも可愛いポーズです。
食べ物や餌(エサ)
大豆などのマメ科、ブドウ類、ヤナギ類など様々な植物の葉っぱを食べることが知られています。
タデ科のイタドリの葉っぱに大量発生している様子を見ることもあります。
マメコガネが食べる植物の中には農作物もたくさん含まれていますので、農業害虫として嫌われていたりします・・・。
農作物や芝の根などを食べて枯らしてしまうことがあるそうです。
幼虫を飼育する時はカブトムシ用のマット(土)などで飼育が可能です。
成虫はマメ類などの適当な葉っぱから、昆虫ゼリーなども大好きです。
成長(卵、孵化、幼虫、成虫、交尾)
卵
白っぽい楕円形の卵を生みます。
時間が経つと、丸っこくなって中には幼虫の姿が透けて見えてきます。
孵化(ふか)
卵の殻を破って孵化します。
幼虫
幼虫は土の中で植物の根などを食べて生活しています。
成虫
成虫は春から秋まで長い期間見ることができます。
交尾
後ろ脚をあげた特徴的なポーズでペアになっているのを見かけます。
【海外】北アメリカに移入されたマメコガネ(ジャパニーズビートル)
アメリカで初めて発見されたのは1916年です。
天敵が少なかったのか、一気に分布を広げていったようで、ジャパニーズビートルと呼ばれて警戒されています。
最近ではイタリアやスイスなどの欧州でも発見されています。
他にも、同じように日本から移入されたとして問題になっているのが「セマダラコガネ(オリエンタル・ビートル)」や「アカビロウドコガネ(アジアティック・ガーデン・ビートル)」などです。
【害虫】マメコガネの天敵は?
農作物にた発生すると大変ですが、数も多いので肉食性の動物の餌になることで生態系の一端を担っています。
そんな天敵のことをよく知っておくと、農作物を守ることにも繋がりそうですね!
マメコガネの天敵
捕食する
成虫の天敵はコガネムシに共通する鳥類や、ムシヒキアブやスズメバチ類などの肉食昆虫などです。
幼虫の天敵は、鳥類、モグラ、ゴミムシやアリなどの徘徊性の肉食昆虫などがいます。
寄生する
ツチバチ科の「ハルコツチバチ」や「マメコガネツチバチ」、ヤドリバエ科の「マメコガネヤドリバエ」などが幼虫に捕食寄生することが知られています。
他にも寄生する線虫(せんちゅう)の仲間が発見され、生物農薬としても注目をされているようです。
マメコガネをトラップで捕まえよう
昆虫採集トラップの定番である「ノムラホイホイ」方式のトラップを作って農作物を守ることもできます。
ペットボトルの上半分を切り取って、逆さまにして固定するだけです。
その中に、マメコガネを誘引する餌を入れておくことで、畑にやってくるマメコガネを捕獲する効果が期待できます。
中に入れておくのは、だいたいですが、
- 酒(1)
- 砂糖(1)
- 米酢(1)
- きなこ(4)
くらいの割合で入れて試してみて、ちょっとずつ調整してみましょう。
きなこを入れるというのがマメコガネを捕まえるのにおもしろいポイントですね!酒や酢などは匂いを強く出すのに効果的です。
他にも市販されているトラップもあります。
オスを誘うためのフェロモンと、オスメス誘うための食物性の誘引剤とセットで使用するトラップです。
こういったものを見つけると、害虫がゆえに研究が進むのだとしみじみ思いますね。