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ビロウドツリアブってどんな虫?
ビロウドツリアブはハエ目ツリアブ科の昆虫で春に見られます。
ふわふわの体つきと、なんとも可愛らしい仕草から人気の高い昆虫です。
ツリアブの仲間では、数が少ないのですがトラツリアブも人気が高いです。
ある時、公園内の舗装されていない道を歩いていると、何かが地面に降り立ちました。
この時期にあの動きはもしかして・・・
近づくとビロウドツリアブだったのですね!
名前の由来
ふわふわの体をしているのですが、その雰囲気がビロウド生地のように見えるということです。
そして、このツリアブという仲間はホバリング(空中停止)するのですが、足を広げてホバリングをしている様子は、まるで見えない糸で吊られているかのように見えることから「ツリアブ」と名付けられています。漢字では「吊虻」です。
その2つを合わせて「ビロウドツリアブ」になりました。
ちなみに英語では「bee fly(ビーフライ)」と呼ばれるようで、ハチのように飛ぶハエの仲間という意味ですね!
春に現れて、もふもふでかわいいので人気がある
春になると都市部の公園などでも見られますし、もふもふで可愛いことからSNSなどでもよく見かけるようになる昆虫です。
長い口に丸っこくふわふわの体という姿は、よくよく見ると不思議なデザインなのですが、その姿がかわいいと話題になります。
脚を外に広げて飛んでいるのですが、その姿もどことなく不器用そうに見えます(笑)
吊られているアブと名前につけられるように、ホバリングしているときなどにじっと見ているとなんとも愛嬌があるわけです。
ちなみに実際にはホバリングまでできる、かなり飛行能力の高い昆虫です。 とても器用な動きをする昆虫です。
ビロウドツリアブの特徴
オスとメスの違い
ビロウドツリアブのオスとメスは見分けがつきやすいです。
オスは複眼の間がくっついているのですが、メスは複眼が離れています。
メスのほうがさらに可愛く見えますね!
長い口が実はさらに伸縮する
長い口にもびっくりさせられます。ハチドリのようですよね。
蝶や蛾の仲間はくるくると巻かれた口吻(こうふん)を伸ばしてミツを吸うのですが、このビロウドツリバチは最初から長い口が突き出ています。
最初から長いのに、更に長く伸縮させることができるのが凄いところです。
構造がよくわかりませんが、2倍位には伸ばせるのではないでしょうか?
気がついたら伸ばし棒のようにすっと長くなっています。
生態や成長
食べ物、餌(エサ)は?
成虫はミツや花粉を食べるので、各種花などを訪れます。
幼虫はヒメハナバチの巣に寄生することで、その巣の中になる花粉やミツなどと一緒に卵や幼虫も食べてしまうようです。
ヒメハナバチに寄生する
成虫になるまではヒメハナバチの巣に寄生してそのなかで育ちます。
ヒメハナバチが生まれてくる幼虫のためにせっせと集めたミツや花粉を食べてしまいます。
手持ちの図鑑ですと、幼虫に寄生すると書かれているので、正確には幼虫も食べてしまうのでしょうね。
ホバリング(空中停止)
ホバリングのできる高い飛翔能力を持っています。
後ろ羽は退化していますが、左右で2枚の羽をかなり速い速度で羽ばたかせることができます。
こんなにかわいい姿をしていますが、実はかなりパワフルな飛び方をしているのですね。
慣れていないと一瞬で見失ってしまいます。
分布や生息環境
本州から九州までだけでなく北海道でも見ることができます。そして、平地から亜高山まで姿を確認できるので実はとても身近にいる昆虫だったりします。都市部などでも見ることができ、私も大阪の公園で見かけました。