写真ギャラリー
モリオカメコオロギってどんな虫?
よく見られるコオロギの一種で、林の中や林縁で跳ねているのを見かけます。
オカメコオロギの仲間になり、よく見られる種類ではあるのですが、オスの顔が平べったくて面白いことなどはあまり知られていないように思います。
上から見たら、顔の平べったさわからないですしね。
コオロギ科
昆虫の分類にバッタ目があり、コオロギ科はその中に含まれます。
この仲間にはエンマコオロギの仲間やイエコオロギなどがいます。
モリオカメコオロギの特徴
体長は1cmちょっとくらいのサイズ感で、似た種類も複数います。
オスの顔は平べったくなっていて不思議な印象ですが、メスは丸っこい顔をしています。
似た種類も何種類かいるので、間違えやすい昆虫です。
オスとメスの違い
一番わかり易いのは産卵管です。メスには長い産卵管があります。
メスは羽の模様が細かいですが、オスは鳴くために羽の模様が複雑になっているので印象が全く違います。
顔を見れば一目瞭然で、オスの顔は平べったくなっているので、知らなければ別種のようです。
オス♂
メス♀
オス♂(後翅あり)
羽化したてのモリオカメコオロギには後翅(こうし/後ろの羽)があります。
この時期は飛ぶこともできるのですが、そのうち取ってしまいます。
オス♂(後翅なし)
メス♀
メスの顔は丸っこく、羽の模様はすっきりとした細かい模様です。
産卵管があります。
メス♀(腹部がふくらむ)
卵を生むのに、羽化してから成長すると腹部が大きく膨らんでいきます。
上から見たシルエットなども変わってきますね。
「オカメコオロギ」とつく似た種類
オカメコオロギにも何種類かいるのですが、みんな似ています。
特徴と生息地を簡単にまとめています。
名前 | 特徴 |
---|---|
モリオカメコオロギ Loxoblemmus sylvestris | 羽の先端が少し長い、腹部が赤っぽい。 本州~九州。 |
ハラオカメコオロギ Loxoblemmus campestris | 羽の先端が少し短く丸っこい、腹部が白っぽく明るい。 北海道~九州。 |
タンボオカメコオロギ Loxoblemmus aomoriensis | 体色は黒っぽく、腹部は赤黒い。 北海道から九州。 北日本では普通に見られますが、西日本ではまれな種類。 |
ネッタイオカメコオロギ Loxoblemmus equestris | モリオカメに似ており、形態や鳴き声での識別は難しい。 南西諸島(トカラ列島以南)。 |
オオオカメコオロギ Loxoblemmus magnatus | やや大きく、オスの触角第一節に突起がない。 本州、四国、九州。極めて局所的に分布。 |
ツシマオカメコオロギ Loxoblemmus tsushimensis | ミツカドコオロギに似るが、顔面の張りは小さい。 対馬、九州。 |
ハラオカメコオロギとの見分け方(違い)
モリオカメコオロギはハラオカメコオロギととても良く似ています。
見分けるポイントをいくつか紹介します。
生息環境から
モリオカメコオロギ
森内や林縁などのちょっと薄暗い場所に多い。
ハラオカメコオロギ
平地から山間まで様々な草地で見られる。市街地や人家周辺にも多い。
オスの羽の先端
モリオカメコオロギ
ちょっと長めで三角形ぽい形になる。
ハラオカメコオロギ
ちょっと短めで丸みを帯びる。
腹部の腹板の色
モリオカメコオロギ
色が濃く赤茶色。
ハラオカメコオロギ
白っぽく明るい。
生態や音色
鳴く虫
モリオカメコオロギは秋の鳴く虫です。
鳴くのはオスだけで「リー・リ・リ・リ・リ」と5~6音区切って鳴きます。
「リリリ」と5~6音区切って鳴くハラオカメコオロギは見た目だけでなく、鳴き声も似ています。
気温によっても鳴き方が変わったりするようで、私にはその違いまでを聞き分けるのは難しいです。
最初の第一声がちょっと長めな傾向にあるのががモリオカメコオロギです。
成長(交尾の様子)
成虫と交尾
成虫になると、オスは音色でメスを誘って交尾をします。
メスがすっと近づいてオスの上に乗っかりました。
気がついたらお尻に精包の玉がついていてので、無事に交尾ができたようです。
分布や生息環境
本州から九州までみることのできる昆虫です。対馬や屋久島にも分布します。
森の中や林縁で普通に見られる種類です。