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イチモンジカメノコハムシ

イチモンジカメノコハムシの写真

写真ギャラリー

亀の甲羅を背負っているような姿(大阪)

脱皮殻などを背負って身を隠しています

おしりの先につけている

変わった生態で面白い

下に隠れている幼虫もトゲトゲしている

動かなくなったと思ったらサナギに変化している

サナギはカメノコハムシの雰囲気がある

サナギの様子をおしりの方から

脱皮殻

羽化したては透明感が強い

羽が透けているのは、葉裏で隠れた時に見つかりにくくなるのかな

脚(アシ)や頭を下に隠せる

木の枝に捕まっている(大阪)

ハムシ科まとめ 葉虫図鑑

イチモンジカメノコハムシってどんな虫?

ハムシの仲間ですが、まるで亀の甲羅を背負ったような姿で身を守っています。
ムラサキシキブなどの植物についているのを見かけますが、成虫の姿だけでなく、幼虫が背中に脱皮殻などを背負っているところも面白い昆虫です。
上から見ていると、顔はほとんど隠れていますが、ひっくり返してみるとひょうきんな顔をしているのも魅力です。

イチモンジカメノコハムシの写真
イチモンジカメノコハムシ

ハムシ科

コウチュウ目に含まれるグループで、日本では800種類ほどが知られています。植物食で日中に活動するものが多く、漢字では「葉虫」と書きます。農作物に被害を与える害虫も少なくないのですが、色んな模様や形態的特徴を持ったハムシがいるので人気も高いです。

カメノコハムシやジンガサハムシの仲間は、亀の甲羅を背負ったような姿をしているのが特徴的です。

イチモンジカメノコハムシの特徴

胸の部分は赤褐色で、フチの透けたところは黄みがかった感じから褐色をしています。
フチの後部には左右に黒い紋があり、少し離れて見ると一文字のような帯が入っていているのが特徴です。まれに消失する個体もいるようです。

この一文字模様が名前の由来にもなっているのでしょうね。

イチモンジカメノコハムシ

イチモンジカメノコハムシの写真
正面から
イチモンジカメノコハムシの写真
少し後ろから
イチモンジカメノコハムシの写真
斜めから
イチモンジカメノコハムシの写真
羽を広げたところ
イチモンジカメノコハムシの写真
上から
イチモンジカメノコハムシの写真
死んだふり(?)脚を閉じて身を守ります
イチモンジカメノコハムシの写真
顔がひょうきんでカワイイですね

セモンジンガサハムシとの違い

見慣れないとセモンジンガサハムシと雰囲気が似ています。
セモンジンガサハムシには「X」に見える隆起条が入っているところと、触角の半分が黒くなっているところで見分けることができると思います。

参考:イチモンジカメノコハムシとセモンジンガサハムシ

イチモンジカメノコハムシの写真
イチモンジカメノコハムシ
触角の先が黒いですね。
セモンジンガサハムシの写真
セモンジンガサハムシ
背中に「X」の模様が見えます。

生態

食べ物や餌(エサ)

幼虫も成虫もムラサキシキブやヤブムラサキなどの葉っぱを食べています。

何かを背負っている幼虫

幼虫は、脱皮した抜け殻やフンを器用に背負って生活をしています。
きっと、天敵から身を守る効果があるんでしょうね!

実際にはおしりの先にくっつけているものを動かして身を隠しています。

イチモンジカメノコハムシの写真
脱皮殻や糞(フン)などを背負った幼虫。

成長

幼虫

幼虫は、背中に脱皮殻やフンを背負って生活していますが、おしりの先に付け足して大きくしていきます。
その下にはトゲトゲの幼虫が隠れています。

イチモンジカメノコハムシの写真
背負っています。
イチモンジカメノコハムシの写真
お尻を上げると幼虫の姿が見えます。
イチモンジカメノコハムシの写真
成長とともに、背負っているものも大きくしていきます。
イチモンジカメノコハムシの写真
幼虫はトゲトゲしていますね。

蛹(サナギ)

イチモンジカメノコハムシの写真
幼虫時代のトゲトゲは脱ぎ捨てて、カメノコハムシの雰囲気のあるサナギです。
イチモンジカメノコハムシの写真
ある日動かなくなって死んだのかと焦りました。よくみるとサナギになっていたんですね。
イチモンジカメノコハムシの写真
サナギになった状態をおしりの方から。

脱皮殻

イチモンジカメノコハムシの写真
黒かったフンが白くなっているのは、ちょっとカビてしまったようです。

成虫

羽化した成虫は、最初透明感を持った羽をしていました。
時間が経って成熟してくると、この羽はもう少し色づいてきます。

イチモンジカメノコハムシの写真
脚(アシ)や頭は下にすべて隠すことができます。
イチモンジカメノコハムシの写真
葉っぱの裏に止まっているとき。光に透けた時に、シルエットが虫食いの痕のようにもみえます。シルエットを崩すことで、見つかりにくくする効果があるようです。
イチモンジカメノコハムシの写真
カメノコハムシの中では大きめで、模様にも特徴があります。
イチモンジカメノコハムシの写真
黄色っぽい羽になったイチモンジカメノコハムシ。

分布や生息環境

日本では本州から南西諸島まで見ることのできる昆虫です。
ムラサキシキブなどの食草が近くにあれば割と見ることができます。

カメノコハムシの仲間をもっと見る!

ハムシ科まとめ 葉虫図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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