オオニジュウヤホシテントウを飼育して観察した記録を成長とともに更新しています!
生き物の飼育は自由研究などにも最適で、命の神秘を感じることができるのが素敵です。
長く被写体として昆虫の観察を続けていますが、それでも新しい発見が多くとても興味深いものです。
著者紹介
はじめまして。昆虫写真家の村松です。
ムシミルは昆虫の写真を通して自然に関心を持つ人がたくさん増えるようにと運営しています。写真を使って昆虫の紹介をしたり、昆虫の「面白い!」に関心を持つ人が増えてほしいと思っているので、飼育などの記事も書いています。
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はじめに
テントウムシはアブラムシなどを食べてくれるので、益虫として知られているものがメジャーです。
しかし、実はナス科の植物を中心に食べることで生活しているテントウムシの仲間がいます。
マダラテントウと呼ばれる仲間がそれで、ニジュウヤホシテントウなどが畑のナスについていたります。
益虫かと思ったら、葉っぱを食害するということで「テントウムシダマシ」と呼ばれたりもするのですが、「テントウムシダマシ科」と呼ばれる分類もあるのでややこしいことこの上なしです(笑)
畑にいるイメージが強かったので公園で見つけるとは思っていなかったのですが、イヌホオズキの仲間と思われる植物が公園に生えていて、それが実はナス科の植物だったようです。
そこで、オオニジュウヤホシテントウを見つけました。
公園の雑草を食べる分には、害虫として嫌われることもないので殺されたりはしないのですが、こっちはこっちで草刈りがあるのが心配です。
最初にオオニジュウヤホシテントウを見つけてから、同じ場所に何度も通っていたら、そのうちに卵を見つけるようになったので飼育して観察してみたいと思ったのがきっかけです!
オオニジュウヤホシテントウの一生
オオニジュウヤホシテントウの生態について簡単に紹介しておきます。
オオニジュウヤホシテントウはコウチュウ目(甲虫目)の「テントウムシ科」というグループの中の一種です。
草食で似ている種類もいくつかいるので「マダラテントウ」の仲間としても知られています。
完全変態
オオニジュウヤホシテントウを始め甲虫の仲間は「完全変態」と呼ばれる成長の仕方をします。
「卵」「幼虫」「蛹(サナギ)」「成虫」と成長していく変化のことです。
蛹の期間が入ることで、その姿は幼虫の状態から、硬い羽を持った成虫へと大きく姿を変えることが特徴的です。
参考:ナナホシテントウの成長
トゲトゲの幼虫
幼虫はトゲトゲの姿をしています。
知らないとテントウムシの幼虫とは気づかないと思います。
ナス科の植物について、その葉っぱを食べることで成長していきます。
成虫は害虫とも呼ばれる草食のテントウムシ
テントウムシの仲間の食性は種類によって様々です。
アブラムシなどを食べる肉食のテントウムシには「ナナホシテントウ」や「アカホシテントウ」などが知られています。
「キイロテントウ」などはうどんこ病菌を食べる菌食です。
そして、オオニジュウヤホシテントウを含むマダラテントウの仲間は草食性のテントウムシです。
ナス科やウリ科などの植物を食べ、人間とも食べるものがかぶってしまうので、そういったものは害虫として嫌われてしまうのです。
オオニジュウヤホシテントウの育て方
飼育ケース
少し大きめのプラケースに食草ごと卵を入れて管理しています。
成長してきて手狭になったら大きなケースも考えますが、このまま飼育できると思っています。
食べ物や餌(エサ)の探し方
見つけた場所で同じ植物を撮ってくるのが一番良いでしょう。
畑で見つけた場合で飼育したいのなら、人の畑から勝手に取るのはよくないので注意してください。
畑の持ち主にお願いしてみるのもよいでしょうし、園芸店などでナスやウリなどのの苗を何本か飼ってくるのも一つの手です。
苗を飼ってきた場合は、小さなプラケースには入らないので、苗の入る飼育ケースにまるごと入れて管理すると良いと思います。
ただ、飼育してわかったことがあります。
たくさん食べるので、小さな苗はすぐに食べ尽くされてしまうでしょう。
その場合は飼育する数を少なめにして飼ってみたほうが良いです。
ここでは、卵から育てたのでかなりの数の幼虫が孵って、葉っぱがみるみるうちに無くなっていきました。
飼育と観察記録
ではここから飼育と観察の記録です!
5/12 オオニジュウヤホシテントウと卵を発見!
見分け方
オオニジュウヤホシテントウを見つけましたが、実は似た種類が何種類かいるので確認が必要です。
オオニジュウヤホシテントウの特徴は、
- 模様の並びを確認する
- 小楯板は黒色かを確認する(小楯板は羽の付け根の三角の部分です。)
- 後ろ脚に黒い紋が入っているかを確認する
模様は変異が多いようで、決め手にかけたので小楯板の色と後ろ脚の紋で確認しました。
卵を発見!よく見ると幼虫も
5/13 オオニジュウヤホシテントウの卵
5/16 オオニジュウヤホシテントウの孵化(ふか)
一齢幼虫
5/17 オオニジュウヤホシテントウの食べ方(食べ痕・食痕)
5/20 葉っぱの裏が好きな幼虫
二齢幼虫
5/21 オオニジュウヤホシテントウの脱皮殻
5/22 脱皮して成長しました!
三齢幼虫
16日に孵化(ふか)が始まってから一週間も経たないうちに三齢幼虫に脱皮をしました。
二齢幼虫でもトゲがたくさんあると思っていましたが、三齢幼虫になるとかなりパンクな印象に変わりましたね。
5/23 特徴的な食痕と体の模様
三齢幼虫
観察をしていると、特徴的な食べ後の上に乗っかっている幼虫は見つけにくいのではないかと感じるようになりました。
ほら、見てください。
食べ後の上に乗っかっていると、ちょっと馴染んでいるように見えませんか?
5/24 イヌホオズキの花
5/25 トゲトゲがふにゃふにゃ
四齢幼虫
5/26 オオニジュウヤホシテントウの食欲
四齢幼虫
5/27 オオニジュウヤホシテントウの幼虫のお腹
上からばかり見ていたので、たまには下から見てみましょう!
5/29 エサを食べなくなってきました
まだ食べるところがたくさんあるのに、葉っぱから離れている幼虫がたくさんいます。
5/30 蛹化(ようか)が始まった!
いつ蛹になるのかと楽しみにしていましたが、割とすぐに始まりました!
トゲトゲの皮を脱ぎ捨てて、中からサナギが出てきます。
出てきたばかりのサナギは白いですが、時間とともに模様がはっきりと出てきます。
サナギになりたてのときには白い色をしていましたが、時間とともに模様がはっきりと出てきて、その姿は他のてんとう虫とも似ています。
特徴的なのは、トゲトゲはなくなったけど全体に長めの毛が生えていること。
それと、脱いだトゲトゲのついた皮はそのままお尻にくっつけているみたいですね。
5/31 ほとんどサナギになりました!
※次回更新もお楽しみに
まとめと感想(飼育が終わったら追記します)
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昆虫の飼育まとめ!生き物と触れ合う楽しさ
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