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オオコオイムシ

オオコオイムシの写真

写真ギャラリー

少し卵を乗せたオス

孵化したての幼虫

孵化したては色が薄い

時間が経つと色が濃くなる

成長した幼虫

おしりの先から空気を取り込みます

ぬーっと出てきます

体を揺らしながら少しずつ体を抜いていきます

ある程度体が抜けたら脚を少し広げます

卵を背負ったオス

オオコオイムシ

コオイムシ科まとめ 子負虫図鑑

オオコオイムシってどんな虫?

コオイムシとそっくりな昆虫です。
生態などもほとんど変わりませんが、オオコオイムシの方が一回り大きな印象です。

コオイムシ同様に、オスの背中にメスが卵を産み付けるのが特徴的です。

オオコオイムシの写真
オスの背中に卵

コオイムシ科

カメムシ目の中に「コオイムシ科」があります。オオコオイムシはコオイムシ科の昆虫です。
コオイムシの仲間は水性カメムシの中でも、卵を背中に乗せて守る習性などがあります。

オオコオイムシの特徴

小判型の丸みのある体型で、発達した前脚で他の昆虫などを捕食します。

産卵するときは、メスがオスの背中に卵を産みます。

成虫

オオコオイムシの写真
オオコオイムシ
オオコオイムシの写真
体は平たい印象
オオコオイムシの写真
正面から
オオコオイムシの写真
前脚は鎌状に発達
オオコオイムシの写真
裏側
オオコオイムシの写真
上から
オオコオイムシの写真
卵つき

幼虫

オオコオイムシは不完全変態の昆虫で、生まれたての幼虫は成虫を小さくしたような形態です。

オオコオイムシの写真
上から
オオコオイムシの写真
横から

コオイムシとの違い

とても似た種類にコオイムシがいます。
見た目の印象はほとんどかわらず、ひとまとめにコオイムシと呼ばれていることも。

見分けるチェックポイントもまとめていますが、コオイムシのページでは写真も使って解説しているのでそちらを御覧ください。

チェックポイントオオコオイムシコオイムシ
濃い傾向淡い傾向
大きさ18~28mm17~25mm
卵のサイズ少し大きめ少し小さめ
前脚の腿節太い細い

生態(食べ物や越冬など)

食べ物や餌(エサ)など

前脚が鎌状となっていて、獲物を挟み込むように捕食します。
手頃なサイズのエサならなんでも捕まえて食べるようですが、飼育環境では釣具店やペットショップで売られているアカムシなどが手に入れやすいです。
巻き貝から、ダンゴムシや小さめのコオロギなども食べたりします。

共食いもしてしまうので、特に幼虫の時期などは気をつけないと、どんどん数が減っていきます。

おしりから空気を取り込む

オオコオイムシは水中で生活しますが、空気中から酸素を取り込む昆虫です。
おしりの先から空気を取り入れているので、基本的にはいつもお尻の先を水面につけています。

タイコウチやミズカマキリのように長い呼吸管を持っていないので、あまり深いところでは溺れてしまう心配もありますね。

オオコオイムシの写真
お尻を水面に

成虫で冬を超す

オオコオイムシは成虫の状態で陸上越冬します。

成長

夏が繁殖期で、年1化の昆虫です。

オスの背中に楕円形の黄色っぽい卵を並べるように産み付けます。

オオコオイムシの写真
オスの背中に産み付けられた卵

孵化(ふか)

卵からにゅっと出てきます。
外の世界に慣れるようにゆっくりと出てきますが、水に入るとすぐに泳ぎはじめます。

オオコオイムシの写真
孵化(ふか)の様子

幼虫

孵化したての幼虫は色が薄く透けた感じがキレイです。

オオコオイムシの写真
孵化したての幼虫
オオコオイムシの写真
時間が経つと茶色になる
オオコオイムシの写真
脱皮して成長した幼虫
オオコオイムシの写真
一回の脱皮でこのくらい大きくなります。
左:1齢幼虫 右:2齢幼虫

成虫

成虫になり、交尾をしたメスはオスの背中に卵を産みます。

オオコオイムシの写真
背中にぎっしりと卵を産み付けられた成虫。
コオイムシといえばこの姿ですね。

分布や生息地

分布は北海道から九州まで見られる昆虫です。四国や九州ではまだ見つかっているのは一部地域に留まっているようで、図鑑によっては本州の記載しかないものもあります。
海外では朝鮮半島、中国、ロシア極東部にも生息します。
生息環境としては、水生の植物が豊富な止水域で見つかります。

オオコオイムシの仲間をもっと見る!

オオコオイムシ科まとめ 子負虫図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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