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トゲナナフシ

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トゲナナフシの写真

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外で見かけてもわかりにくい(奈良)

ナナフシモドキなどと比べると短い印象です。一齢幼虫。

この写真に何個あるかわかるかな?

上の方がフタみたいになっています

トゲナナフシの卵は丸っこい印象です

脱皮したトゲナナフシ

トゲナナフシ

ナナフシ目(竹節虫目)まとめ ナナフシの図鑑

トゲナナフシってどんな虫?

ナナフシの仲間の中では体長は小さい方ですが、体にトゲを持っているのが特徴的です。
色んな葉っぱを食べるので、飼育のしやすさでも人気のある昆虫です。

ナナフシ科

昆虫の分類でナナフシ目ナナフシ科があります。トゲナナフシはナナフシ科の昆虫で、他にもナナフシモドキやトビナナフシの仲間などが含まれています。

トゲナナフシの特徴

トゲトゲのナナフシ

細く長い体を持つナナフシの仲間の中では、ちょっと太くて短い印象の種類です。
トゲトゲがたくさんついているが特徴的なので「トゲナナフシ」です。
日本のナナフシで全身に細かい棘(トゲ)があるのは本種だけです。

トゲナナフシの写真
顔のアップ
トゲナナフシ4齢の写真
4齢のトゲナナフシ
トゲナナフシ4齢の写真
横から
トゲナナフシ5齢の写真
5齢のトゲナナフシ。トゲが目立っていますね。

参考:ナナフシ(ナナフシモドキ)はトゲがない

体色は様々

基本は茶色や黒っぽいものが多いのですが、時に緑っぽい個体も見つかるようです。緑色のものはちょっとレアです。

トゲナナフシの写真
黒っぽい体に白い模様の入ったトゲナナフシ。
トゲナナフシ5齢の写真
明るい体色の個体。
トゲナナフシの写真
濃い褐色の個体。

生態

食べ物や餌(エサ)

バラ、イチゴ、ノイバラ、アザミなどのトゲのある植物を好んで食べているようです。食べる植物に合わせてトゲトゲになったのかもしれません。しかし、そんなにトゲのない植物の葉っぱなども色々食べるナナフシです。

様々な物を食べることができる「広食性」のナナフシです。

飼育下ではレモンリーフなどが手に入れやすく安全性も高い餌(エサ)です。

トゲナナフシの糞(フン)

トゲナナフシの写真
トゲナナフシのフンです。細かく噛み砕いた葉っぱが固まっているのがわかります。

メスだけで増える

生物は基本的にオスとメスがカップルになって子孫を残します。(有性生殖と言います)
しかし、このトゲナナフシはメスだけで増えることができるのです。これを「単為生殖」と言い、遺伝子に違いがないはずなので分裂に近いと思っています。

オスはほとんどいない

メスだけで増えることができるので、オスは基本的に見つかりません。
過去に何例かオスが見つかった事があるようですが、かなり珍しいです。

脱皮で脚(アシ)が再生する

トゲナナフシは若いうちに脚(アシ)を失っても脱皮で再生することができます。
生まれた小さな幼虫が脚を引っ掛けて折れてしまったのですが、脱皮した時に小さな脚が生えてきました!
そこから2回ほど脱皮すると、少し短いけれど普通に歩くのに使えるようになっていました。

トゲナナフシの写真
右後ろの脚がはえてきた2齢のトゲナナフシ。
トゲナナフシの写真
短いけれど、しっかりとした脚になってきました(4齢)

成長

小さな木の実のような卵

茶色くて網目模様のある丸い卵を産みます。小さな木の実のようにも見える卵は、野外で産み落とされたらまず見つけられないと思います。よくみると蓋(フタ)のようなものがついており、そこが開いて孵化(ふか)した幼虫が出てくるのです。

トゲナナフシの卵

トゲナナフシの卵の写真
トゲナナフシ卵はまるっこい。フタがついているのでそこから出てくる。

孵化(ふか)

この小さな卵から出てきたとは思えないサイズの幼虫が出てきます。

トゲナナフシの写真
卵から出てきた様子。

幼虫

孵化(ふか)した幼虫は脱皮を繰り返して大きくなっていきます。
体のトゲの感じが、小さい時は突起くらいのものですが、大きくなってくるとしっかりとしたトゲに育ちます。

トゲナナフシ1齢の写真
うまれたてのトゲナナフシ
トゲナナフシ2齢の写真
2齢のトゲナナフシ
トゲナナフシ4齢の写真
4齢のトゲナナフシ

脱皮

トゲナナフシの写真
脱皮したトゲナナフシ。
トゲナナフシの写真
脱皮した殻。左の殻はそのままの形ですが、右の脱皮殻は半分ほど食べてしまったようです。

分布や生息地

本州から九州まで見ることができ、丘陵から山の広葉樹林などに生息しています。いるところにはいるので比較的見つけやすい昆虫のはずですが、私の身近ではさっぱり見かけませんでした・・・。

トゲナナフシの飼育

飼育できるか?

色んな植物を食べるので飼育はしやすい方です。餌(えさ)にはバラ科の植物のバラ、キイチゴ、ミニバラなども利用できます。園芸店などで買ってきたものには農薬などが使われている可能性もありますので気をつけてください。

園芸店ではレモンリーフという葉っぱが売られていることがあるのですが、強い植物であまり農薬など使われないので安全に飼育するのにおすすめです。スーパーで買ってきた小松菜も入れてみたらよく食べて元気に育ちます。水分補給もよくするので、湿らせたティッシュを入れておいたり適度な霧吹きなどもしてあげましょう。

小さい幼虫などはちょっとした水滴でも表面張力で抜け出せなくなり溺れてしまうことがあるので注意です。

トゲナナフシの写真
トゲナナフシの飼育の様子

小さい時はプリンカップでも飼育できる

トゲナナフシの飼育ケースの写真
小型のトゲナナフシ飼育ケース。サイズの小さい時にはこのようなプリンカップでも充分に飼育できます。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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