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タマムシってどんな虫?
日本にも数いる昆虫の中でもその美しさで話題に登ることが多いです。
胸元にとまればそれだけでブローチのようにもなるその姿は、生きた宝石とも呼ばれます。
珍しい昆虫という印象があるかもしれませんが、広い範囲で見られる昆虫で、自然がそれなりに整っていれば都市公園などでも見ることができます。
それでも、地域によっては数を減らしてしまっているところもあるので環境の変化には気をつけたいですね。
縁起の良い虫
タマムシはその美しさから縁起の良い昆虫として昔から好かれてきました。タマムシは幸せを運んでくるとか、箪笥(たんす)に入れておくと着物が増える(幸せの象徴)などの話が昔から言われてきた縁起の良い昆虫なのです!縁起が良い意味合いから「吉丁虫」との別名もあります。
参考:縁起の良い虫
タマムシの名前の由来
漢字で「玉虫」
タマムシは「玉虫」と書きます。「玉」とは宝石のことを表していて、タマムシの光沢のある美しさから名付けられました。
英語では「ジュエルビートル」
タマムシの仲間は英語で「Jewel beetle(ジュエルビートル)」と呼びます。
Jewelとは宝石のことなので、海外でもタマムシには宝石の美しさを感じていたのですね。
タマムシの特徴
タマムシはその美しい色が一番の特徴ですが、羽の構造なども面白いです。
タマムシの美しい色彩はなんのため?
タマムシの艶のある美しい色彩は、そのもの自体が持っている色ではありません。その特別な構造によって光の中に含まれる色の波長の反射を変化させることで見える色なのです。それを「構造色」と呼びます。
こんなにキラキラと目立っては天敵に見つかりやすくなるのではないかとも思われますが、そこには様々な効果があるとされています。 例えば天敵となる鳥などはキラキラしているものを嫌がる傾向があることから、襲われにくくなるなども言われています。
他には、タマムシはよく晴れた天気の良い日に活動します。そんな日は木漏れ日などもキラキラして眩しいですよね。そんな中でキラキラしているタマムシは見つかりにくいとも考えられます。しかも、光の反射によってその美しい色彩がでるので、日陰にいる時は強く色を出すこともないのでそんなに目立たないとも考えられます。
一見目立つ色彩なのですが、実は目立ちにくく襲われにくい工夫がされていると考えられるのです。
上の羽と下の羽の大きさは変わらない
飛ぶ時には羽を広げて飛び立ちます。
多くの甲虫は飛びやすくするために大きな下羽を鎧のような上羽の中に折りたたんで収納しています。
しかし、タマムシは上の羽と下の羽のサイズがそんなに変わりません。これにはメリットがあって、他の甲虫では下羽を広げる作業が必要ですが、タマムシは羽を広げてすぐに飛び立つことができます。
白バック写真
生態や成長(産卵・幼虫・成虫・食べ物)
タマムシは完全変態をする昆虫で、卵から幼虫の期間を経て、蛹(サナギ)になって、成虫へと大きく姿を変えます。
産卵
タマムシは広葉樹の朽ち木などに産卵をします。
立ち枯れた木の隙間などにお尻を突き刺して卵を産みます。
幼虫
タマムシの幼虫は朽ち木の中で数年かけて成長していきます。
その見た目は成虫のタマムシとは似ても似つかない姿をしていてびっくりするのですが、頭部の方は固くなっていて朽ち木の中を進むのに役立っているのだと思います。
成虫
成虫になると美しい羽を持った姿になります。
構造色なので、死んでも色合いが無くなる事はありません。
食べ物や餌(エサ)は?
幼虫は広葉樹の朽ち木の中を食べて成長します。
成虫はエノキやケヤキの葉っぱを食べます。
人との関わり「工芸品」
玉虫厨子(たまむしのずし)
タマムシ(ヤマトタマムシ)はその羽の美しさから装飾品などにも利用されます。代表的なものとして、法隆寺に所蔵されている工芸品に玉虫厨子(たまむしのずし)があります。現在では使われていた殆どの羽は取れてしまっていますが、かつては美しい工芸品だったことでしょう。これは国宝に指定されています。
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