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マイマイカブリってどんな虫?
カタツムリを食べることで有名な昆虫です。マイマイ(カタツムリ)の殻に頭を突っ込んでいる様子が、マイマイをかぶっているように見えることが名前の由来になっています。
昆虫の中でも有名な種類になるのですが、普通に生活しているとなかなか見かけることが少なく、珍しい昆虫になってしまいました。
羽は退化して開くこともできず、飛ぶことはできません。ですから地面を徘徊して獲物を探したりするのですが、移動性が低いことによって地域によって異なる特徴を持つようになり、たくさんの亜種にわけられています。その変化が大きいことから進化の歴史を紐解くための研究としてもマイマイカブリは興味深い題材です。
オサムシ科
コウチュウ目の分類の中にオサムシ科があります。手塚治虫も好きだったオサムシの仲間なんですね。この仲間にはアオオサムシやゴミムシの仲間、ハンミョウの仲間なども含まれます。さらにオサムシの中でもクビナガオサムシの仲間として呼ばれたりもします。
日本の固有種
マイマイカブリは日本の固有種で海外には基本的に生息していません。日本では有名な昆虫も世界では珍しい昆虫です。
生態(カタツムリの捕食や天敵への攻撃など)
マイマイカブリの餌(エサ)
基本はカタツムリを食べる昆虫です。大きなアゴでカタツムリにかぶりつき、殻の中に逃げ込んでも細長い頭を突っ込んで容赦しません。しかし、実はアゴで噛みちぎるような食べ方ではなく、消化液を注入して溶けた部分を食べています。
カタツムリの捕食の仕方
他にもミミズや他の昆虫を食べたりもしますが、卵を生むためにはカタツムリを食べる必要があるようです。
クワガタムシなどに混じって樹液にやって来ることもあります。
産卵を意識しなければ昆虫ゼリーなどでの飼育も可能です。
深夜に樹液にやってきたマイマイカブリ(ホンマイマイカブリ)
身を守るための攻撃
危険を感じると皮膚炎を起こす液体を噴射します。
尾部(お尻の先)から液体を噴出するのですが、これが目に入ったりすると危険なので注意しましょう。皮膚についたら皮膚炎を起こす可能性もあります。
上方にも噴出することができるようなので触るときには手袋などをはめるようにしましょう。
成虫で越冬
成虫で越冬する昆虫で、落ち葉の下や枯れ木の隙間に入り込んで冬を越します。
マイマイカブリの亜種(種類)
飛べないことによって地域ごとに特徴が分かれ、同じマイマイカブリでもいくつかの亜種に分けられています。
- ホンマイマイカブリ(西日本に生息し、基亜種となるマイマイカブリ。全体に黒い。)
- エゾマイマイカブリ(北海道、頭部と胸部が金属光沢のある緑色)
- キタマイマイカブリ(東北地方北部、頭部と胸部が金属光沢のある紫色)
- コアオマイマイカブリ(東北地方南部)
- アオマイマイカブリ(新潟県粟島)
- ヒメマイマイカブリ(関東から中部地方)
- サドマイマイカブリ(新潟県佐渡島)
- オキマイマイカブリ(島根県隠岐諸島)
大きさなどにも変化が見られますが、美しい色彩の変化も大きいのが特徴的です。
他にもお尻の先の突出部分にも変化が見られます。しかし、それでも全て同じマイマイカブリという種類なので不思議です。
いくつかの「マイマイカブリ」の亜種を特徴をとらえながら写真で紹介!
ホンマイマイカブリ(西日本)
全体に色が黒いマイマイカブリです。
お尻の先も長く尖っています。
ヒメマイマイカブリ(関東から中部地方)
頭部から胸部にかけて光沢のある紫色が美しいのが特徴です!
マイマイカブリの幼虫
黒色で平べったい姿ですが、上から見ると横がギザギザのノコギリ状になっていてなんとも攻撃的な見た目をしています。幼虫の時からカタツムリを捕食し、2回の脱皮を経て土の中で蛹(サナギ)になります。
脱皮をして大きくなるのに大きめのカタツムリなら一匹で充分なようで、たった二匹のカタツムリを食べることで成虫になれます。
見られる場所や分布
北海道から九州方面まで見ることができ、平地から丘陵の林床やその周辺で見ることができます。
都会で見ることは難しいですが、少し山の方などに行くと見つけやすいですね。
基本は夜行性なのですが、昼間に見かけることもあります。