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セグロアシナガバチってどんな虫?
アシナガバチの仲間の中ではとてもよく見られる大型の種類です。
色彩や大きさで一見スズメバチのようにも見えますが、腹部のくびれも強く全体にほっそりとした印象です。
スズメバチ科
昆虫の分類でハチ目があり、その中にスズメバチ科はあります。セグロアシナガバチはその中に含まれる昆虫で、近い仲間にはオオスズメバチやキアシナガバチの他の仲間などがいます。
セグロアシナガバチの特徴や見分けるポイント
アシナガバチの中では大型の種類で、胸部の背面後方が黒くなっているのが特徴です。
オス♂とメス♀の違い
オスは繁殖の時期になると現れますが、メスと比べると少し印象が異なります。
違う点としては、
- 触角が黒っぽい
- 顔が白っぽい
この2点がわかりやすいと思います。
オス♂
オスは女王蜂と交尾するために産まれてきます。葉っぱの上で休んでいた下の個体はおそらく交尾を終えたオスで、あとは力尽きていくだけなのでしょう。
キアシナガバチとの違い
セグロアシナガバチの方が色が濃いです。胸部後方が真っ黒だとセグロアシナガバチで、同じ場所に黄色の縦筋が2つ入るのがキアシナガバチです。他にも、キアシナガバチの触角の根元の半分は黒っぽくなっているので、そこでも判断できます。
セグロアシナガバチ
キアシナガバチ
生態や成長
食べ物や餌(エサ)は?
幼虫を育てるために、チョウやガの幼虫を狩って餌(エサ)にしています。
成虫はエネルギー補給のために、花のミツや樹液にもやってきます。
警戒色
体の配色は黒色と濃いめの黄色の配色になっています。キアシナガバチに似ていますが、セグロアシナガバチの色の方が茶色っぽく感じられます。
この色彩は警戒色と言います。
スズメバチなども似た色彩を持っているために、他の天敵などに怖い生き物だと思わせる効果があります。
ぶら下がった巣の形
雨の当たらない場所に巣を作り、家屋の軒下などでも見られます。
巣はぶら下がった形で作られており、ハスの花を下に向けたような形をしています。巣が大きくなってくると、育房数は最大で400ほどにもなり、数十から百ほどの個体が生活します。
巣の根本には、アリよけの物質が塗られ黒っぽくなっています。
アシナガバチの危険性
アシナガバチはスズメバチの仲間で毒針を持ちます。毒針は産卵管が変化したものなのでメスしか持ちませんが、基本的に見かけるのはメスです。しかし、攻撃性は高くないので何もしなければ刺される事はありません。刺激を与えたり、触ったりしなければ大丈夫です。
危険なのが、洗濯物に紛れていて触ってしまうパターンや、庭仕事で巣に気づかず刺激してしまったパターンなどです。
刺されたら、強い痛みと腫れるなどの症状が出ますが、過去にアシナガバチやスズメバチに刺されていた場合はアレルギー反応で症状が悪化することがあるので気をつけましょう。
アナフィラキシーショックなどの、強いアレルギー反応が出た場合はすぐに救急車を呼んだほうが良いです。
症状が軽い場合は「ステロイド外用薬」で症状をましにできます。
分布や地域による変化(亜種)
本州から南西諸島まで分布します。
南西諸島に生息するものは亜種として区別されていて「奄美亜種」や「沖縄亜種」とされています。
これらの亜種は模様に変化が見られ、セグロアシナガバチの特徴である胸部の背面後方にも模様が現れるものが多いようで、キアシナガバチなどと混同しないように注意が必要です。