写真ギャラリー
ヒメタイコウチってどんな虫?
普通のタイコウチよりも体は短く、シルエットだけならコオイムシのような雰囲気を持っています。
分布が局地的で、見られる場所が限られている種ですが、生息地では割と見つかるようです。
お尻の呼吸菅もかなり短く、水中というよりは半分陸に上がって活動する、半水生の生態をしているのが興味深いです。
タイコウチ科
昆虫の分類にカメムシ目があります。ヒメタイコウチはその中の「タイコウチ科」の一種です。ミズカマキリなども同じタイコウチ科の昆虫です。
タガメやアメンボと同じ水性カメムシの仲間になります。
ヒメタイコウチの特徴
肉食性でカマ状に発達した前脚が特徴です。
短い呼吸管
タイコウチやミズカマキリは呼吸管がとても長いのが特徴的ですが、ヒメタイコウチはかなり短い呼吸菅を持っています。
水深があるところには生息せず、陸で活動する姿もよく見かけます。
生態
肉食の昆虫
ヒメタイコウチは肉食性の昆虫で、捕らえた獲物に口吻(こうふん)を突き刺して体液を吸います。
呼吸管が短いので、水中で獲物を待ち構える他の種類と違って、陸上で歩行性の昆虫などを捕らえたりもします。
消化液を注入して、溶けた部分を食べる体外消化をします。
半水生
水中での生活だけではなく、陸上にもよくあがります。
呼吸管が短いので、あまり水深があると溺れてしまいます。
分布や得意な生態が興味深い種ですが、どのように進化をたどってきたのでしょうね。
成長
卵
春先から初夏にかけて湿った土中に産卵されます。
色は白く、呼吸するための管のついた卵を産みます。
幼虫
不完全変態で蛹(サナギ)などの期間がないので、幼虫のときから成虫と同じような姿をしています。
孵化(ふか)した幼虫は秋にかけて成虫になります。
越冬
秋に成虫になったら、そのまま成虫で越冬します。
分布や生息地
ヒメタイコウチは本州の東海〜近畿地方の一部と、四国の香川県で見つかっています。
海外では朝鮮半島、中国、ロシア極東部にも生息します。
水深があるところは生息に向かないので、ミズゴケ類の豊富な湿原や、染み出し水がある場所で落ち葉の下から見つかったりもします。