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アサヒナキマダラセセリってどんな蝶?
沖縄県天然記念物で絶滅危惧Ⅱ類の生きた化石
アサヒナキマダラセセリは石垣島と西表島にのみ生息し、山地の少し涼しいところに住んでいる珍しいチョウです。アジア大陸と琉球列島が陸続きだった氷河期に移り住んだ遺存種だと考えられています。生きた化石と呼ばれることもあるそうです。1978年には沖縄県天然記念物に指定され、卵、幼虫、成虫に関わらず採集は禁止されています。特殊な環境でしか生息できず、珍しいこともあって密漁なども後を絶たないそうで、成虫の見られる時期にはボランティアなどのパトロールの方が麓(ふもと)で採集をしないように呼びかけなどを行っています。環境省のレッドデータブックのリストでは絶滅危惧Ⅱ類です。
絶滅危惧Ⅱ類とは
絶滅危惧種の危険度を表したもので、絶滅危惧Ⅱ類は「絶滅の危険が増大している種」を指しています。Ⅱ類だから大丈夫ということはなく、ここに名前が出てくるというのはちょっとした環境の変化でもすぐに絶滅する危険があるのです。
標高の高い山頂に生息
石垣島の於茂登岳など、標高の高い山頂付近にのみ生息しています。成虫になると、麓の方に降りてくることもあります。与那国島などにも食草になるリュウキュウチクはあるのですが、高い山がないために生息することができません。
見られる時期がとても短い
成虫が発生するとされているのは5月の上旬から下旬の2~3週間だけです。このこともアサヒナキマダラセセリの希少性を高めています。一年の中で決まった時期にだけ成虫が見られるのは北方系のチョウの特徴でもあります。
夕方頃に活動
曇天や夕方に敏速に飛翔をします。暖かいのは苦手なのでしょうね。その時間帯には成虫が麓まで降りてきて吸ミツしているのを見たりします。
ネッタイアカセセリに似ている?
ぱっと見た感じではネッタイアカセセリと見間違うことがあるようです。アサヒナキマダラセセリのほうが、表の羽の模様が不明瞭なのと、裏の羽には淡色の斑紋が並ぶことから、ネッタイアカセセリと区別できます。