写真ギャラリー
ヘラクレスオオカブトってどんな虫?
世界最大のカブトムシとして知られ、頭と胸に長いツノを持っています。
ツノを含めた最大個体は180mm以上になるものもいて、カブトムシの中だけではなくツノを含めた大きさはコウチュウの仲間全体でも最大です。
ヘラクレスという名前も、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスに由来しています。
コガネムシ科
カブトムシの仲間は、甲虫(コウチュウ)目のコガネムシ科に含まれています。ヘラクレスオオカブトもその中に含まれる昆虫で、他にも「ゾウカブト」や「コーカサスオオカブト」、日本の「カブトムシ」などが近い仲間です。
ヘラクレスオオカブトの特徴
とても大きくなるカブトムシで、180mmを超えるものが現れたこともありますが、普通は140mmほどのサイズになります。
それでもかなり大きいですね!
オス♂
メス♀
メスはオスのように羽の全体が黄色くなるのとは違って、お尻の方だけ黄色くなります。
長いツノ
一番の特徴は頭と胸の長い角です。胸のツノの内側には毛が生えていて、ケンカの相手を挟み込んだ時に滑り止めの役割を果たします。
湿度で変わる体の色
よく見るヘラクレスオオカブトの写真は黄色い羽をしています。
この色は乾燥しているときにだけ見られるもので、湿度が上がってくると黒い色に変化します。(栄養状態も。)
基本的には夜行性のヘラクレスオオカブトですが、昼間も木の上でじっとしていたり樹液をなめたりしています。昼間の間は乾燥していて明るいので、羽が黄色の方が目立ちにくいのです。
夜になって森の湿度が上がってくると、スポンジのような前ばねが水分を吸って黒く変化します。夜の間は体全体が黒っぽいほうが見つかりにくくなるので、保護色としての役割を果たしているのです。
観察していると、少し濡れたくらいでは色は変わらずに、餌(エサ)をいっぱい食べていると黒っぽくなっていきます。
夜行性で、夜中にエサを食べる事が多いので、羽が黒くなっていくのはこの2つの要素がトリガーになっているのかもしれません。
ヘラクレスオオカブトの生態
食べ物や餌(エサ)
飼育する場合は、市販の昆虫ゼリーを与えます。
自然下では、高い木の幹ではなく細い枝に止まっていることが多いです。そして、樹皮や果実を傷つけて、染み出した汁を吸っています。
明かりにやってくる
オスもメスも明かりによく飛んでくる習性を持っています。
ですからライトトラップにもやってきます。
種類や亜種
ヘラクレスオオカブトは住んでいる地域によって、ツノの太さや曲がり方、突起の位置などが異なってきます。
その特徴から、同じヘラクレスオオカブトでもいくつかの亜種に分けられています。
学名が日本語名になっているので「ヘラクレス~~」のような感じで呼ばれます。
通称や名前/学名 | 生息地域 |
---|---|
ヘラクレス・ヘラクレス(基亜種) Dynastes hercules hercules | メキシコ南部~南アメリカ中部、グアドループ島、ドミニカ国 |
ヘラクレス・リッキー(アンデス山脈亜種) Dynastes hercules lichyi | ベネズエラ北西部、コロンビア、エクアドル東部、ブラジル、ペルー中央部、ボリビア北部、アンデス山脈東からアマゾン盆地にかけて |
ヘラクレス・エクアトリアヌス(南アメリカ中央部亜種) Dynastes hercules ecuatorianus | コロンビア東部、エクアドル、ペルー、ブラジル西部 |
ヘラクレス・セプテントリオナリス(中央アメリカ亜種) Dynastes hercules septentrionalis | メキシコ南部、パナマ |
ヘラクレス・オキシデンタリス Dynastes hercules occidentalis | 南アメリカ北西部 |
ヘラクレス・トリニダーデンシス(トリニダード・トバゴ亜種) Dynastes hercules trinidadensis | トリニダード・トバゴ |
ヘラクレス・ブリュゼニ(ベネズエラ亜種) Dynastes hercules bleuzeni | ベネズエラ |
ヘラクレス・パスコアリ(ブラジル南東部亜種) Dynastes hercules paschoali | ブラジル南東部 |
ヘラクレス・タカクワイ(ブラジル西部亜種) Dynastes hercules takakuwai | ブラジル西部 |
ヘラクレス・モリシマイ Dynastes hercules morishimai | ボリビア西部 |
ヘラクレス・トゥクストラエンシス Dynastes hercules tuxlaensis | メキシコ合衆国南部 |
ヘラクレス・レイディ(セントルシア島亜種) Dynastes hercules reidi | セントルシア島、マルティニーク島 |
ヘラクレス・バウドリー Dynastes hercules baudrii | マルティニーク島 |
分布や生息地
中央アメリカ~南アメリカ中部にかけて見られる昆虫で、大型の個体は標高の高い場所から見つかる傾向があるようです。
日本では野生では見ることのできない昆虫ですが、ショップで飼育販売されていたり、昆虫館などでは展示の人気者だったりします。
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