最初に書いておきますが、元号の話ではありません。元号から思いついた「昆虫」の話です。
「令和」
2019年4月1日に新元号が発表されました。万葉集の5巻より「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。」より引用されました。
引用元になる「令月」は「何事をするにもよい月。めでたい月。」という意味ですね。
年齢とか年令って書きますよね?
でも僕が考えたのは「よわい」として使われる「令」の字のこと。
なんとなく使っているのですが、元号に全く関係ない部分で興味が湧いたので調べてみました。
昆虫の世界においての「れい(齢/令)」の字の意味。
昆虫は生まれてから脱皮を繰り返して成虫になります。生まれてすぐの幼虫を「1齢(1令)幼虫」。1回脱皮して大きくなると「2齢(2令)幼虫」です。「齢」と「令」。本当はどっちが正しいのかな?と思ったわけです。
調べてみると「令」の字には人の年を表す「よわい」の意味はありません(衝撃)
なぜ「令」の字が使われるのでしょう?
理由は字が簡単だからです。画数が少ない、齢よりも先に習う漢字というのが理由です。教育漢字として使われるようになってきた経緯があるのですね。似た使い方をしているものに「歳」と「才」もあります。「齢、歳」より「令、才」の方が書きやすいし見やすいですもんね。
文化庁の報告書
文化庁からも日本語教育における報告書があげられていますが、令や才の字が一般的に使われていくことを認めるような内容です。
語形の「ゆれ」の問題 漢字表記の「ゆれ」について(報告)2(文化庁)
昆虫の分野では?
昆虫の分野ではどうなっていくでしょうね?
幼虫と言えばイモムシ!ということで子供向けにも出されている図鑑をいくつか確認してみます。
文一総合出版「イモムシハンドブック」
小学館「イモムシとケムシ」
「齢」の字が使われているようですね。
まとめ
日本全体としては「令」でも「齢」でもどっちでもよさそうです。しかし、3歳からも使えると書いてる小学館の図鑑でも「齢」の字が使われているのは意外でした。2018年発行で比較的新しいのに。
このサイトもどの漢字を使うかはよく悩みます。他にも「翅」と「羽」とか。意味としては合っているけど、昔から使っている漢字のほうがわかりやすいのか?読みやすさを取るのか?
専門分野として考えるなら「齢」。一般的に考えるならば「令」がいーのかな?と思ったりします。