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クズノチビタマムシ

クズノチビタマムシの写真

写真ギャラリー

葉っぱから出てきてもらった幼虫

ビーズのアクセサリーみたいな幼虫

幼虫が潜っている食痕(大阪)

光に透かすと幼虫の姿が確認できる(大阪)

透けたシルエットが丸くなったのはサナギになったから

サナギ

羽化の様子

脱皮不全になってしまった

成虫のクズノチビタマムシ

ダニに寄生されている(三重)

タマムシ科まとめ 玉虫図鑑

クズノチビタマムシってどんな虫?

クズの葉の上でよく見つかるチビタマムシの仲間です。とても小さく数ミリ程度の大きさです。
クズがたくさん生えているような場所ではよく見かける昆虫で、雑草的にクズが群生している場所など見かけると探してしまいます。

よく知るタマムシとは雰囲気が異なりますが、顔などアップで見るとタマムシっぽい顔をしていたりします。

タマムシ科

昆虫の分類で甲虫(コウチュウ)目があります。その中にタマムシ科は含まれていてクズノチビタマムシもその一種になります。甲虫の仲間は硬い羽を持っているのが特徴ですが、タマムシは光沢のある美しい羽を持っている種類が多いことでも有名です。代表的な種類としてはヤマトタマムシやウバタマムシなどが含まれます。

クズノチビタマムシの特徴

頭部の金色の微毛と、羽の灰色の波模様が特徴的ですが似た種類も多いです。

クズノチビタマムシの写真
顔アップ
クズノチビタマムシの写真
斜めから
クズノチビタマムシの写真
上から

生態

食べ物や餌(エサ)

クズの葉を食べています。

クズの葉は、食用でも利用できますが雑草として生えていることが多いので、特に害虫の扱いを受けることはありませんが、成虫・幼虫ともにクズの葉を食べて育ちます。
幼虫は葉っぱの中に潜り込んで食べる生態を持っています。

成虫はクズの葉をジグザグに食べていくので、慣れてくると食痕から探すと見つけやすいです。

成長の様子

幼虫はクズの葉の中に潜って生活し、成虫になってもクズの葉で見つかります。

幼虫

クズの葉に潜り込んで生活をしています。
その中を食べるので、茶色く変色したクズの葉を見つけたら幼虫がいるかもしれません。

クズノチビタマムシの写真
葉っぱの先が茶色くなっている。薄くなっている印象で、内側に空洞がありそうな感じだと、中に幼虫がいるかもしれません。
クズノチビタマムシの写真
光に透かしてみたら幼虫の姿が浮かび上がりました。
クズノチビタマムシの写真
一部をめくって出てきてもらいました。
クズノチビタマムシの写真
まるでビーズのアクセサリーみたいな幼虫です。

蛹(サナギ)

葉っぱの中に潜ったまま蛹化(ようか)して蛹(サナギ)になります。
光に透かしてみると、シルエットが丸っこくなっているのがわかります。

クズノチビタマムシの写真
シルエットでサナギになっているのがわかります。
クズノチビタマムシの写真
背中側。
クズノチビタマムシの写真
お腹側。

羽化(うか)

葉っぱの中で羽化してから出てくるのですが、葉っぱの外に出して観察してみました。

クズノチビタマムシの写真
羽化して成虫に。
クズノチビタマムシの写真
脱皮不全で羽が少し傷ついています。

成虫

チビタマムシの仲間はサイズが小さいですが、顔はタマムシらしさを持っています。

クズノチビタマムシの写真
クズノチビタマムシの成虫。

分布や生息環境

本州から九州まで分布し、川原の土手に生えるクズの上や、林縁などでよくみかけることのできる種類です。

クズノチビタマムシは数ミリ程度と小さいのですが、成虫は葉っぱを端からジグザグに食べていく特徴があるので、その食痕を頼りに探すと見つけやすいです。

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タマムシ科まとめ 玉虫図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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