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トゲナナフシってどんな虫?
ナナフシの仲間の中では体長は小さい方ですが、体にトゲを持っているのが特徴的です。
色んな葉っぱを食べるので、飼育のしやすさでも人気のある昆虫です。
ナナフシ科
昆虫の分類でナナフシ目ナナフシ科があります。トゲナナフシはナナフシ科の昆虫で、他にもナナフシモドキやトビナナフシの仲間などが含まれています。
トゲナナフシの特徴
トゲトゲのナナフシ
細く長い体を持つナナフシの仲間の中では、ちょっと太くて短い印象の種類です。
トゲトゲがたくさんついているが特徴的なので「トゲナナフシ」です。
日本のナナフシで全身に細かい棘(トゲ)があるのは本種だけです。
参考:ナナフシ(ナナフシモドキ)はトゲがない
体色は様々
基本は茶色や黒っぽいものが多いのですが、時に緑っぽい個体も見つかるようです。緑色のものはちょっとレアです。
生態
食べ物や餌(エサ)
バラ、イチゴ、ノイバラ、アザミなどのトゲのある植物を好んで食べているようです。食べる植物に合わせてトゲトゲになったのかもしれません。しかし、そんなにトゲのない植物の葉っぱなども色々食べるナナフシです。
様々な物を食べることができる「広食性」のナナフシです。
飼育下ではレモンリーフなどが手に入れやすく安全性も高い餌(エサ)です。
トゲナナフシの糞(フン)
メスだけで増える
生物は基本的にオスとメスがカップルになって子孫を残します。(有性生殖と言います)
しかし、このトゲナナフシはメスだけで増えることができるのです。これを「単為生殖」と言い、遺伝子に違いがないはずなので分裂に近いと思っています。
オスはほとんどいない
メスだけで増えることができるので、オスは基本的に見つかりません。
過去に何例かオスが見つかった事があるようですが、かなり珍しいです。
脱皮で脚(アシ)が再生する
トゲナナフシは若いうちに脚(アシ)を失っても脱皮で再生することができます。
生まれた小さな幼虫が脚を引っ掛けて折れてしまったのですが、脱皮した時に小さな脚が生えてきました!
そこから2回ほど脱皮すると、少し短いけれど普通に歩くのに使えるようになっていました。
成長
小さな木の実のような卵
茶色くて網目模様のある丸い卵を産みます。小さな木の実のようにも見える卵は、野外で産み落とされたらまず見つけられないと思います。よくみると蓋(フタ)のようなものがついており、そこが開いて孵化(ふか)した幼虫が出てくるのです。
トゲナナフシの卵
孵化(ふか)
この小さな卵から出てきたとは思えないサイズの幼虫が出てきます。
幼虫
孵化(ふか)した幼虫は脱皮を繰り返して大きくなっていきます。
体のトゲの感じが、小さい時は突起くらいのものですが、大きくなってくるとしっかりとしたトゲに育ちます。
脱皮
分布や生息地
本州から九州まで見ることができ、丘陵から山の広葉樹林などに生息しています。いるところにはいるので比較的見つけやすい昆虫のはずですが、私の身近ではさっぱり見かけませんでした・・・。
トゲナナフシの飼育
飼育できるか?
色んな植物を食べるので飼育はしやすい方です。餌(えさ)にはバラ科の植物のバラ、キイチゴ、ミニバラなども利用できます。園芸店などで買ってきたものには農薬などが使われている可能性もありますので気をつけてください。
園芸店ではレモンリーフという葉っぱが売られていることがあるのですが、強い植物であまり農薬など使われないので安全に飼育するのにおすすめです。スーパーで買ってきた小松菜も入れてみたらよく食べて元気に育ちます。水分補給もよくするので、湿らせたティッシュを入れておいたり適度な霧吹きなどもしてあげましょう。
小さい幼虫などはちょっとした水滴でも表面張力で抜け出せなくなり溺れてしまうことがあるので注意です。