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ガムシってどんな虫?
ガムシの仲間の仲間で一番有名な「ガムシ」です!
水生昆虫の仲間で、腹面に牙のような突起を持っているのが名前の由来になっています。
水生植物が豊富な池や沼、水田などの止水域に生息している身近な昆虫でした。
今では、全国的に減少傾向で少しずつ見られなくなってきています。
ガムシ科
コウチュウ目の仲間の中で「ガムシ科」に含まれる昆虫で、日本では70種類以上(亜種含)が確認されています。この仲間は水中で生活する「水生コウチュウ」の仲間になります。
この仲間には「コガムシ」や「ヒメガムシ」、「ゴマフガムシ」などが知られています。
ガムシの特徴
水生昆虫の仲間ではゲンゴロウなどが有名で、よく混同されています。
しかし、ガムシはエンマムシなどに近い仲間で泳ぎ方や形態的な特徴にも違いが見られます。
名前の由来にもなった「牙」
ガムシの名前の由来にもなった「牙」とはどの部分を指しているのでしょう?
牙は、腹部向かって胸部から伸びている突起を指しています。
どんな突起がついているのかと思って初めてみたときには、思った以上にしっかりしたトゲでびっくりしたものです。
このトゲの機能は、まだはっきりとわかっていないようです。
左右の脚をばたつかせて泳ぐので、水中で体のブレを少なくする働きがあるのではないか?とか。
腹部にも空気をためるのですが、その時になんらかの役に立っているのではないか?とか。
不思議な突起ですね!
触角と空気の取り込み
ガムシは水中でも活動できるように、空気を羽と腹部の隙間や、腹面にためて潜っています。
酸素が少なくなってくると、水面に上がって触角を空気中に突き出します。
その時に、腹部をポンプのように動かして空気を入れ替えるという、とても器用なことをやっています。
ちなみに、ゲンゴロウの仲間はお尻を水上に突き出して空気を取り込みます。
「ガムシ」「コガムシ」「ヒメガムシ」の大きさ比較
ガムシの仲間にも色々いますが、似ているものも多いです。
大きさの違う「ガムシ」「コガムシ」「ヒメガムシ」が揃ったことがあるので、比較してみました!
ガムシの生態や成長
ガムシは5~6月頃に、糸状の突起が突き出した直径3cmほどの水に浮く卵嚢(らんのう)を産みます。
その中には30~40個ほどの卵が入っており、2週間程度で幼虫が出てきます。
巻き貝などを捕食しながら、2回の脱皮を経て3齢の終齢幼虫になり、充分に成長すると陸に上がって土中で蛹(サナギ)になります。
夏季に羽化すると成虫の姿で冬を越します。
泳ぎ方
ガムシの泳ぎは特徴的で、しばしば泳ぎはうまくないと言われます。
ゲンゴロウなどの仲間は、後ろ脚が泳ぐために発達しており、左右同時に動かします。
推進力も高く、まっすぐ泳げることが特徴的です。
ガムシは後ろ脚だけでなく、中脚(ナカアシ)なども使って、左右交互に動かしながら水中を進みます。
イメージとしては水中を歩いている感じです。
素早くはないですが、観察していると水草の隙間なども器用にくぐり抜けていきます。
歩き方
水生コウチュウですが、ずっと水に潜っているわけではありません。
水草の上や陸に上がって休んだりもします。
陸をどんな風に歩くのかと思ったら、脚の先を使うのではなく、脚の途中のトゲをうまく使って歩くようです。
人で言うなら肘(ヒジ)で歩いているようなイメージですね。匍匐(ほふく)前進みたいです。
食べ物や餌(エサ)
幼虫の時はモノアラガイなどの巻き貝を捕食して成長する肉食です。
左右非対称の大アゴを使って、缶切りの要領で巻き貝の殻を切り開いてしまいます。
成虫は植食性と言われていますが、動物性のタンパク質で金魚のエサなども食べるために雑食ではないかと思います。
藻類や水草などもかじります。
ガムシの寿命
野外での寿命は1年ほどと考えられています。
ガムシの分布や生息環境
日本では、本州から南西諸島まで見ることのできる昆虫です。
国外では、朝鮮半島、中国、台湾、ロシア極東部、東南アジアなど広い範囲で見ることができます。
全国的に減少傾向で、特に南西諸島では絶滅寸前まできているようです。
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