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タイコウチ

タイコウチの写真

タイコウチ科まとめ 太鼓打図鑑

タイコウチってどんな虫?

タガメを小さくしたような姿ですが、タガメはコオイムシ科の昆虫でタイコウチはタイコウチ科の昆虫です。
見た目よりは似ていないようです。

タイコウチ科

昆虫の分類にカメムシ目があります。タイコウチはその中の「タイコウチ科」の一種です。ミズカマキリも同じタイコウチ科の昆虫です。
タガメやアメンボと同じ水性カメムシの仲間になります。

名前の由来

タイコウチは漢字で「太鼓打」と書きます。
これは、タイコウチが鎌の部分を広げたり曲げたりしている姿が太鼓を打っているように見えたことから名付けられました。

タイコウチを英語で「Water scorpion(ウォータースコーピオン)」

タイコウチは英語で「Water scorpion(ウォータースコーピオン)」と呼ばれます。
これは、特徴的な長い呼吸管がサソリの尻尾のように見えて名付けられました。

タイコウチの特徴

肉食性でカマ状に発達した前脚が特徴です。

長い呼吸管

呼吸管がとても長いのも特徴的で、タガメなどには見られない部分になります。
ミズカマキリにはとても長い呼吸管があるので、確かに同じタイコウチ科に分類されているのも分かる気がします。

生態

肉食の昆虫

呼吸感を水面に出して水中で獲物を待ち構えます。
近くを通りかかった小魚やオタマジャクシなどを、カマ状の前脚で捕らえて食べます。
口を差し込んで消化液を注入し、溶けた部分を食べる体外消化をします。

水中で獲物を捕えるだけではなく、水面に落ちた昆虫なども捕食します。

しんだふり

手で掴むと脚を縮めて死んだふりをします。

成長

メスは湿った土や苔の中に産卵します。
約2週間ほどで孵化(ふか)します。

幼虫

不完全変態で蛹(サナギ)などの期間がないので、幼虫のときから成虫と同じような姿をしています。
2ヶ月程度の間に5回ほどの脱皮を繰り返して成虫になります。

越冬

タイコウチは成虫で越冬します。

寿命

寿命は大体2~3年ほどと言われています。

分布や生息地

タイコウチは北海道をのぞいて本州から南西諸島まで見られますが、沖縄では絶滅危惧種に指定されているので見られなくなるかもしれません。
水田や流れの緩やかな河川に生息していて、タガメなどと比べると水質の悪化にも強いので見られる場所も多いです。
水面に落ちた昆虫なども食べるので、魚等が居なさそうな水たまりなどでも見かけることがあります。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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