毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

テントウハラボソコマユバチ

テントウハラボソコマユバチの写真

写真ギャラリー

テントウハラボソコマユバチを横から(大阪)

テントウハラボソコマユバチの正面、顔(大阪)

テントウハラボソコマユバチを下から(大阪)

テントウハラボソコマユバチを上から(大阪)

テントウハラボソコマユバチの繭(大阪)

繭を守るナナホシテントウの成虫(大阪)

腹部の下辺りに針を刺しているように見える(大阪)

頭部のあたりに針を差し込もうとしている(大阪)

コマユバチ科まとめ 小繭蜂図鑑

テントウハラボソコマユバチってどんな虫?

テントウムシに寄生する寄生蜂の一種です。
このテントウハラボソコマユバチはテントウムシに卵を産み付け、その中で成長します。

ナナホシテントウを飼育していたら、その中の一匹がテントウハラボソコマユバチに寄生されていたようでした。
餌の食いつきが悪いなぁと思っていたら、ある日お腹の下に何かを抱えているのを発見したんですね。
それで、ケースの中に入れてどうなるのかを観察したものです。

テントウハラボソコマユバチの画像

※クリックで拡大した写真が見れます。

テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチの顔、正面。
テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチを横から。
テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチを下から。
テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチを上から。

テントウムシをゾンビ化させる

テントウハラボソコマユバチはテントウムシを見つけると執拗に追いかけます。
そして、頭部のあたりを狙って毒針を差し込みます。
この時に毒か何かを注入して操るようです。

おとなしくなったテントウムシには卵を産み付けます。
羽化した幼虫はテントウムシの中で大きく育っていくんですね。

テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチが毒針を差し込んでいるようです。
最初の方は頭部のあたりを狙って針を差し込もうとしています。
テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチを観察していたら、後の方では体の下あたりを狙って産卵管を挿入しようとしているみたいです。

寄生されたテントウムシは必ずしも命を落とすわけではありません。
寄生した幼虫は大きくなるとテントウムシの体の外で繭を作りますが、その繭に覆いかぶさるようにテントウムシは身を挺して守る行動を取ります。

これはテントウハラボソコマユバチが最初に打ち込んだ毒の影響でゾンビ化していると言われています。
繭の中の蛹が羽化するまで近くにやってきた外敵などを追い払って、食べ物も取らずにただただ繭を守っています。

テントウハラボソコマユバチの写真
テントウハラボソコマユバチの繭。
体の下に作られた繭を懸命に守って、蛹が羽化するまで外敵などから守ります。

テントウハラボソコマユバチは単為生殖を行うようです。
単為生殖とは交尾をせずに産卵から子孫を残すことで、テントウハラボソコマユバチはケースの中で単独で観察していたのですが、羽化した成虫はそのまま自分を守らせていたテントウムシにもう一を寄生するために産卵行動を取ったのです。
ケースの中に入れていたのでオスを交尾をすることはできなかったはずなんですね。

コマユバチの仲間をもっと見る!

コマユバチ科まとめ 小繭蜂図鑑

コマユバチ科バナー画像
関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)