毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

ヒメアカタテハ

ヒメアカタテハの写真

写真ギャラリー

ヒメアカタテハ(石川)

ヒメアカタテハは各種花のミツを吸います(石川)

幼虫の食草を探します(京都)

気に入った場所を見つけると卵を産みます(京都)

卵は緑色でとても綺麗です(京都)

ヨモギの一部がくっついています。このような巣を作って中にイモムシがいます。

巣の下の方にはフンが落ちているのがわかります。

巣を開けて撮影。トゲトゲのイモムシです。

少し小さめの巣ですが、この中にも幼虫がいます。

複雑な模様がなんとも美しいです(石川)

タテハチョウ科まとめ 蝶の図鑑

ヒメアカタテハってどんな蝶々?

日本でも幅広い場所で見られる蝶で、世界でも南極大陸を除く全ての大陸に分布しているようです。
明るく複雑な模様をしており、花で吸ミツしている姿はとても可愛らしいチョウチョです。

タテハチョウ科

世界におよそ6,000種類ほどが生息していて、中型~大型の種類が多いです。「渡り」をすることで有名なアサギマダラなどのマダラチョウの仲間や、蛇の目(じゃのめ)模様が特徴的なジャノメチョウの仲間などバリエーションにも富んでいます。
タテハチョウの仲間にはツマグロヒョウモンやアカタテハなどもいます。

ヒメアカタテハの特徴

オスとメスの違いや、似ている種類との違いを紹介します。

ヒメアカタテハのオス♂とメス♀

ヒメアカタテハは雄雌で模様や大きさなどほとんど変わりません。
若干の違いとして、メスのほうが羽に丸みがあったり、腹部が太い傾向があります。

アカタテハとの違い

似た種類にアカタテハがいます。

羽を広げた時には、アカタテハの後ろ羽の赤色部分は縁だけですが、ヒメアカタテハはほぼ全体が色づいています。

羽を閉じたときにはヒメアカタテハのほうが明るい色をしています。
ですから、飛んでいる時の印象は、アカタテハのほうが黒っぽく見えます。

ヒメアカタテハの生態や成長

産卵と卵

成虫は食草となるキク科の植物などに卵を産みます。
緑色のきれいな卵を1つずつ産卵します。

葉っぱに産みつけようとしている

ヒメアカタテハの写真
幼虫の食草となる植物を探して、気に入ると卵を産みつけます。葉っぱにお尻をくっつけているのがわかりますか?

葉っぱに卵を産みました

ヒメアカタテハの写真
卵を1つ産み付けました。さっきまでお尻をつけていたところに、緑色の粒が見えますか?それが卵です。

産卵された卵の写真

ヒメアカタテハの卵の写真
ヒメアカタテハの卵を大きく写してみました。凹凸のある緑色のきれいな卵です。

幼虫

孵化した幼虫は、糸で葉っぱに巣を作りながら大きくなっていきます。幼虫期間は全体を通して造巣性があります。

大きくなってくると、黒っぽい体に灰白色のトゲトゲイモムシになるのですが、その見た目から毒を持っているようにも見えますが、全く毒はないので大丈夫です。

ヒメアカタテハの写真
ヒメアカタテハの幼虫。トゲトゲのイモムシです。
巣を広げて撮影させてもらいました。
ヒメアカタテハの写真
ヒメアカタテハの巣。この中に幼虫がいます。
ヒメアカタテハの写真
よもぎの一部がくっついています。このようなものを見つけたら中にイモムシがいるかも知れません。
ヒメアカタテハの写真
綴られた巣の下の方を見てみると、フンらしきものが確認できます。このなかにいますね!

蛹(さなぎ)

ぶらさがるタイプの垂蛹(すいよう)と呼ばれるサナギになります。
トゲトゲのついた茶色いサナギになります。

越冬

越冬態は不定とされていて、住んでいる地域の気候によって変わってくるようです。
寒い地域では成虫で越冬はできないようです。

ヒメアカタテハの分布や生息地

日本では北海道から南西諸島まで幅広く見られ、世界各地でも見ることのできる昆虫です。移動性も強いようで寒そうな場所にも侵入してきて観察されることがあるようです。

ヒメアカタテハの写真
ヒメアカタテハ

他のタテハチョウの仲間を見る!

タテハチョウ科まとめ 蝶の図鑑

タテハチョウ科のバナー
関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)