毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

スズキクサカゲロウ

スズキクサカゲロウの写真

写真ギャラリー

葉っぱの中で休んでいるスズキクサカゲロウ。少し濡れた羽がキラキラしてキレイだ。

幼虫の顔

アブラムシを捕らえた

ハバチの幼虫を襲っている

スズキクサカゲロウの繭

繭の中にあるはずのサナギ

羽化が近づいたサナギ

桜の葉に泊まるスズキクサカゲロウ

背中には黄色い筋模様

羽化したスズキクサカゲロウ

越冬中の成虫

アミメカゲロウ目(脈翅目)まとめ カゲロウ図鑑

スズキクサカゲロウってどんな虫?

クサカゲロウと呼ばれる仲間で割と身近に見られる昆虫です。
グリーンの体に透明な羽が可愛らしい昆虫なのですが、あまり有名な昆虫ではありません。

クサカゲロウの名前や由来

クサカゲロウは「草蜉蝣」や「臭蜉蝣」

クサカゲロウというのは漢字で「草蜉蝣」や「臭蜉蝣」と書きます。緑の体で草に止まっている様子などから「草」とついたりします。
クサカゲロウの仲間の中には一部「臭い匂い」を出すものも知られており、そこから「臭」の文字があてられることもあります。
しかし、本種を観察していて臭いと思ったことはないですね。

英語では「green lacewing」

クサカゲロウの仲間は英語で「green lacewing(グリーンレースウィング)」と呼ばれます。
美しい緑色の体と透けた羽からきています!

クサカゲロウの仲間の羽を拡大してみると、翅脈(しみゃく)にそって細かな毛が生えているのがわかります。

スズキクサカゲロウの写真
スズキクサカゲロウの羽と翅脈(しみゃく)
細かな毛が生えているのがわかります。

特徴

スズキクサカゲロウの写真
クサカゲロウの仲間を見かけるときは顔の模様を見比べるのがわかりやすいです。
スズキクサカゲロウの写真
微妙に複眼に接しない黒い模様の形が特徴的です。
スズキクサカゲロウの写真
上から。
スズキクサカゲロウの写真
横から。

生態

食べ物や餌(エサ)は?

幼虫は肉食でアブラムシや他の小昆虫を捕まえて食べます。
成虫はアブラムシの甘露などを食べるとされていますが、見たことがありません。

スズキクサカゲロウの写真
スズキクサカゲロウの幼虫がハバチの幼虫を捕らえました。
アブラムシ専門で食べるわけではないようです。

冬の越し方(越冬)

冬でも成虫を見かける昆虫です。
2月初めの暖かい日でしたが、公園の木にくっついているのを見つけました。

個人的な印象では、寒さに弱そうなのに凄いなと思います。

スズキクサカゲロウの写真
冬越しのスズキクサカゲロウ。

成長

卵(タマゴ)は「うどんげ(優曇華)」と呼ばれるよ

クサカゲロウの仲間の卵は「うどんげ(優曇華)」と呼ばれる不思議な卵を生みます。
糸のような「卵柄」がのびてその先に白く丸っこい卵が一個ついています。
その形が法華経に出てくる伝説上の花に由来しています。

写真はクモンクサカゲロウの卵の写真を参考に載せています。

クモンクサカゲロウの卵の写真
参考:クモンクサカゲロウの卵

幼虫はアリマキジゴクの呼称

茶色の体に黄色から白っぽい模様の入った幼虫です。
頭部には鋭いアゴがついていて、他の小昆虫を捕らえます。
クサカゲロウの仲間には、ゴミを背中に乗せるタイプもいるのですが、スズキクサカゲロウは特にそのような行動は取らずに、葉っぱの上などをそのままの姿で歩いています。

クサカゲロウの仲間の幼虫にはそれぞれ模様なども違うので、幼虫の方が見分けやすかったりもします。
そして、クサカゲロウの幼虫は「アリマキジゴク」とも呼ばれます。
ウスバカゲロウの幼虫の「アリジゴク」からきていて、アリマキとはアブラムシのことを指しています。

スズキクサカゲロウの写真
茶色が地色で黄色い模様が入っています。
アブラムシを捕らえています。
スズキクサカゲロウの写真
頭部には鋭いアゴがついています。

繭を作る昆虫

スズキクサカゲロウは繭を作ります。
その中でサナギになります。

スズキクサカゲロウの写真
スズキクサカゲロウの繭

ちょっとした事情で繭を作れなかった個体がいたのですが、そのおかげでサナギの様子を観察することができました。

スズキクサカゲロウの写真
繭の中にあるはずだったサナギ。
スズキクサカゲロウの写真
羽化直前のサナギ。
羽が黒くなることがわかりました。

スズキクサカゲロウの成虫

スズキクサカゲロウの写真
スズキクサカゲロウの成虫

人や農業との関わり

幼虫はアブラムシのなどを食べる食性を持っています。
「農業害虫」と呼ばれる、作物に被害を与える小昆虫を食べてくれるので人間にとって益虫になるので農家さんには好かれそうですね!

クサカゲロウの飼育

クサカゲロウはアブラムシなどで飼育できます。テントウムシと同じような感じで飼育することもできます。
成長も速いですし、アブラムシを捕食する様子など観察の見がいもある昆虫です。

クサカゲロウの飼育記事

スズキクサカゲロウ飼育のバナー
スズキクサカゲロウ飼育

葉っぱで見つけたクサカゲロウの幼虫がどのように成長していくのかを観察した記録です。
スズキクサカゲロウ、クロズヤマトクサカゲロウ、カオマダラクサカゲロウの幼虫を紹介しています。

クサカゲロウの仲間をもっと見る!

アミメカゲロウ目(脈翅目)まとめ カゲロウ図鑑

アミメカゲロウ目バナー
関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)