写真ギャラリー
ヒラタクワガタってどんな虫?
クワガタムシの中では大型で、とても人気のある種類です。
地域によってアゴなどの特徴が大きく異なり、亜種の数も豊富で飼育も盛んに行われています。
気性が荒いことでも有名で、挟まれるととても痛いです。
クワガタムシ科
昆虫の分類の中で硬い羽を持つのが特徴の「甲虫目」があります。その中に「クワガタムシ科」は含まれており、ヒラタクワガタはその中の一種になります。日本では40種ほどが知られており、オスは大きなアゴを持つことで子供から大人まで人気の高い昆虫です。飼育も盛んに行われています。
この仲間には、オオクワガタやミヤマクワガタ、ノコギリクワガタなど人気の昆虫がたくさん属しています。
ヒラタクワガタの特徴
直線的で、ギザギザのついたアゴが特徴的なクワガタムシです。
体やアゴが他のクワガタムシと比べると平べったい雰囲気を持っていることから「ヒラタ」と名付けられました。
しかし、平たいだけで決して弱々しいわけではなく、むしろ強く逞しいクワガタムシの部類に入ります。
オスの大アゴの形
直線的で大きな内歯とギザギザの小歯が特徴的なアゴの形です。
メスの特徴
クワガタのメスは、オスのような大アゴがないのでどの種類も似ています。
しかも、大きさも20mm程度の小型個体から40mmを超えるものまでいるので、サイズで確認するのが難しいのです。
よくわかってなかった時にTwitterでいろんな方がコメントくださったのが勉強になったので載せておきます。
とても小さい(22mm)個体だったので、一度「コクワガタ」と間違えましたが、よくよく調べてみると「ヒラタクワガタ」だったケースです。
特にコクワガタとややこしいことがありますが、背中の中央に入っている光沢が幅広いのがコクワガタと違う点です。
メスの前脚での見分け方
背中の光沢はサイズによってわかりにくくなりますが、前脚の特徴はサイズが違っても変わりません。
ヒラタクワガタの最大サイズは?
一般的にはヒラタクワガタ(ホンドヒラタクワガタ)のオスのアゴまで入れた体長は(18~75mm)程と言われています。
2016年の「BE-KUWA(クワガタムシの雑誌)」で発表されていた飼育個体の最大サイズ発表では、ホンドヒラタで86mmを超えていました。
感覚的な部分も含まれますが、日本のヒラタクワガタでは60mmを超えると大きなサイズ。
70mmを超えるとかなり大きな特大サイズ。
80mmを超えると、目を見開くほどのサイズって感じでしょうか。
海外に生息する「パラワンオオヒラタクワガタ」という亜種はヒラタクワガタの中でも特段に大きく、最大のものでは110mmを超える個体もいるそうです。
生態(気性や寿命など)
気性は荒い
力強くて太く頑丈なアゴを持っているので、油断していると痛い思いをすることになります。
その気性の荒さから、オスとメスのペアで飼育しているときに、メスを死なせてしまうこともあります。
ヒラタクワガタの寿命
孵化(ふか)から成虫になるまで約1年で、成虫になってからは1~3年ほどの寿命があります。
成虫で数年飼育を楽しめるのもヒラタクワガタの魅力ですね!
夜行性
ヒラタクワガタは基本的に夜行性で、昼間は樹洞などに隠れています。
夕刻くらいから活動しているのを見かけるようになり、樹液に向かって飛んでいく様子も観察できるようです。
成長の様子(幼虫・蛹・成虫)
クワガタムシの仲間は完全変態と言って、サナギの状態を経て大きく姿を変える種類です。
幼虫と成虫ではかなり姿が変わりますね!
幼虫
見た感じはカブトムシの幼虫とも似ていますが、頭部はオレンジ色でカブトムシの幼虫のようにゴツゴツしていません。
蛹(サナギ)
土の中で蛹室(ようしつ)と呼ばれる部屋を作って、その中でサナギになります。
成虫
種類や亜種
ヒラタクワガタにも何種類かあって、日本には数種類が生息しています。
「スジブトヒラタクワガタ」や「チョウセンヒラタクワガタ」が日本の一部の島に生息しているんですね。
それだけではなく、ヒラタクワガタはその地域によって特徴が異なってくるものが多くいて、それらは亜種として区別されています。
亜種も全てヒラタクワガタなので、一般にヒラタクワガタとして知られているものは「ホンドヒラタクワガタ/本土ヒラタクワガタ」と呼ばれたりもします。
日本に生息する亜種を紹介
亜種名と学名 | 生息地 |
ヒラタクワガタ(ホンドヒラタクワガタ) Dorcus titanus titanus | 本州・四国・九州 |
ゴトウヒラタクワガタ Dorcus titanus karasuyamai | 五島列島 |
アマミヒラタクワガタ Dorcus titanus elegans | 奄美群島(奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島) |
ツシマヒラタクワガタ Dorcus titanus castanicolor | 対馬 |
タカラヒラタクワガタ Dorcus titanus takaraenis | トカラ列島(宝島・小宝島) |
トクノシマヒラタクワガタ Dorcus titanus tokunoshimaensis | 徳之島 |
オキナワヒラタクワガタ Dorcus titanus okinawanus | 沖縄諸島 |
オキノエラブヒラタクワガタ Dorcus titanus okinoerabuensis | 沖永良部島 |
ダイトウヒラタクワガタ Dorcus titanus daitoensis | 大東諸島 |
サキシマヒラタクワガタ Dorcus titanus sakishimanus | 八重山諸島 |
他にも海外にもヒラタクワガタの亜種がたくさん生息していて、世界では20種類以上の亜種に区分されています。
海外の亜種で有名なものでは「パラワンオオヒラタクワガタ」などがいます。
飼育しているペットが逃げたりすると、地域によって特徴のあった個体と交配して、亜種の特徴が無くなっていくことが考えられます。
飼育個体を野外へ放すのは、その地域の個体の遺伝子が守られなくなるのでやめましょう。
飼育や販売されている値段は?
愛好家も多いので、飼育に関してはたくさんの知見が揃っている種類です。
ヒラタクワガタのことをある程度理解していれば飼育は難しくないでしょう。
成虫の飼育でしたら、一般的なカブトムシの飼育などと同じように飼うことも出来ます。
産卵させたり、幼虫を飼育するにはカブトムシとはやりかたが違ってくるので、調べてから飼育したほうがよいでしょう。(記事もまた書きます。)
注意点としては、乾燥させないなどはもちろんなのですが、気性が荒いので複数の個体を一緒のケースに入れておくと喧嘩をしてしまうので、個別で飼育するのが基本になります。
見つけるのは大変なのでペットショップなどで購入したいということもあるでしょう。
その場合の価格ですが、そのサイズで大きく値段が変わります。
亜種などではその珍しさでも変わってきます。
しかし、とりあえずお試しで飼育してみたいという場合はオスとメスのペアで2,000円~4,000円くらいで手に入れることができます。
よかったら一度見てみてください。
楽天で見る
珍しくなったり大きなサイズのものになってくると数万円の値段がつくこともあります。
分布や生息環境
本州から南西諸島まで生息し、平地の林の中などで樹液に集まります。
警戒心が強く、樹洞や樹皮の下に隠れていることが多いです。