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クマゼミってどんな虫?
日本で最大級のセミです!(南方に住むヤエヤマクマゼミが、このクマゼミよりも一回り大きい)
大きなセミということで子供にも人気のあるセミの仲間です。
夏には都会の真ん中でも大合唱しているので、生息している場所では夏を感じることのできる虫です。
クマゼミの特徴
大きな体が名前の由来
体が大きいのと、体が黒いことも熊(クマ)に例えられた理由になると思います。
大きいもののたとえとして「クマ」と使われることがあるのですね。
クマのように大きなセミで「クマゼミ」です。
同じような名前の付け方ですと、体の大きなハチの仲間で「クマバチ」などもいます。
透明な羽が綺麗
黒い体に透明な羽を持っています。
羽の筋の色が緑なので、見つけたときの印象としては緑のセミです。
羽にに通った美しいグリーンの翅脈がたまりませんね。羽は透明ですから羽化してから色づくこと無く、体の方だけがしっかりと着色されていくのは見ものです。
幼虫の見分け方
大阪などでは夏によく見られるセミの多くはクマゼミかアブラゼミです。
関東へ行くとミンミンゼミが多いようですね。
セミの羽化を観察しようと思ったら、これらの種類を見つけることが多いのではないでしょうか?
成虫になったら違いもわかりますが、普段見ることの少ない幼虫ですがから見分け方わからないですよね。
でも、実は幼虫にも特徴があるので、観察するときの参考にしてください!
- クマゼミの幼虫は背中が黒い。
- アブラゼミは全体に茶色。
- ミンミンゼミは、茶色の体に緑色の模様が多く入る。
クマゼミの鳴き声
クマゼミは「シャワシャワシャワシャワ~」って感じの鳴き声です。
場所によってはシャワシャワの大合唱です。
鳴く時間は決まっている?
クマゼミは午前中に鳴きます。大体お昼くらいまで鳴いたらその日はもうお休みします。
絶対に鳴かないわけではないですが、夕方くらいだと大人しくなったクマゼミを見ることが多いですね!
鳴くのはオスだけ(オスとメスの見分け)
オスは腹弁と呼ばれる発音のための器官を持ちますがメスにありません。(メスは小さい)
なので、オスしか鳴かないんですね。ひっくり返して見てみると、腹弁の有無ですぐに見分けられます。
発音のための器官と、更にオスは共鳴室と呼ばれる空洞をお腹の中に持っています。
そのために大きな音で鳴くことができます。
生態や成長
食べ物や餌(エサ)は「木の汁」
クマゼミを含めセミの仲間の多くは木の汁を吸っています。
口を伸ばして、木の幹に差し込んで汁を吸います。
クマゼミの顔と木の汁を吸う口
都会で鳴く虫
都会でよく鳴いています。田舎に住んでいたときはクマゼミなんて見たこともなかったので憧れの虫だったのですが、大阪に出てきたらクマゼミばかりで驚きました。
街路樹や公園などでもよく見かけるので、都会の夏の虫といえばクマゼミの印象が強いですね。都心でもちょっとした公園や街路樹などの土のところで育ちます。
産卵
クマゼミは産卵管を木に突き刺して数個の卵を産みます。
少しずつずらしながら、硬そうな木に数センチはある産卵管をかなり深く突き刺すのだからびっくりします。
過去には家庭用の配線に産卵するトラブルもあったようです。
ちょうどよい枯れ枝か何かと勘違いしたクマゼミが、配線に産卵することで使えなくなってしまったんですね。
卵から孵化した幼虫は地面に降りて土に潜っていきます。次に地上に出てくるのは数年後です。
抗菌作用のある羽
クマゼミの透明な羽には抗菌作用があります。
日本でも研究されていて、2018年に羽の表面に規則正しく並んだ突起が鍵になっていることがわかりました。
この研究が進めば、薬剤を使わなくても抗菌作用をもたせることができると期待されています!
羽化を観察をしよう!
幼虫は夕方くらいから地上に出る準備を始めています。公園などを散歩しているとセミの幼虫が木を登っているのを見かけることがありますが、ぜひ羽化の様子を観察してみてください。
生命の神秘に触れることができます。
連れて返ってきた幼虫は、木の枝やカーテンなどつかまりやすい場所に移してあげましょう。
気に入った場所を見つけて動かなくなったらその場で羽化を始めます。
羽を伸ばしたところ
腹部は透き通ったオレンジ色
羽化から時間が経ったクマゼミ
飼育できる?
セミの仲間の飼育は難易度が高いです。寿命も2~3週間程度と短いこともありますが、木の汁を吸うので餌(エサ)の準備が大変です。枯れ枝では木の汁が吸えないから駄目なので、木の鉢ごとネットでくるむなりの工夫が必要になります。
ですから、セミは観察したら逃してあげるのが良いと思います。