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ベニモンアゲハってどんな蝶?
名前のとおりにアゲハチョウの仲間だが、黒い羽を持った種類です。黒い羽を持った種類も実はたくさんいるのですが、赤い紋(もん)とのコントラストがとてもカッコ良い種類のチョウです。
石垣島へ行った時に見つけたときにも、そのカッコよさにシャッターをたくさん切りましたがかなり好きなチョウです。
アゲハチョウ科
チョウの分類の中でアゲハチョウ科に分類される一種です。アゲハチョウの仲間ではキアゲハなどの黄色いチョウが有名ですが、カラスアゲハなどの羽が黒い種類も多く含まれています。
紅色が特徴的な美しいチョウ
黒色の羽に赤色の紋が特徴的なチョウで、紅色の紋が入っているのが名前の由来にもなっています。紅い紋だけでなく、白い紋が入っているのも印象的です。この黒白紅の3色のコントラストがとても美しいのです。
体内に毒がある
幼虫は、有毒成分を含むリュウキュウウマノスズクサなどのウマノスズクサ科の植物を食べることで、その毒を体内にためていきます。この成分は食草由来のアルカロイド系毒物質で、成虫になってからも体内に持ったままなので天敵から襲われなくなります。
派手にアピールして身を守る
体内に毒を溜め込んでいるので、天敵に対して派手にアピールすることで身を守っています。どういうことかというと、天敵がベニモンアゲハを捕食した際には有毒成分を持つおかげで吐き戻してしまいます。そこで、天敵はこの派手な模様の昆虫は食べられないと認識するのです。そうすることで天敵に襲われないように派手な模様をして毒があることをアピールしているんですね!
似ている種類とその関係
ジャコウアゲハ(ミュラー型擬態)
ジャコウアゲハとは雰囲気がとても良く似ています。黒い羽と赤い紋が似ていますが、ベニモンアゲハの方がより鮮やかな赤色をしていることと白い紋はジャコウアゲハにはないので見分けることが可能です。羽の模様だけでなく体や腹部まで赤くなっているのはこの2種類だけの特徴です。体が赤ければこの2種のどちらかで、白い紋があったらベニモンの流れで見ると良いでしょう。
2種類とも体内に毒を持つ点で共通しています。毒を持ったもの同士で同じような模様をすることで、その身を守る効果を高めるものを「ミュラー型擬態」と呼びます。
シロオビアゲハ(ベイツ型擬態)
黒い羽に白い帯が特徴的なシロオビアゲハがいます。基本的には白黒模様なので間違えることはないのですが、シロオビアゲハのメスには「シロオビ型」「ベニモン型」の2タイプが存在しています。
ベニモン型では、その模様がベニモンアゲハの紅や白の紋にとても良く似てきます。しかし、体まで紅いのはベニモンアゲハだけなので、体が黒白の模様の場合はシロオビアゲハのベニモン型と判断できます。
シロオビアゲハは体内に毒を持ちません。毒を持っていないものが毒を持ったものに模様を似せて身を守ることを「ベイツ型擬態」と呼びます。