毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

ムモンホソアシナガバチ

ムモンホソアシナガバチの写真

写真ギャラリー

ムモンホソアシナガバチってどんな蜂?

他のアシナガバチと比べて、細身の体と薄い色が特徴的な種類です。ホソアシナガバチ属として知られ、日本では2種類が確認されています。

刺されたら?毒性は?

アシナガバチは刺さないなんてこともないのですが、毒性が強いとは聞いたことがありません。しかし、油断はよくないので、刺された場合はすぐに病院へ行きましょう。痛いですし。症状を抑える薬がもらえると思います。しかし、アシナガバチやスズメバチに刺されると、アナフィラキシーショックと呼ばれるアレルギー反応が怖いので刺されないに越したことはありません。

しかし、このホソアシナガバチは少し山の方などで多く見られる昆虫なので、住宅地などにやって来ることは少ないと思います。こちらから手を出さない限り襲ってくることもありませんが、よく聞くのは農作業中などです。誤って巣に攻撃を仕掛けてしまって反撃を食らったパターンですね。

刺されたら患部は水で洗いましょう。部位によっては毒を絞って冷やすと症状が緩和します。後は速やかに病院へ。

スズメバチ科の昆虫

昆虫の分類でハチ目があり、その中にスズメバチ科はあります。ムモンホソアシナガバチはスズメバチ科の昆虫で、近い仲間にはオオスズメバチやキアシナガバチなどがいます。
更に近い仲間としては、同じホソアシナガバチ属に含まれる「ヒメホソアシナガバチ」が知られています。

ムモンホソアシナガバチの写真
巣で働くムモンホソアシナガバチ。

ムモンホソアシナガバチの形態/特徴

ホソアシナガバチの仲間は他のアシナガバチと比べて見分けは付きやすいです。

ムモンホソアシナガバチの見分け方

  • 全体的に細い
  • 色が薄い(薄茶と黄色)
  • 顔面に黒い模様が入らない(頭楯が黄色一色)
  • 腹部が他の種類よりくびれている
ムモンホソアシナガバチの写真
ムモンホソアシナガバチは細身の体が特徴的。色も薄い。

ヒメホソアシナガバチとの違い

ヒメホソアシナガバチはとても良く似ている種類なのですが、正面から顔を見れば違いがわかります。
ヒメホソアシナガバチの顔には縦に暗色の帯が入るのに対して、ムモンホソアシナガバチは黄色一色なのです。きっと、ですから「ムモン(無紋)」なのでしょうね。

ムモンホソアシナガバチの写真
ムモンホソアシナガバチ。顔には暗色の縦帯は入りません。

ムモンホソアシナガバチの巣

山の方など分け入ったところでよく見かけるアシナガバチです。
葉っぱの裏などに巣を作っています。

ムモンホソアシナガバチの写真
葉っぱの裏に作られたムモンホソアシナガバチの巣。
ムモンホソアシナガバチの写真
巣を下からのぞいてみた。

ムモンホソアシナガバチの生態

集団生活

最初は女王が一匹で始める巣作りですが、働き蜂が増えてくると数十匹から多いと100匹を超えるコロニーになるようです。
巣の周りにはたくさんの働き蜂がいて、みんなメスです。
巣の中をよく見てみてください。卵や幼虫が確認できますね!

ムモンホソアシナガバチの写真
ムモンホソアシナガバチの巣。卵や幼虫が確認できる。フタの付いている中にはサナギが入っている。

分布や見られる場所

本州から九州にかけて見られるアシナガバチです。平地で見かけることもありますが、山間部などで見かけることの多い種類です。
ハイキングなどで、参道などを歩いていると見かけることがあるかもしれませんね。

ムモンホソアシナガバチの越冬

アシナガバチやスズメバチの女王は一匹で越冬していることが多いのですが、ムモンホソアシナガバチは集団で越冬しているのが観察されています。枯れ木や、木のうろなどに集まっているようです。

他のスズメバチやアシナガバチの仲間

スズメバチ科まとめ 雀蜂図鑑

スズメバチ科のバナー
関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)