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ヒトスジシマカ

ヒトスジシマカの写真

写真ギャラリー

血を吸ってお腹はパンパン(奈良)

一本の白い筋が特徴的(奈良)

ぶっすりと刺します(奈良)

気づかれてるとも知らないで・・・(奈良)

背中だけでなく脚(アシ)などの白い模様も特徴的です(奈良)

カ科まとめ 蚊図鑑

ヒトスジシマカってどんな虫?

一般に「ヤブカ」と呼ばれている蚊の代表的な種類です。
公園や雑木林などを歩いているとたくさん寄ってきて血を吸います。
血を吸われた後は、そこは赤く腫れて痒くなるのでとても嫌われています・・・。

カブトムシなどを探しに行ったときにもたくさん寄ってくるので困ったものです。
これに悩む人はとても多いので、刺されないようにするためのグッズや、痒みを止めるための医薬品などもたくさん販売されています。
昔からある「蚊取り線香」などは、虫よけグッズでありながら、日本の風物詩とも言える風情があったりします。

ヒトスジシマカの写真
こんなにお腹をパンパンにするまで血を吸います。
おまけに痒くなるのですから、対策が必要です。

カ科

蚊(カ)の仲間はハエ目に分類されています。
ハエ目にはハエ仲間やアブの仲間やカの仲間が含まれていて、カ科はその中のひとつです。

カ科で有名なのは、この「ヒトスジシマカ」や「アカイエカ」などです。

ヒトスジシマカの特徴

背中に一本筋の通った白い線が特徴的で脚(アシ)の関節部分などにも白い模様が入っています。

ヒトスジシマカの写真
背中(胸部)に一本の白い筋が入っています。
脚なども白黒の斑になっているのが特徴的です。

メス(吸血したもの)

ヒトスジシマカの写真
長い口で吸血します。
ヒトスジシマカの写真
白黒模様の体です。
ヒトスジシマカの写真
上から見ると、見慣れた「カ」の姿ですね。
ヒトスジシマカの写真
後ろ脚をあげるポーズをよく取ります。

オス

ヒトスジシマカの写真
ヒトスジシマカ
ヒトスジシマカの写真
ヒトスジシマカ
ヒトスジシマカの写真
ヒトスジシマカ

オスとメスの見分け

パッと見ではわかリづらいですが、触角がメスよりもオスの方がふさふさしています。

血を吸いに来たら、それはメスですね!

ヒトスジシマカの生態

血を吸うのはメスだけ

蚊は動物の血を吸います。それには実は理由があるんですね!
産卵のために必要な栄養なんです。ですから、卵を生むメスしか血を吸いません。

ヒトスジシマカが血を吸っているところを動画で撮りました。

蚊に吸われるとなぜ痒くなる?

蚊は血を吸う時に、血が固まらないようになる唾液を注入します。
その唾液のアレルギー反応によって痒みが発生します。

活動時間

蚊も種類によって活動する時間がありますが、ヒトスジシマカは昼間から夕方にかけて吸血します。
夜に家に出てくる蚊は縞(しま)模様のない蚊だったりしますよね。
それらの蚊は「アカイエカ」などの種類です。

普段は花のミツなど吸っています

産卵のために吸血することが必要だと書きましたが、実は成虫の主な栄養源は糖分で、花のミツなどを吸っていれば生きていくことができます。
ですから、他の昆虫のように花にやって来ることもあるんですよ。

ヒトスジシマカの写真
ヒトスジシマカがヒメジョオンにやってきて花のミツを吸っています。

ヒトスジシマカの成長

ヒトスジシマカの一生

蚊のライフサイクルはかなり短く、成虫は1ヶ月ほどの寿命のうちに2~4回ほどの産卵を繰り返し、卵から成虫になるのも一週間から10日ほどです。

卵は水際や水面に直接産卵されます。1~2日くらいで孵化(ふか)するのでかなり早いですね。
一度に産卵されるのは数十個から200個くらいの卵を生むので環境が整えば爆発的に増えます。

幼虫はボウフラと呼ばれる

幼虫は水中で生活します。ちょっとした水たまりや、空き缶に溜まったちょっとした水のあるところでも発生します。尾の先に呼吸器がついているので、水中ではひっくりかえったような姿勢で生活しています。そして水中の中で小さな微生物や落ち葉などの有機物を食べて生活します。なので、ひと目見て餌になるようなものが見当たらなくても成長していきます。

一週間程度で蛹(サナギ)になります

蛹(サナギ)はオニボウフラとも呼ばれる

蛹(サナギ)の状態も水中で過ごします。蛹になるのに陸に上がったりはしないのですね。
蛹(サナギ)になると動けませんが、背中に呼吸器がついているので水面に背中をくっつけるような姿勢でじっとしています。

2~3日で羽化します。

成虫

成虫になると花のミツなどを吸って生活していますが、産卵の準備が整うとメスは吸血するようになります。
一生のうちで3~4回程度の吸血と産卵を繰り返します。

分布や生息域

日本では本州より南に生息していますが、地球の温暖化にともなって生息域を拡大していると言われています。日本を含めた東アジアが主な生息域でしたが、流通などの発展とともに世界に分布を広げている昆虫でもあります。

水たまりのある場所ならどこでも発生する可能性があります。
竹の切り株に溜まった水や、バケツや空き缶に溜まった溜まった少量の水場でも発生します。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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