ムシミルをもっと楽しむ! 昆虫知る見る「月刊ムシミル」 ってどんなもの?

ツユムシ

  • ブックマーク
ツユムシの写真

写真ギャラリー

花に止まっていたツユムシ(奈良県)

複眼の上半分はピンク色でまるで化粧のよう(大阪)

後ろ足も触角もとても長いですね(大阪)

花粉を食べるツユムシ(大阪)

ツユムシのメス♀。太もも部分にトゲがないのはツユムシの特徴(大阪)

ツユムシのメス♀。メスの交尾器はカマのように反っています(大阪)

ツユムシのメス♀。(大阪)

ツユムシのオス♂。背中に黒い模様が入っています(大阪)

ツユムシのオス♂。後ろ足がとても長くお手入れも上手です(大阪)

ツユムシのオス♂。ピンクの目が可愛いです(大阪)

葉っぱの上で佇んでいました(大阪)

ツユムシってどんな虫?

夏から秋にかけてみられる昆虫です。公園などでも見られるので、バッタを探している時に一緒に見つけたりもします。草丈の高いところからハタハタと飛んで逃げる様子も観察できます。捕まえる時には、体は柔らかいので優しくつまんであげましょう。

ツユムシの写真
ツユムシは細身で脚(アシ)や触角も細く長いです。軽量化されたボディは飛ぶのに向いていたりしますね。

名前の由来

ツユムシは「露虫」と書くのですが、これは露などを飲んで生きているということから儚さを感じて名付けられたようです。全体的に細身で柔らかい体つきをしているのも、その印象を強めていますね。しかし実際には露だけ飲んで生活しているのではなく葉っぱなど食べています。

ツユムシ科

昆虫の分類でバッタ目があります。その中にツユムシ科は含まれており、ツユムシはその仲間の一種になります。ツユムシはキリギリスに近い仲間でキリギリス科とされることもありますが、ここではツユムシ科としてわけておきます。

食べ物、餌(エサ)は?

基本的にはイネ科などの植物を食べます。あまり強いアゴを持っていないので、葉っぱの柔らかい部分などを中心に食べるようです。他にもキク科やマメ科の植物なども食べるようです。

花粉を食べるツユムシ

ツユムシの写真
花にやってきて花粉を食べています。柔らかくて美味しいのでしょうね。

生息地と分布

北海道から九州まで見ることのできる身近な昆虫です。平地から低山地で見ることができ、近所の公園などでも見ることができます。草丈の高いところや、木の上などに登っているのもよく見かけます。

海外では朝鮮半島、中国西部、ロシア南部、オーストラリア、イラン、ヨーロッパの地中海沿岸などでも見られるようです。台湾での記録もあります。

南西諸島に分布するのはリュウキュウツユムシ

南西諸島にはツユムシの代替種となる「リュウキュウツユムシ」が生息しています。見た目はかなり近いですが交尾器の形などに違いがあるようです。

ツユムシの仲間の交尾器はまるでカマのように上方に沿っている形をしているのですが、リュウキュウツユムシは交尾器の形に違いがあって、ツユムシよりも緩やかなカーブをしています。

ツユムシ♀の交尾器

ツユムシのメスの交尾器の写真
ツユムシのメスの交尾器。上に沿ったような形をしています。リュウキュウツユムシはこの部分がもう少し緩やかになっています。

ツユムシに似た「アシグロツユムシ」や「セスジツユムシ」との違い

ツユムシにも似た種類が何種類かいてちょっとずつ違いがあります。南西諸島に生息するリュウキュウツユムシについては触れましたが、他にも「アシグロツユムシ」や「セスジツユムシ」が知られています。

アシグロツユムシは脚(アシ)や上から見たときの胸部分などが黒っぽい。セスジツユムシは上から見た時に筋が入ったように見えるなどの特徴がそれぞれあるのですが、他にも見分けるポイントがあります。

触角の色と太もも部分(後脚腿節)にトゲのあるなしで見分けることもできますのでまとめてみました。

  • ツユムシ:触角は淡色。後ろ足の太もも部分にトゲがない。
  • セスジツユムシ:触角は淡色。太もも部分にトゲがある。
  • アシグロツユムシ:触角は黒色。太もも部分にトゲがない。
ツユムシの写真
ツユムシ♂の後ろ足の太い部分。ツユムシはここにトゲがないのですが、セスジツユムシにはトゲがあります。

ツユムシの色の違い。緑色とたまに褐色!

ツユムシは基本的に緑色をしています。褐色だったらセスジツユムシかなぁ、などと思ったりもするのですが、稀に褐色のものが見つかるようなので注意が必要です。

ツユムシ科まとめ 露虫図鑑

関連記事(一部広告含む)
  • ブックマーク

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)