写真ギャラリー
ゲンゴロウってどんな虫?
日本の水生昆虫の中でも特に身近な種類で、かつては水田や池などでたくさん見られたようですが、今では環境の変化によって急激に数を減らしている昆虫です。
ゲンゴロウ科
コウチュウ目の仲間の中で「ゲンゴロウ科」に含まれる昆虫です。この仲間は水中で生活する「水生コウチュウ」の仲間になります。
この仲間には他にも「コガタノゲンゴロウ」や「ハイイロゲンゴロウ」などが知られています。
ゲンゴロウの特徴
やや厚みのある楕円形の形をしています。
背中は緑色っぽい褐色で、体の縁は黄色くなっています。
お腹の側も黄褐色をしているのが特徴です。
ゲンゴロウ科では最大の種となり、その大きさも魅力の一つです。
水中を泳ぐ
後ろ脚には赤色味の強い毛がたくさん生えています。
その後ろ足を使って、水中を上手に泳ぎます。
ゲンゴロウの生態
食べ物や餌(エサ)は?
ゲンゴロウの幼虫は生きた昆虫や水生生物を襲うハンターです。
獰猛に襲いかかって獲物を捕らえて食べます。
成虫になると、死んだ魚などをかじって食べるようになり、食性にも変化が現れます。
絶滅危惧種のゲンゴロウ
レッドデータブック2014では、ゲンゴロウは「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されています。
2007年では「準絶滅危惧(NT)」だったことから、この数年の間にもかなり数を減らしているようです。
その原因としては、
- 池沼の開発
- 強力な農薬の大量使用
- 水質汚染
- 灯火
- ゴルフ場
- 圃場整備
- 侵略的外来種の侵入
など、いろんな要因が重なっています。
ゲンゴロウの寿命
ゲンゴロウは長生きする昆虫で、飼育下では2~3年ほど生きるようです。(もっと長く生きるものもいる)
冬の越し方
成虫で越冬します。
ゲンゴロウの成長
卵
細長い卵で、水中に生える茎の太い植物に産卵されます。
幼虫
幼虫は水中に生息し、細長い体をしています。
生きた昆虫や魚類を捕食する獰猛な姿から「田のムカデ」や「ミズムカデ」などとも呼ばれます。
幼虫は鋭い大アゴを持っており、獲物に噛み付くと毒と消化液を注入して獲物を仕留めます。
そして、体外消化で食べていきます。
成虫は死んだ魚類などをかじって食べるので、かなりの変化が感じられます。
人がうっかり噛まれた時にも、かなりの痛みを感じるようなので気をつけましょう。
蛹(サナギ)
蛹化(ようか)の時期が近づくと、陸に上がって土に潜ってサナギになります。
ゲンゴロウの分布や生息地
日本では北海道から九州まで広い範囲で見られ、かつてはどこでも見られるような身近な昆虫でしたが、今では生息地や生息数が激減しています。
水生植物が豊富な沼やため池などで見つかります。