写真ギャラリー
ヒメウラナミジャノメってどんな蝶?
とても良く見かけるジャノメチョウの仲間です。
ジャノメチョウの仲間が飛んでいると思ったら、たいていヒメウラナミジャノメです。
似た種類にウラナミジャノメなどがいますが、数を減らして絶滅の危険があるとされていますので、見つけたジャノメはほとんどヒメウラナミジャノメだったりします。
低い位置を飛んでいることが多いので見かけやすいというのもありますね。
しかし、そんなよく見るチョウですが都会では数を減らしているようです。生息に適した地が減っているのでしょう。

チョウチョの仲間なんだけどなぁ・・・
ちょっと暗いところで見かけたり、薄茶色の地味な印象からかチョウではなく蛾(ガ)の仲間と思われることがあります。チョウとガの区別も実は曖昧なもので明確な区別はないのですが、それでも昼間に活動することや触角が細いことなどは他のチョウと同じような特徴があります。なにより、名前に「チョウ」とついていますし、可愛い目玉模様をしているチョウチョなのです。

タテハチョウ科
チョウの分類の中にタテハチョウ科があります。ヒメウラナミジャノメはタテハチョウの仲間になりますが「ジャノメチョウ」の仲間として紹介されることもあります。
特徴
茶色い羽で、裏面は白く細かな波状の模様で少し明るく見えます。
後翅(こうし)には通常で2+3の眼状紋(がんじょうもん)が目立っています。
(変化がありますが、眼状紋の数は多い)



波のような模様と目玉模様
名前にもついている「ジャノメ」は蛇の目のことです。このような目玉のような模様を眼状紋(がんじょうもん)とも呼びます。
羽を広げた時の表の羽には、前羽に一つと後ろ羽に2つが基本です(もう少し多いときもある)。
裏の羽にもたくさんのジャノメ模様があってきれいに並んでリズム感が良いですね。似た種類にウラナミジャノメがいますが、前羽の表側はジャノメの大きさが違ったりするので、違いを見るときの参考になります。


生態
幼虫(イモムシ)の食べ物や餌(エサ)
イネ科のススキやメヒシバ、カヤツリグサ科の植物などを食べます。成虫はたくさん見るのですが、幼虫はあまり見かけないんですよね。猫のような可愛い顔の幼虫だったりするので会いたいのですけどね。
ふわふわ飛ぶ
草っぱらや林の低いところをジグザグ飛んでいるのを見かけます。
少し薄暗い環境を好むので、林縁などでよく見かけることができます。ちょっと飛んでは落ちた枯れ葉の上や葉っぱの上などに止まったりします。

成長
卵
ミントブルーのきれいな色の卵です。


孵化(ふか)



幼虫(若齢幼虫)



幼虫(中齢、終齢幼虫)











前蛹(ぜんよう)
蛹(サナギ)になる前の状態を前蛹(ぜんよう)と言います。
ヒメウラナミジャノメは、ぶら下がった状態でサナギになる垂蛹(すいよう)型でタテハチョウの仲間の特徴です。

蛹(サナギ)
薄い茶色の印象のサナギになりました。
付け根のところには幼虫最後の脱皮殻が残っています。

成虫
このときは1週間ちょっとで羽化して成虫が誕生しました。
成虫になったチョウは野外で交尾をして産卵します。
そして、年に2~4回程度の発生を繰り返し、秋くらいまで長い期間見ることができます。

分布や生息環境
北海道から九州の屋久島あたりまで広く見ることのできるジャノメチョウです。
草丈の低い草地でよく見られ、樹林周辺から農地や公園、湿地などでも見られます。
もっとタテハチョウの仲間を見る!
タテハチョウ科まとめ 蝶の図鑑
