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クロアゲハってどんな蝶?
アゲハチョウ科
チョウの分類の中でアゲハチョウ科に含まれる一種です。アゲハチョウの仲間で有名なものはキアゲハなどがいますが、カラスアゲハやジャコウアゲハなどの羽の黒い種類も多いです。このクロアゲハも黒っぽいアゲハチョウの仲間です。
黒いアゲハチョウ
黒色のアゲハチョウで、オスの表羽は全体的に青黒い羽の色をしています。メスは少し明るい色をしていて黒い線が目立ってきますね。
羽の裏面はオスメスともに赤い紋がありますが、メスではその赤い紋が特に発達します。表の羽にも赤い紋が出てくるのはメスだけです。
分布や生息環境など
本州の北側の一部では見ることはできませんが、本州から南では都市部でも普通に見ることのできる昆虫です。森林、農地、公園、人家の周辺でも見ることができ、やや日当たりの悪い場所を好んで飛んでいるのをよく見かけます。
ツツジ類やクサギなどの各種の花を訪れ吸ミツし、オスでは同じ場所を巡回するような行動も見られるようなので観察すると面白そうです。路上や河川などで他のチョウに混じって吸水しているのも見ることができます。
幼虫の特徴
大きな目玉模様(眼状紋)があり、背中の部分には茶色の網目模様が入っています。この模様は背中の部分でつながっています。似た種類の幼虫は背中の部分で切れているものが多いので、そこで見分けることなどもできます。
刺激を与えた時に出してくる肉角(にくかく)は臭角(しゅうかく)と呼ばれ、その色がナミアゲハなどでは黄色い色をしているのですが、クロアゲハの幼虫は赤い色をしているのも特徴の一つです。
驚いて臭角を出したクロアゲハのイモムシ(Instagram)
似ている種類のチョウ
似ている種類のチョウが何種類かいますのでかんたんに紹介しておきます。
ナガサキアゲハ
ナガサキアゲハとは尾状突起の有無で判別できます。尾状突起のないクロアゲハも存在するのですが、日本国内ではほとんど見られません。
オナガアゲハ
羽の形で識別できます。名前のとおりに羽が長簿沿い印象で尾状突起なども含めて長細い印象です。クロアゲハはそれと比べると、なんとなく丸っこい印象です。
海外にも生息しているクロアゲハ
日本で見られるクロアゲハは南西諸島で見られるものは亜種の扱いになっています。尾状突起が少し短いものが多く、赤い紋も発達しています。
台湾などで見られるクロアゲハにはなんと尾状突起がありません。日本にもたまに飛んでやってくるようですが、基本的には日本で見られるものは尾状突起があります。
亜種の区分
- 日本産、本州~九州:Papilio protenor demetrius
- 日本産、南西諸島:Papilio protenor liukiuensis
- 台湾産:Papilio protenor protenor
台湾のクロアゲハ
こちらは台湾で出会ったクロアゲハです。はじめは尾状突起が取れてしまったのかと思いましたが、そうではなく台湾亜種では尾状突起がついてないものが基本となるようです。