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クロナガアリってどんな虫?
中型のアリで、草原などで見られます。色んな物を食べる雑食のイメージのあるアリですが、このクロナガアリは種子を集めて食べる草食のアリです!
名前がクロヤマアリとややこしい
代表的なアリの仲間に「クロヤマアリ」がいます。
クロナガアリと名前が似ていて、アリに慣れていないとちょっとよくわからなくなることが最初の頃にはありました。
クロナガアリの一生
クロナガアリは集団生活をするアリで、巣の中にはたくさんのアリが生活しています。
春先になると、新女王と雄アリ(おすあり)が育てられ、タイミングを見計らって巣から飛び立っていきます。
他の巣の雄アリと出会った女王は自ら羽を切り落とし、巣を作るために穴を掘っていきます。最初はきっと小さな巣に違いありませんが、そこで卵を生んで育てるのです。
アリは卵→幼虫→蛹(サナギ)→成虫と大きく姿を変える完全変態の昆虫です。最初は女王アリが全ての世話をして働きアリを育てていきます。働きアリが増えてくると、仕事が分担され巣が大きくなっていきます。
秋になるとエサとなる植物の種子を集めて貯蔵し、冬に備えます。そうやってコロニーをどんどん大きくしていくんですね。
女王アリの寿命は10年以上とも言われ、長いものだと20年近くも卵を産み続けます。その間に、新しい女王アリや雄アリを育て、成長すると巣から飛び立っていくんですね。
集団生活
クロナガアリは社会性の昆虫で集団生活を行います。役割として女王アリ、雄アリ、働きアリがいます。日本のクロナガアリには兵隊アリは生まれません。気性が大人しいのかもしれません。
クロナガアリの女王
アリのコロニーには卵を産む女王アリがいます。女王と呼ばれていると一匹だけのような気もしますが、同じ巣の中に女王アリが何匹もいる種類がいます。
このクロナガアリも複数の女王アリがいることが多く、巣作りのタイミングから協力したりします。
女王アリはとても長生きで寿命は10年以上とも言われているのですが、雄と卵を産む準備をするのは結婚飛行を行った時の一回だけです。その時に蓄えた精子で卵を産み続けるなんてすごいですね!
働きアリ(ワーカー)
体長は約5mm程で腹柄節は2つあります。腹部にはツヤがあって、お腹だけ黒光りしている印象です。
生息地と分布
本州、四国、九州に分布します。乾燥した草原を好み、畑や空き地などでも秋によく見られます。
海外では朝鮮半島、中国、モンゴルまで分布しているようです。
食べ物、餌(エサ)は?
オヒシバやエノコログサなどイネ科植物などの種子を食べます。アリと言えば肉食や雑食のイメージがあると思いますが草食のアリさんなのですね!(種子を基本的に食べるのですが、与えれば昆虫なども少しは食べます)
秋ごろにせっせと種子を集め、殻をしっかりと剥いて冬籠りのために巣の中に貯蔵します。
クロナガアリの巣
巣は真下にずっと掘り進んで、横向きの部屋を途中につけていきます。大きな巣だと深さが5メートルになることもあるそうな!
秋以外はほぼ巣穴を閉ざして巣の中で生活しているそうだが、結婚飛行は4~5月頃に行われるのでその時期にはよく見かけることもできます。
飼育は比較的簡単
食べ物が種子なので、近所にエノコログサなどが生えていると飼育は比較的簡単です。
アリを捕まえてくる
飼育するならアリを捕まえてこないといけないですね!
・巣を掘って女王とワーカーを捕まえてくる。
巣から集団で捕まえて持って帰ってきます。労働力がたくさんある状態で飼育を始められるので、エサを集めてくる様子などをすぐに観察できますね!
・結婚飛行で産卵可能な女王アリを探す
5~6月の晴れた天気のよい日に近くの公園などへ行くとクロナガアリの女王を見つけることができるかもしれません。
女王は産卵可能になると、羽を自ら切り落として巣を作る場所を探しますので、地面を歩いている羽のない女王はすでにオスと出会った可能性が高いです。最初に卵を産むところから観察できるので、じっくりと見ていきたい人にはおすすめです!
クロナガアリは複数の女王で巣作りをしていくので、何匹か捕まえてくることができると増えるのが早くなります。
飼育ケースの準備
クロナガアリは地中に巣を作るタイプのアリです。地中は常に湿度が保たれた状態なので、乾燥には弱いです。
一般的におすすめされている方法に「石膏(せっこう)」を使うやりかたがあります。
石膏は水分を吸収して湿度を保つのに最適なことと、色も白く丈夫なので観察がしやすいというメリットがあります。
本格的な飼育セットも石膏を使って制作されていることが多いですね。
今はハンドメイドの人気に合わせて、100円ショップなどでも手に入りますので便利ですよ!
ここでは100円ショップで準備したもので、簡単に飼育ケースを作ってみました。
適当なサイズのアクリルケース(100円)に石膏を流し込んだものです。
働きアリであるワーカーが増えてきたら、もう一つアクリルケースを準備する予定です。
アクリルケースに穴を開けてアリが通れるようにチューブでつないで、一つを巣の代わりに。もう一つを餌場(えさば)として利用します。