タガメ

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タガメ

概要

タガメに憧れた幼少時代

私の実家の家の前は田んぼだった。水路から田んぼに水が流れ込むポイントには色んな生き物がいて、その場所を探るのがちょっと楽しかった時期がある。ある時大きい水生昆虫を見つけた!やった!すごい!でかい!タガメ見つけた!嬉しくてバケツに入れて持って帰ったが、肉食で世話が大変だということで観察したあとに逃がしてあげた。それが実はタイコウチと勘違いしていたのは秘密の話だ。

タガメってどんな虫?

タガメの一生

成虫は5~7月頃にオスとメスが出会って産卵します。その卵はオスが守りながら1~2周間ほどで幼虫が孵化してきます。その後は約2ヶ月かけて5回の脱皮を繰り返して大人の成虫になっていきます。

水生昆虫

タガメは水生昆虫で水場を利用して生活しているのですが、その多くは里山などの人の手が入った豊かな環境でよく見られます。田んぼや用水路などですね!そして、水中を泳ぐために真ん中の脚(あし)と後ろ脚は扁平な形で泳ぎやすくなっています。
水中や水場で生活しているだけで、生きるためには空気が必要なんですね。そのために、お尻の呼吸感を使って空気を取り込みます。水中にいるときでもお尻は水上に突き出しているので、シュノーケルみたいな役割をしています。

絶滅が心配されている

タガメは、里山の環境を好むこともあり、田んぼが日本で広がるとともにその生息域を広げ、日本人にとって馴染みの深いものとなっていったようです。
しかし、今では急激に数を減らしてしまいました。その原因として考えられているのは「農薬散布」「開発」「外来種」「照明」などの影響が考えられています。

農薬の散布

タガメ自体が農薬にかなり弱いことと、その影響で餌(エサ)となる小動物が減少してしまいました。

開発

田んぼが減ったり放置されることもありますし、用水路などがコンクリートで固められてしまうこともあるので、そういったことも原因として考えられます。

外来種

ブラックバス、ブルーギル、アメリカザリガニ、ウシガエルなどが日本に入ってきたことによって影響が出ているとも言われています。

照明

タガメには走光性があり、光に向かって飛んでいきます。道路などの照明が増えたことによって、落下して死亡するケースなどで数を減らしているという話もあります。

指標昆虫

水質が汚染されずに、豊かな生態系を保てる場所はタガメのエサとなる生物たちもたくさん見ることができるはずです。そんなこともあって平地の湖沼における指標昆虫に指定されています。タガメが見ることができるのは豊かな生態系を判断する一つの材料になるんですね!

大きい

水生昆虫の中では大型で成虫は5cmほどもあります。メスのほうが大きくなり、6cmを超えるおっきなタガメも見つかるようです!

強力な鎌を持った肉食昆虫

前脚は鎌状となっていて、かなり力は強いです。水草や、杭の水面近くに逆さまに止まって近くを通りかかる獲物を待ちます。もしくは、水中で呼吸管を使って酸素を取り込みながら水草に紛れて獲物を待ちます。そして、通りかかるものがいたら強力な鎌を使って飛びつきます。捕まえることができたら口吻(こうふん)を突き刺して食事を始めるのですが、その様子から「水中のギャング」との呼び声もあります。

餌(エサ)

ドジョウやカエルなどを食べますが、もっと大きな獲物にも飛びつくのでびっくりします。
ヤマカガシやマムシといったヘビを捕食することもありますし、小さなカメを捕食したとの報告もあります。
動いているものならなんでも貪欲に襲いかかるんですね。

毒はあるの?

毒は持っていない昆虫なので、触っても食べても大丈夫です。タガメが獲物に口を突き刺して食事をするところから、毒を使っていると思われることがあるのでしょう。
毒ではありませんが、タガメは口を突き刺すと消化液を注入します。そしてドロドロ溶かしたものをちゅうちゅうとすする「体外消化」をいう方法を取って食事をしています!

分布と生息地

分布自体は日本全国で、北海道・本州・四国・九州・沖縄まで見られる昆虫です。北海道では古い記録が見つからないことから、人為的流入かもしれないとのことです。
生息環境としては、人の手が入って管理されるような里山の水場でよく見られます。水田や用水路。水の流れが強くなく、水深もあまり深くないような池や沼が必要です。

擬態

タガメは茶色の体をしているが、これは「枯れ葉」に擬態していると思われます!ですから、タガメは私たちが近づいてもじっとしています。枯れ葉のふりをして動かない方が見つかりにくいと思っているのではないでしょうか?
さすがに触ったり刺激したら水の中に逃げますけどね。

飛べる、そして光に集まる走光性

水中生活を得意とするタガメですが、実は飛べます!成熟しパートナーを探す時期になると飛んで探しに行くのですね。しかし、タガメには走光性と言って光に向かって飛んでいく習性があるので、強い光があるとそっちの方向に行ってしまいます。ですから、池もないのに道路などの照明に向かって飛んで行ってしまうこともあります。野球のナイターで行われている時なんかも、球場の周りでタガメを見かけることがあるようです。球場の光なんかはめちゃくちゃ強いですもんね!

卵の世話をするオス、そんなオスを誘惑するメス

タガメはメスが産卵した卵をオスが世話をする習性があります。卵は水面より上の杭や植物の茎などにまとめて何十個も産み付けられ、オスはそこに張り付いて卵を守ります。乾かないように水分補給もしてくれます。頑張り屋さんのパパですね!
しかし、そんなオスが守っている卵を狙って同属のメスがやってくることがあります!卵を全部つぶしてしまえば、守るべき卵がなくなってオスがフリーになります。メスがオスを獲得するための凄い習性ですね・・・。

成虫で冬を超す

タガメは成虫で冬を越します。基本的には陸に上がって、落ち葉の下や岩陰でじっとしていることが多いようです。

寿命

冬を越すことのできるタガメは昆虫の中でも寿命の長い種類です。大抵の個体は2年程度のようですが、長いものだと2回目の冬を越して3年ほど生きることもあるようです。

天敵と、捕食し合う弱肉強食の関係

タガメは水田などでの食物連鎖の上位にいるが、それでもやはり天敵はいる。
鳥類では、サギ・コウノトリなど。他にもブラックバス、ブルーギル、アメリカザリガニ、ウシガエルなどもタガメを捕食する。
しかし、タガメを食べてしまうウシガエルは、オタマジャクシのときにはタガメに狙われる存在でもある。厳しい弱肉強食が行われていてびっくりします。

食べれるの?

日本では昔、佃煮にして食べていたことがあるようです。中国の方では漢方薬として利用されたり、近縁種のタイワンタガメなどは揚げ物にして食べる週間が東南アジアにはありますね!

似た種類はいるかな?

タイコウチやコオイムシなどが似ている種類になりますが、タガメのほうが大きいので間違えることはないと思います。私はタイコウチを捕まえて「タガメ、タガメ!」と喜んでいたことがありますが・・・。

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この記事を書いた人

村松佳優

村松佳優

宝石のように輝く小さな命を写し止める昆虫写真家。
昆虫の魅力を伝えることで、その未来を輝かせることをテーマにしている。
カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動をしながら次代の育成にも力を入れている。

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