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ツユムシってどんな虫?
夏から秋にかけてみられる昆虫です。公園などでも見られるので、バッタを探している時に一緒に見つけたりもします。
草丈の高いところからハタハタと飛んで逃げる様子も観察できます。捕まえる時は、体が柔らかいので優しくつまんであげましょう。
名前の由来から儚さも感じる昆虫ですが、個人的には優雅なイメージを持っています。
名前の由来
ツユムシは「露虫」と書くのですが、これは露などを飲んで生きているということから儚さを感じて名付けられたようです。全体的に細身で柔らかい体つきをしているのも、その印象を強めていますね。しかし実際には露だけ飲んで生活しているのではなく葉っぱなど食べています。
ツユムシ科
昆虫の分類でバッタ目があります。その中にツユムシ科は含まれており、ツユムシはその仲間の一種になります。ツユムシはキリギリスに近い仲間でキリギリス科とされることもありますが、ここではツユムシ科としてわけておきます。
特徴や近似種との見分け方
メの上がちょっとピンクで可愛いですね。
後脚の腿節(たいせつ)にトゲがなく、触角の色は淡色です。
オスとメス
オスは背中に模様がありますが、メスはすっきりとしたデザインです。
ツユムシに似た「アシグロツユムシ」や「セスジツユムシ」との違い
ツユムシにも似た種類が何種類かいてちょっとずつ違いがあります。
南西諸島に生息するリュウキュウツユムシ。これは分布からもわかりそうです。
他に似た「アシグロツユムシ」や「セスジツユムシ」にはいくつか違いがあるので紹介します。
アシグロツユムシは脚(アシ)や上から見たときの胸部分などが黒っぽい。
セスジツユムシは上から見た時に筋が入ったように見えるなどの特徴がそれぞれあるのですが、他にも見分けるポイントがあります。
触角の色と太もも部分(後脚腿節)にトゲがあるか無いかで見分けることもできます。
- ツユムシ:触角は淡色。後ろ足の太もも部分にトゲがない。
- セスジツユムシ:触角は淡色。太もも部分にトゲがある。
- アシグロツユムシ:触角は黒色。太もも部分にトゲがない。
南西諸島に分布するのはリュウキュウツユムシ
南西諸島にはツユムシの代替種となる「リュウキュウツユムシ」が生息しています。
分布からもわかりますが、交尾器の形などに違いがあります。
ツユムシの仲間の交尾器はまるでカマのように上方に沿っている形をしているのですが、リュウキュウツユムシは交尾器の形に違いがあって、ツユムシよりも緩やかなカーブをしています。
ツユムシ♀の交尾器
ツユムシの色の違い。緑色とたまに褐色!
ツユムシは基本的に緑色をしています。
褐色だったらセスジツユムシかなぁ、などと思ったりもするのですが、稀に褐色のものが見つかるようなので注意が必要です。
生態(食べ物)
食べ物、餌(エサ)は?
基本的にはイネ科などの植物を食べます。あまり強いアゴを持っていないので、葉っぱの柔らかい部分などを中心に食べるようです。
他にもキク科やマメ科の植物なども食べるようです。
花粉を食べるツユムシ
生息地や分布
北海道から九州まで見ることのできる身近な昆虫です。平地から低山地で見ることができ、近所の公園などでも見ることができます。草丈の高いところや、木の上などに登っているのもよく見かけます。
海外では朝鮮半島、中国西部、ロシア南部、オーストラリア、イラン、ヨーロッパの地中海沿岸などでも見られるようです。台湾での記録もあります。