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ヤニサシガメ

ヤニサシガメ

写真ギャラリー

草を登ってくる時についたのか、花粉がたくさんついている(大坂)

植物のてっぺんが好きなのだろうか?(大坂)

近づくと地面に一回落ちてしまった(大坂)

粘着質のおかげで小さな小石とかゴミがついてしまう(大坂)

凸凹した印象の体と、細めの腹部の広がり(大坂)

ヤニサシガメってどんな虫?

サシガメ科

カメムシの仲間の分類にサシガメ科があります。ヤニサシガメはその中の一種になります。

名前の由来

松ヤニのような粘着質に体がおおわれているサシガメだから「ヤニサシガメ」です。サシガメというのは「刺す」からきていて、長い口を獲物に刺して体液を吸います。

粘着物質で覆われた体

名前の由来にもなっていますが、体の全体がねっちょりとしたヤニのような物質に覆われています。自分の体がねっちょりしていると、自分が粘着質につかまって動けなくなる可能性もあると思うのですが、このヤニサシガメは体の作りも特徴的です。脚の部分など見てもらうとわかるのですが、まるでゴムバンドで縛ったみたいに凹んでいるのわかりますか?脚がデコボコしてるのです!これは、体を掃除する時にヤニをとりやすくするためと、くっつく面積を少なくすることで身動きが取れなくなるのを防いでいるのではないかと思います。

地面に落ちたら体にたくさんゴミがついてしまったヤニサシガメ

ヤニサシガメ
ネバネバしているので、地面に落ちたら小石やゴミがたくさんついてしまいます。

ネバネバ触ってみた

試しに触ってみたら、脚(アシ)のあたりはネバネバしていたけど、思ったよりはベタつきませんでした。背中は触っても指にくっついてこなかったので、背中は粘らないのかもしれません。まぁ、背中がネバネバしていたら羽が出せなくなっちゃうのでつかないように気をつけているのでしょうね。

ヨコヅナサシガメに似てる?

白黒のサシガメで「ヨコヅナサシガメ」ってサシガメがいます。ヤニサシガメのように体がネバネバすることはないですし、体長やお腹の白いひらひらはヤニサシガメよりも大きいです。脚などもヤニサシガメほどにデコボコになったりはしていません。

生息地と分布

本州から九州まで広く生息しています。公園などでも松の木などで見られますし、意外に背丈の低い草の上で見かけたりもします。

食べ物、餌(エサ)は?

他の昆虫を捕らえて体液を吸います。

ヤニサシガメ
獲物が来るのを待ち構えているのだろうか

動きはゆっくり

他の昆虫を捉えて食べるのに、動きはとてもゆっくりです。この動きでどうやって動く獲物をとらえるのでしょうね。捕食するときだけ早く動くのか、ゆっくりすぎて気づかれないのか?

また観察していて気づいたことがあったら追記したいと思います。

越冬

冬場は、木の隙間などの寒さを凌げそうなところで、幼虫や成虫の姿で越冬しています。ですから、暖かくなるとすぐに姿を見ることのできる昆虫です。

サシガメ科まとめ 刺亀図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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