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ヒトスジシマカってどんな虫?
一般に「ヤブカ」と呼ばれている蚊の代表的な種類です。
公園や雑木林などを歩いているとたくさん寄ってきて血を吸います。
血を吸われた後は、そこは赤く腫れて痒くなるのでとても嫌われています・・・。
カブトムシなどを探しに行ったときにもたくさん寄ってくるので困ったものです。
これに悩む人はとても多いので、刺されないようにするためのグッズや、痒みを止めるための医薬品などもたくさん販売されています。
昔からある「蚊取り線香」などは、虫よけグッズでありながら、日本の風物詩とも言える風情があったりします。
カ科
蚊(カ)の仲間はハエ目に分類されています。
ハエ目にはハエ仲間やアブの仲間やカの仲間が含まれていて、カ科はその中のひとつです。
カ科で有名なのは、この「ヒトスジシマカ」や「アカイエカ」などです。
ヒトスジシマカの特徴
背中に一本筋の通った白い線が特徴的で脚(アシ)の関節部分などにも白い模様が入っています。
メス(吸血したもの)
オス
オスとメスの見分け
パッと見ではわかリづらいですが、触角がメスよりもオスの方がふさふさしています。
血を吸いに来たら、それはメスですね!
ヒトスジシマカの生態
血を吸うのはメスだけ
蚊は動物の血を吸います。それには実は理由があるんですね!
産卵のために必要な栄養なんです。ですから、卵を生むメスしか血を吸いません。
ヒトスジシマカが血を吸っているところを動画で撮りました。
蚊に吸われるとなぜ痒くなる?
蚊は血を吸う時に、血が固まらないようになる唾液を注入します。
その唾液のアレルギー反応によって痒みが発生します。
活動時間
蚊も種類によって活動する時間がありますが、ヒトスジシマカは昼間から夕方にかけて吸血します。
夜に家に出てくる蚊は縞(しま)模様のない蚊だったりしますよね。
それらの蚊は「アカイエカ」などの種類です。
普段は花のミツなど吸っています
産卵のために吸血することが必要だと書きましたが、実は成虫の主な栄養源は糖分で、花のミツなどを吸っていれば生きていくことができます。
ですから、他の昆虫のように花にやって来ることもあるんですよ。
ヒトスジシマカの成長
ヒトスジシマカの一生
蚊のライフサイクルはかなり短く、成虫は1ヶ月ほどの寿命のうちに2~4回ほどの産卵を繰り返し、卵から成虫になるのも一週間から10日ほどです。
卵
卵は水際や水面に直接産卵されます。1~2日くらいで孵化(ふか)するのでかなり早いですね。
一度に産卵されるのは数十個から200個くらいの卵を生むので環境が整えば爆発的に増えます。
幼虫はボウフラと呼ばれる
幼虫は水中で生活します。ちょっとした水たまりや、空き缶に溜まったちょっとした水のあるところでも発生します。尾の先に呼吸器がついているので、水中ではひっくりかえったような姿勢で生活しています。そして水中の中で小さな微生物や落ち葉などの有機物を食べて生活します。なので、ひと目見て餌になるようなものが見当たらなくても成長していきます。
一週間程度で蛹(サナギ)になります
蛹(サナギ)はオニボウフラとも呼ばれる
蛹(サナギ)の状態も水中で過ごします。蛹になるのに陸に上がったりはしないのですね。
蛹(サナギ)になると動けませんが、背中に呼吸器がついているので水面に背中をくっつけるような姿勢でじっとしています。
2~3日で羽化します。
成虫
成虫になると花のミツなどを吸って生活していますが、産卵の準備が整うとメスは吸血するようになります。
一生のうちで3~4回程度の吸血と産卵を繰り返します。
分布や生息域
日本では本州より南に生息していますが、地球の温暖化にともなって生息域を拡大していると言われています。日本を含めた東アジアが主な生息域でしたが、流通などの発展とともに世界に分布を広げている昆虫でもあります。
水たまりのある場所ならどこでも発生する可能性があります。
竹の切り株に溜まった水や、バケツや空き缶に溜まった溜まった少量の水場でも発生します。