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モンクチビルテントウ

モンクチビルテントウの写真

写真ギャラリー

モンクチビルテントウの成虫

ペア。オスの顔は白い(大阪)

アリとアブラムシと幼虫(大阪)

特に追い払われることもない(大阪)

アブラムシの脚に噛みついて捕食している(大阪)

葉っぱに隠れるように

お尻

大きめの紋模様

顔が黒いのはメス♀

葉裏にいた成虫(大阪)

モンクチビルテントウ

テントウムシ科まとめ 天道虫図鑑

モンクチビルテントウってどんな虫?

3mmほどの小さめテントウムシで、背中に4つの大きめな星模様があるのが特徴的です。
小さくても肉食の生態で、成虫も幼虫もアブラムシなどを捕食します。

1998年に沖縄で記録されてから急速に分布を広げている移入種です。

ヨツボシテントウの写真
アブラムシの脚に噛みついて体液を吸っている幼虫。アリが周りとうろつくが、追い払われることはない。

テントウムシ科

昆虫の分類で硬い羽を持つことが特徴の「甲虫目」があります。その中に「テントウムシ科」があるのですがモンクチビルテントウはこの仲間に含まれています。他にも有名なテントウムシではベダリアテントウやナミテントウ、キイロテントウなども同じ仲間です。

テントウムシ科のなかでもテントウムシ亜科ヨツボシテントウ族に分類されています。

特徴(成虫・幼虫)

体調は3mmほどで、少し縦長の4つの星と羽の縁は黒色になっているのが特徴的なテントウムシです。

模様には変化があり、黒い紋が大きくなった異常型や、全体に黒くなった黒化型。
九州などでは、紋の間が黄色くなった個体などが見つかります。

オスとメスは顔の色で見分けることができ、似た種類にヨツボシテントウがいますが、模様で見分けられます。

成虫

基本は赤色の地色に縦長の黒色の紋が4つ。羽の会合は黒く縁取られます。

モンクチビルテントウの写真
モンクチビルテントウ

幼虫

上から見ると平べったく、俵型(たわらがた)の体型をした幼虫です。

ヨツボシテントウの写真
モンクチビルテントウの幼虫
ヨツボシテントウの写真
ひっくり返った裏側
ヨツボシテントウの写真
体を反らせるように起き上がろうとしている。丸っこい体型に見えるのは、左右にひだのような部分が発達したからなのがわかる。

オス♂とメス♀の違い

オスとメスでは顔の色に違いがあります。
オスの顔のほうが明るくなり、黄色や白っぽい印象を受けるものが多いです。
メスの顔は黒っぽい感じです。

モンクチビルテントウの写真
上に乗っているのがオス♂で顔が明るい。下がメス♀で顔が黒っぽい。

ヨツボシテントウの違い

似た種類にヨツボシテントウがいます。
モンクチビルテントウは大きく横長の紋模様。
ヨツボシテントウは小さめで縦長の紋模様です。

モンクチビルテントウの写真
モンクチビルテントウ
ヨツボシテントウの写真
ヨツボシテントウ

生態

食べ物や餌(エサ)

幼虫も成虫もアブラムシを捕食しているのを見かけます。
飼育する場合は、アブラムシなどをエサとして取ってくる必要がありますが、昆虫ゼリーなども食べてくれると思います。

幼虫のエサの食べ方ですが、アブラムシを丸ごと食べるのではないようです。
よく知られたナナホシテントウやナミテントウは、アブラムシを捕まえると丸ごと「むしゃむしゃ」と食べてしまいます。

しかし、この幼虫を観察していると、アブラムシは頭部の近くにくっついているだけです。
よく見てみると、アブラムシに噛みついて体液を吸っています、丸ごと食べるのではないのですね。
そして、だんだんとアブラムシの体液が無くなっていき、最後にはスカスカになった殻だけが残っています。

捕食

ヨツボシテントウの写真
アブラムシを捕食する幼虫

アブラムシを見つけてから食べ終わるまでを見ていました。
4枚の写真で紹介します。

ヨツボシテントウの写真
1.アブラムシと遭遇。
ヨツボシテントウの写真
2.一匹のアブラムシが捕まりました。
ヨツボシテントウの写真
3.体液を吸われると、茶色かった体色が薄くなって緑っぽく見えます。
ヨツボシテントウの写真
4.最後には体液を吸われた皮だけが残ります。

越冬

ケヤキの樹皮下などで越冬します。

成長(幼虫・サナギ・羽化・成虫)

幼虫

大きくなっても数mmほどのテントウムシです。
生まれて間もない頃は、サイズもかなり小さく肉眼では小さなアブラムシと見分けるのも大変です。

ヨツボシテントウの写真
小さくても俵型(たわらがた)をしている幼虫。
ヨツボシテントウの写真
まだ小さいが、なんとなく平べったいのがわかる。

野外で見つけるときは、アブラムシとアリを観察しているときに見つけることが多いです。
アリに守ってもらうはずのアブラムシですが、モンクチビルテントウの幼虫はまったく追い払われることもなく近づいてきます。

ヨツボシテントウの写真
アリとアブラムシの中で何食わぬ顔で生活している。
ヨツボシテントウの写真
大きくなった幼虫と、中くらいの幼虫。

前蛹(ぜんよう)から蛹(サナギ)へ

幼虫が身体を丸めるような体勢で動かなくなり、上から見ると円形に見えます。
前蛹(ぜんよう)と呼ばれるサナギになる前の状態で、そのまま2日後にはサナギになっていました。

ヨツボシテントウの写真
少し丸まって葉っぱで動かなくなった。
ヨツボシテントウの写真
サナギになる準備を進めている。この状態が前蛹(ぜんよう)。
ヨツボシテントウの写真
サナギになることは蛹化(ようか)。
ヨツボシテントウの写真
動かなくなってから2日ほどでサナギになっていた。

羽化

サナギになっているのを確認してから4日ほど経つと羽化していました。成長がとても早いです。

ナナホシテントウなどはサナギの殻から出てきて後ろ羽を伸ばしますが、モンクチビルテントウは羽化をして殻が身体から離れてもしばらくの間は出てきません。
サナギの殻に隠れるように過ごしていますが、抜け殻が離れているので白っぽく見えています。
横からのぞき込むと、成虫の顔を確認することができました。

ヨツボシテントウの写真
サナギの殻が浮いて羽化していた。
ヨツボシテントウの写真
横からのぞくと顔が確認できた。

成虫

羽化してからもその場でじっとしていますが、しばらくすると出てきます。
少し横長の大きめの紋模様が特徴的です。

ヨツボシテントウの写真
モンクチビルテントウの成虫

分布や生息地

1998年に沖縄で記録されてから分布を広げている昆虫です。
今では、南西諸島の他に本州や九州でも見ることができます。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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