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ヒメガムシってどんな虫?
水生昆虫のガムシの仲間で、腹面に牙のような突起を持っているのが名前の由来になっています。
「ガムシ」が40mm「コガムシ」が17mmほどに対して、「ヒメガムシ」は10mmほどの小さなガムシです。
止水域に生息しており、水生植物が豊富な池沼、水田などで見られます。
特に高水温の浅い湿地のような環境を好みます。
ガムシ科
コウチュウ目の仲間の中で「ガムシ科」に含まれる昆虫で、日本では70種類以上(亜種含)が確認されています。この仲間は水中で生活する「水生コウチュウ」の仲間になります。
この仲間には「ガムシ」や「コガムシ」、「ゴマフガムシ」などが知られています。
ヒメガムシの特徴
水生昆虫の仲間ではゲンゴロウなどが有名で、よく混同されています。
しかし、ヒメガムシはエンマムシなどに近い仲間で泳ぎ方や形態的な特徴にも違いが見られます。
ガムシやコガムシとは大きさが違うだけのようにも見えますが、コガムシなどは藻類や水草をかじって食べています。
それに対して、ヒメガムシは泥の中の有機物を食べて生活しているなどで、生活にも違いのある別の種類なんですね。





「ガムシ」「コガムシ」「ヒメガムシ」の大きさ比較
ガムシの仲間にも色々いますが、似ているものも多いです。
大きさの違う「ガムシ」「コガムシ」「ヒメガムシ」が揃ったことがあるので、比較してみました!

生態(泳ぎ方、食べ物など)
泳ぎ方
ガムシの仲間は脚を全部使って歩くように水中を移動します。
バタバタしているように見えるので、泳ぎが上手くないなどと言われますが、しっかりと水中で生活しています。

食べ物や餌(エサ)
成虫は泥の中の有機物などを食べていますが、動物性のタンパク質で金魚のエサなど与えると食べる様子が観察できます。
ガムシやコガムシなどは水草なども食べて生活するのですが、ヒメガムシはそういったものを食べないようです。
そのことを知らなかったために、ガムシやコガムシと一緒に水槽で飼っていたものはそんなに長生きできませんでした。
幼虫の時は肉食で、小さな昆虫などを捕食します。
エサとなる生き物を捕まえると、水面から持ち上げて食べる習性を持っています。

走光性
ヒメガムシは光に集まる習性を持っています。
夜間の灯火などにやってくることがあります。

成長(卵、幼虫、サナギ、成虫)
卵嚢(らんのう)と卵(たまご)
糸状突起のある1cmほどの卵のうを産みます。
ヒメガムシの卵のうは、糸状部分が長いのが特徴的で面白いです。
糸状部分が無い袋もあったのでちょっと開けてみたら、中には白い卵が入っていました。



幼虫
孵化(ふか)したばかりでも鋭いアゴをもった幼虫です。




成長すると、腹部が大きくなって来ますが、ちょっとブヨっとした印象です。
営巣(えいそう)
十分に成長すると水中から出てきてサナギになります。
エサを食べなくなったらサナギになる準備に入ったと思って、水苔と赤土をまぜたケースに入れ替えました。
最初はウロウロとしていた幼虫が、気がつくと蛹室(ようしつ)を作り始めて、その中でサナギになります。


蛹(サナギ)
自分で作った蛹室の中でサナギになります。
地面や壁から少し浮くために、長い毛を持ったサナギです。



羽化(うか)
色が変わってきたと思ったら羽化します。
サナギの皮を脱いでいくと、それに合わせて羽も伸ばしていきます。

あとは脱いでいくだけです。


成虫
黒光りする成虫になりました。
しばらく穴の中でじっとしていますが、掘り出してみたら元気に動き出しました。

分布や生息環境
日本では、本州から南西諸島まで広い範囲で見ることのできる昆虫です。
国外では、朝鮮半島、中国、台湾、東南アジア、南アジアなどで見ることができます。
ヒメガムシの仲間をもっと見る!
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綺麗な写真をたくさん使って紹介していますので、他の昆虫も是非ご覧になってください。
これからもムシミルをよろしくお願いします!
ガムシ科まとめ 牙虫図鑑

































