毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

マメコガネ

マメコガネの写真

写真ギャラリー

花に集まっていて可愛いが、花びらも食べてしまいます(京都)

真ん中の子だけカップル成立(大阪)

追いかけっこ?(大阪)

ヒメジョオンにとまるマメコガネ(大阪)

夕暮れに見つけたマメコガネ。赤と緑の美しいコントラストを持った昆虫(滋賀)

マメコガネがたくさんつくとみるみる食べられてしまう(奈良)

食べ痕がたくさんですね(大阪)

ミツもなめる(大阪)

花も食べる(大阪)

マメ以外の色んな植物にもつく(大阪)

結構動き回る(大阪)

小雨の中で元気がないみたい(奈良)

雨上がりに休むマメコガネ(奈良)

雨の中で交尾。水滴がキレイ(大阪)

やぁ!(大阪)

おしりがキュート(大阪)

赤色個体(大阪)

赤色と緑色のカップル(大阪)

花につくマメコガネ(大阪)

花とマメコガネ(大阪)

交尾をしているオスとメス。後ろ脚を広げて遊んでるみたいです(奈良)

コガネムシ科まとめ 黄金虫図鑑

マメコガネってどんな虫?

マメコガネは、割とよく見られるコガネムシで赤色と緑色のコントラストがとてもキレイで可愛い昆虫です。
しかし、畑の作物につくことも多く、農業害虫としての一面も持っています。
アメリカにも移入されてしまったらしく「Japanese beetle(ジャパニーズ ビートル)」として農作物へ被害が出ているようです。

マメコガネの写真
葉っぱで休むマメコガネの写真。

コガネムシ科

昆虫の分類に硬い羽を持つことが特徴の甲虫(コウチュウ)目があります。「マメコガネ」はその中のコガネムシ科の一種です。この種類にはカブトムシやカナブン、スジコガネなど有名な昆虫がたくさん含まれています。

マメコガネの写真
コガネムシ科「マメコガネ」

マメコガネの特徴

体長1cm程度の小型コガネムシです。
赤色っぽい羽の部分と緑色の金属光沢が美しい種類です。
体色には変化があって、すこし緑色に赤みの入ったものや、赤銅色で赤色の印象の強い個体も見つかります。

よく見る緑色の個体

マメコガネの写真
よく見られる色彩のマメコガネ
マメコガネの写真
お尻や腹部には白い毛束を持っています
マメコガネの写真
裏側

緑色に赤色の混じった個体

マメコガネの写真
色が薄くなった印象
マメコガネの写真
上から

赤色が強い個体

マメコガネの写真
全体が赤っぽい
マメコガネの写真
上から
マメコガネの写真
上が緑色のオスだけど、下が赤色のメス。

生態

体長は1cm程度の小型の昆虫です。
近づいたり刺激を与えると、後ろ脚をあげて構えてきます。
威嚇なのか、バランスを取っているのかわかりませんが、なんとも可愛いポーズです。

マメコガネの写真
真ん中だけカップ成立してますね。
上に乗ったオスが後ろ脚をあげています。

食べ物や餌(エサ)

大豆などのマメ科、ブドウ類、ヤナギ類など様々な植物の葉っぱを食べることが知られています。
タデ科のイタドリの葉っぱに大量発生している様子を見ることもあります。

マメコガネが食べる植物の中には農作物もたくさん含まれていますので、農業害虫として嫌われていたりします・・・。
農作物や芝の根などを食べて枯らしてしまうことがあるそうです。

幼虫を飼育する時はカブトムシ用のマット(土)などで飼育が可能です。
成虫はマメ類などの適当な葉っぱから、昆虫ゼリーなども大好きです。

マメコガネの写真
葉っぱにたくさんついているので、たくさんの食痕があります。
マメコガネの写真
葉っぱに食痕があります。
マメコガネの写真
ヤブガラシのミツなどもなめに来ます。
マメコガネの写真
マメ科とは全然近くない、ブナ系の木の上でも見かけるので食草の幅はかなり広いです。
マメコガネの写真
花びらも食べてしまいます。
上の方にチラと見える欠けた部分は、マメコガネが食べた痕です。

成長(卵、孵化、幼虫、成虫、交尾)

白っぽい楕円形の卵を生みます。
時間が経つと、丸っこくなって中には幼虫の姿が透けて見えてきます。

マメコガネの写真
産みたては楕円形
マメコガネの写真
丸っこくなって、孵化(ふか)間近の卵は中に幼虫の姿が見えます。
よく見ると、真ん中あたりの濃い色の部分は幼虫のアゴです。

孵化(ふか)

卵の殻を破って孵化します。

マメコガネの写真
ほとんど脱げていますが、殻が頭に引っかかっているようです。
マメコガネの写真
孵化したては頭部も含めて白っぽい幼虫です。

幼虫

幼虫は土の中で植物の根などを食べて生活しています。

マメコガネの写真
頭部がオレンジ色に変化しました。
マメコガネの写真
土に潜っていきます。

成虫

成虫は春から秋まで長い期間見ることができます。

マメコガネの写真
成虫は色んな植物で見られます。

交尾

後ろ脚をあげた特徴的なポーズでペアになっているのを見かけます。

マメコガネの写真
雨の中での交尾シーン。

【海外】北アメリカに移入されたマメコガネ(ジャパニーズビートル)

アメリカで初めて発見されたのは1916年です。
天敵が少なかったのか、一気に分布を広げていったようで、ジャパニーズビートルと呼ばれて警戒されています。
最近ではイタリアやスイスなどの欧州でも発見されています。

他にも、同じように日本から移入されたとして問題になっているのが「セマダラコガネ(オリエンタル・ビートル)」や「アカビロウドコガネ(アジアティック・ガーデン・ビートル)」などです。

【害虫】マメコガネの天敵は?

農作物にた発生すると大変ですが、数も多いので肉食性の動物の餌になることで生態系の一端を担っています。
そんな天敵のことをよく知っておくと、農作物を守ることにも繋がりそうですね!

マメコガネの天敵

捕食する

成虫の天敵はコガネムシに共通する鳥類や、ムシヒキアブやスズメバチ類などの肉食昆虫などです。

幼虫の天敵は、鳥類、モグラ、ゴミムシやアリなどの徘徊性の肉食昆虫などがいます。

寄生する

ツチバチ科の「ハルコツチバチ」や「マメコガネツチバチ」、ヤドリバエ科の「マメコガネヤドリバエ」などが幼虫に捕食寄生することが知られています。

他にも寄生する線虫(せんちゅう)の仲間が発見され、生物農薬としても注目をされているようです。

マメコガネをトラップで捕まえよう

昆虫採集トラップの定番である「ノムラホイホイ」方式のトラップを作って農作物を守ることもできます。
ペットボトルの上半分を切り取って、逆さまにして固定するだけです。
その中に、マメコガネを誘引する餌を入れておくことで、畑にやってくるマメコガネを捕獲する効果が期待できます。

中に入れておくのは、だいたいですが、

  • 酒(1)
  • 砂糖(1)
  • 米酢(1)
  • きなこ(4)

くらいの割合で入れて試してみて、ちょっとずつ調整してみましょう。
きなこを入れるというのがマメコガネを捕まえるのにおもしろいポイントですね!酒や酢などは匂いを強く出すのに効果的です。

他にも市販されているトラップもあります。

マメコガネトラップ
マメコガネのトラップ
ニトルアーセット【マメコガネ】

オスを誘うためのフェロモンと、オスメス誘うための食物性の誘引剤とセットで使用するトラップです。

こういったものを見つけると、害虫がゆえに研究が進むのだとしみじみ思いますね。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
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