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ホタルの仲間「ゲンジボタル」ってどんな虫?
ホタルと言えば光る昆虫として有名です。
梅雨に入る少し前の6月上旬に全国各地できれいな川の周りなどを飛んでいる姿が見られます。
ホタル祭りなどのイベントも各地で開催され、たくさんの観光客がホタルの光を見に訪れます。
名前の由来
源氏と平家の合戦で有名な源平合戦からきているという逸話があります。
合戦で敗れた源頼政が亡霊となり、蛍(ほたる)となって戦ったというものです。
他にも源氏物語からつけられているという話もあります。
ゲンジボタルとヘイケボタルの違い
似ているホタルにヘイケボタルがいます。
一番簡単な見分け方は赤い胸に入る黒色の模様です。
ゲンジボタルはkの黒い模様が十字になっています。
ヘイケボタルは十字にならずに一本の筋になっています。
ゲンジボタルの一生
・産卵
ゲンジボタルは成虫になるとすぐにパートナーを見つけるとすぐに産卵を初めます。
卵は水辺の湿った苔(コケ)などに500~1000個近く産み付けられます。
・孵化(ふか)と幼虫の時期
卵は一ヶ月もすると孵化(ふか)します。
孵化した幼虫はすぐに水の中に入って、水の中に住む巻き貝のカワニナを食べてすくすくと育ちます。
冬の時期も水の中で幼虫のまま過ごして暖かくなるのを待ちます。
・蛹(サナギ)
次の年の5月頃に地上に上がって土の中で蛹(サナギ)になります。
サナギの期間は約40日です。
・羽化と成虫の期間
オスから先に羽化していき、一週間ほど遅れてメスが羽化してきます。
お尻を光らせパートナーを探しますが、寿命は約2周間です。
その間は幼虫の時に蓄えた栄養分だけで生活し、夜露などは飲みますが成虫になると何も食べることはありません。
オスとメスの違い
メスはオスよりも一回り大きいです。
そして発光器がオスではお尻の先の節が2つ分光るのですが、メスは節1つ分しか光りません。
お尻の先が全部光って見えるのはオスになります。
光る昆虫
ホタルはお尻が光ります。お尻のところに発光器があり「ルシフェリン」という物質と「ルシフェラーゼ」という酵素に体内の酸素が反応した時に光を放ちます。
光る構造を体内に持っている珍しい昆虫です。
ホタルが光る理由は?
ホタルが光るのは3タイプの条件があると言われています。
・プロポーズするため(オスとメスのコミュニケーション)
・刺激を受けた時の反応
・敵を驚かすための威嚇
この3つですが、主にオスとメスが出会うために光っているというのが一般的ですね!
ホタルの光は熱くないの?
生き物が体内で作り出す酵素が元になった光で、化学反応を効率よく進めることができ熱くならないそうです。
小さい頃は家の前にもホタルがたくさんいましたが、触っても熱くありませんでしたね!
実はサナギも光る
ホタルの成虫が夜中に飛んで光っているのは有名ですが、他の状態のときでも光っています。
卵、幼虫、サナギ、成虫と光ります。
実際にはサナギのときなどはピカピカしているわけではないですが、ぼんやりと光っているような印象になっているのですね。
幼虫やサナギの時期も光るのは身を守るため?
幼虫の時期は敵に襲われると臭いにおいを出して身を守っているそうです。
ですから、幼虫の時から光ることで「光ってるやつ=まずい」というイメージを天敵に持たせることで身を守っていると言われています。
似たような身の守り方にテントウムシの仲間でナナホシテントウなどがわかりやすいです。
ますい汁を出して身を守るのですが、派手な赤黒模様をしています。
あれはテントウムシを食べた天敵が「赤黒の派手なやつまずい!」という認識を持たせるためだと言われています。
参考:ナナホシテントウ
ゲンジボタルはフンをしない
成虫になると夜露などの水分しかとりませんので、実はフンをしないのです。
全国各地でホタルを題材にした祭りが開かれる
ホタルが見られる地域では、全国各地でホタルを見るための祭りが開かれます。
滋賀県米原市長岡では「天の川ほたるまつり」が開催されています。天の川は七夕伝説も残る有名な川で、この長岡周辺で見られるホタルは「長岡のゲンジボタル及びその発生地」として1952年に国の特別天然記念物に指定されています。この指定を受けているのは日本の中でもここだけです。
都会でも見ることができます。
大阪の万博記念公園では中に入っている日本庭園で「蛍の夕べ」として、毎年300匹近くのホタルを鑑賞することができます。
広く美しい庭園の中をゆるやかに飛ぶホタルはとても情緒的です。
大阪の新梅田シティ(梅田スカイビルのあるところ)にある「中自然の森」でも2000匹のホタルをゲンジボタルを中心に数回に分けて放っているそうです。