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【飼育日記】クサカゲロウの幼虫の飼育と観察!どんな成長するのかな?

スズキクサカゲロウ飼育のバナー

飼育日記シリーズは身近でみつけた昆虫の成長を観察し、生き物に興味を持ってくれる人が増えることを期待しています!
大抵の昆虫は、調べると色んな情報が出てきますが、知識として持っているだけでなく実際に観察した記録を写真と一緒に紹介できればと思っています。

クサカゲロウの幼虫との出会い

アゴの鋭い幼虫を見つけました!
クサカゲロウの仲間の幼虫ではないかと思って観察することに。

アゴの鋭さから肉食の幼虫っぽいですね!クサカゲロウの仲間は幼虫の時にはこの鋭いアゴで他の小さな昆虫を捕らえて食べます。
見つけた場所の近くにも、アブラムシやキジラミなどの昆虫がいたので、アブラムシで飼育できるのではないかと思っています。

しかし、驚いたことに少し大きなイモムシも捕食するようで、別の場所で違う個体がハバチの幼虫を捕まえているのを見かけました。

スズキクサカゲロウの飼育
ハバチの幼虫を捕まえて食べていました。

4/30 クサカゲロウの仲間の幼虫

連れて帰ってきた時点ですこしクサカゲロウについて調べているときに「スズキクサカゲロウ」ではないかと当たりが付きました。

スズキクサカゲロウの飼育写真
スズキクサカゲロウの成長

近くで成虫も見かけたので、おそらくスズキクサカゲロウです。

スズキクサカゲロウの飼育の写真
4/30 かまぼこのように腹部が高く膨らんで、鋭いアゴが特徴的な幼虫です。
クサカゲロウの幼虫にはゴミを背負って歩くものも居るのですが、この幼虫は身ひとつで歩き回っているようです。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
4/30 大きく鋭い黒色の大アゴが特徴的ですが、白く透明なアゴのような部分も確認できます。
成虫の儚い印象からは程遠いハンターの雰囲気が漂っています。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
4/30 ナナホシテントウを飼育するときにも捕まえてきたソラマメヒゲナガアブラムシを捕まえてきました。道端に生えているカラスノエンドウなどにたくさんついています。
こいつで飼育できるかわかりませんが、一度あげてみようと思います。

5/3 色が変わってきたクサカゲロウの幼虫

数日経っても元気なのでアブラムシを食べてくれているのではないかと思いますが、肉食系の昆虫は飢餓に強いものも多いので注意したいところです。
しかし、ちょっと良く見てみると色が変わってきています。
茶色い色だったのが少し淡い印象の幼虫になりました。
大きさはそんなに変わったようには見えないのですが、なんでしょう??

スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/3 色が薄くなりました。外で見かけていたら違う種類かと思いそうです。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/3 しばらくすると、アブラムシと一緒に入れていたカラスノエンドウの近くに頭を突っ込んでおしりを振っているような行動を見かけました。
ホコリかもしれませんが、お尻から糸を出しているようにも見えます。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/3 気に入らなかったのか、見られていて緊張したのか、気がついたら別の場所で丸くなっていました。

5/4 葉っぱの下が気に入った

スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/4 最終的には葉っぱの下を気に入ったようです。よく見るとアブラムシが邪魔しに来ていますが、気にならないのだろうか?

5/5 繭になりきっていない・・・

スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/5 繭を作るのかもよくわからなかったが、繭にしようとしているなら一日たっても完成していないのはなぜだろう?
何回も場所を変えて糸の無駄遣いをしてしまったので、糸が足りなくなってしまったのではないだろうか・・・。

5/6 新たな仲間登場!

観察していた個体が無事なのかどうか怪しかったので、同じ種類を見つけたので追加で飼育してみることにしました!
他に飼育していたイモムシは3匹飼育していて全滅の可能性とかもあったので・・・。

クサカゲロウの飼育の写真
5/6 同じ種類のクサカゲロウの仲間(おそらくスズキクサカゲロウの幼虫)を連れて帰ってきました!写真はアブラムシを捕食しているところです。鋭いアゴを突き刺して体液を吸っていますが、どうやって食べているんでしょう?アゴがストローみたいになってるんでしょうか?
クサカゲロウの飼育の写真
5/6 さらにもう一匹。同じ種類を連れて帰ってきたつもりだったのですが、少し様子が違いますね。成長すると色が変わる可能性もありますが、おそらく違う種類のクサカゲロウの幼虫です。夕方で暗かったからよく見えてなったんですよね・・・。
まぁ、それも一興ということで一緒に飼育してみることに。

ちょっと調べてみたら「クロズヤマトクサカゲロウ」の幼虫の可能性が高いです。
クサカゲロウの飼育の写真
5/6 栄養をたっぷりと取れるように餌(エサ)も充分に用意しました!アブラムシ3種類(ソラマメヒゲナガアブラムシ・エンドウヒゲナガアブラムシ・ナシミドリオオアブラムシ)に、たまたま落ちてきたシャクトリムシとテントウムシの幼虫が入っています。テントウムシの幼虫はうまくいくとそのままアブラムシを食べて成長するかもしれません。

5/7 更に新たな仲間登場!

違う種類も育てることにしたので、せっかくだから「塵載せ型」のクサカゲロウの幼虫も育ててみることにしました。
クサカゲロウの幼虫の仲間には、背中にゴミを乗せて活動するものが多く知られています。
そのタイプを「塵載せ型」と言うのですが、探しに出てみたらすぐに2匹見つかりました!
この2匹はたぶん同じ種類です。

カオマダラクサカゲロウの幼虫かなと思っていますが、成長を見守ってみましょう!

アブラムシを与えてみたらさっそく食いついています。

クサカゲロウの飼育の写真
5/7 横から見ると、体に色々乗せているのがわかります。ゴミをどけたら少しずんぐりした体型をしていそうです。
クサカゲロウの飼育の写真
5/7 上から見るとこんな感じで、アブラムシにアゴを突き立てて食べています。
クサカゲロウの飼育の写真
5/7 捕まえた時にはアブラムシを食べていたのですが、気がついたら動かなくなっていました。
クサカゲロウの飼育の写真
5/7 これはもう繭の状態なのでしょうか?つついても動かないですし、少し力を込めても簡単には取れなさそうです。

新しい仲間も増えたので、どんな成長するのか楽しみです!

5/8 続々と変化が始まっています

クサカゲロウの飼育の写真
5/8 繭を作り損ねた最初の幼虫が数日経って蛹(サナギ)になりました!
本来は繭の中で蛹になるのですが、繭がないおかげでその姿を拝むことができました。
クサカゲロウの飼育の写真
5/8 顔がちゃんとクサカゲロウです。この時点で幼虫の姿からはかなり大きな変化をしているので時間がかかるのかもしれません。
クサカゲロウの飼育の写真
5/8 クロズヤマトクサカゲロウと思われる幼虫も繭を作り始めました。繭になるまでが早かったですね。
ふんわりと繭を作り始めている状態なので、中で丸まっているのが透けていますね!
クサカゲロウの飼育の写真
5/8 カオマダラクサカゲロウと思われる幼虫は2匹いたのですが、2匹目も繭になったようです。背中に乗せていたゴミはそのまま繭にくっつけるのがポイントのようですね!

5/12 蛹(サナギ)の目が黒くなりました

クサカゲロウの飼育の写真
5/12 数日経ってから確認すると目の部分が黒く変化しています。
クサカゲロウの飼育の写真
5/12 正面から見てみるとクサカゲロウの顔がしっかりと分かるのが可愛いです。

5/13 クサカゲロウの繭

一匹目が繭を作れなかったのではっきりとしませんでしたが、これでクサカゲロウの仲間が繭を作ってその中で蛹(サナギ)になることがわかりました。

白く丸い繭ですが、よく見ると横に黒い部分が見えています。繭でよくわからないですが、これは穴になって出口にでもなっているのでしょうか?
最初はゴミを巻き込んで繭を作ってしまったのかもしれないと思いましたが、2匹とも同じような繭になったので、これが正しい形なのでしょうね!

クサカゲロウの飼育の写真
5/13 12日にも紹介したクロズヤマトクサカゲロウの繭がしっかりと形になっていました。
クサカゲロウの飼育の写真
5/13 あとから追加したスズキクサカゲロウも気がついたら繭になっていました。

5/15 蛹(サナギ)の羽が黒くなりました!

最初に蛹(サナギ)になったスズキクサカゲロウに変化が起きました。羽の部分が黒くなってきました。
比較しやすいように12日時点の写真と並べています。

羽化すると透き通った羽に変わるのに、なぜこの時点で黒くなるのでしょう?
想定外でびっくりしています。

クサカゲロウの飼育の写真
5/12 の状態では羽は透明でした。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/15 羽の色が黒く変わってきたので羽化が近いのだと思います。

5/16 スズキクサカゲロウが羽化しました!

次の日には羽化していました。
明るいグリーンと透明な羽の美しい昆虫です。
顔に入る模様を確認してもスズキクサカゲロウで良さそうです。

スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/16 綺麗な成虫が出てきてくれました。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/16 昆虫の不思議ですが、こんなに大きな羽が、どうやって蛹の状態で収まっていたのでしょう?
スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/16 脱皮した抜け殻も残っていました。
スズキクサカゲロウの飼育の写真
5/16 羽には細かな毛が生えていて、この様子から英語では「green lacewing(グリーンレースウィング)」と呼ばれます。しかし、この透明な羽も大きく拡大してみてみると、細かく黒っぽい模様が入っています。羽は全体的には透明ですが、それを支える翅脈には濃い色が入っているので、これをぎゅっと固めた状態の蛹(サナギ)では羽が黒くなるんですね!

※次回更新もお楽しみに

昆虫の飼育まとめ!生き物と触れ合う楽しさ

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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