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ケラってどんな虫?
地中生活に特化した進化を遂げた昆虫で、モグラのように土の中で生活しています。
地上にも出てくるので、よく地面を歩いているのを見かけますが、地中に潜るだけでなく飛んだり泳いだりもできるので実は多才な昆虫です。
ケラ科
昆虫の分類にバッタ目があります。ケラはその中の「ケラ科」の一種で、日本にはこの一種のみ生息しているようです。
ケラの名前
ケラと呼ぶのが正しいのですが、一般には「オケラ」として親しまれています。
童謡の「手のひらを太陽に」の中でも「オケラだって、アメンボだって・・・」という歌詞で登場します。
ケラを英語で「Mole cricket(モール クリケット)」
英語では「Mole cricket(モール クリケット)」と呼びます。
Mole(モール)とはモグラのことで、(クリケット)はコオロギのことです。
モグラのようなコオロギの仲間という意味で名付けられました。

ケラの特徴
前脚を使って外側に掻き出すような動きで穴を掘ります。
穴を掘りやすいように発達した前脚が一番の特徴です。
頭部から後ろにかけて滑らかな曲線を持ったシルエットは、穴の中に潜ったり移動したりするのに有利そうです。
茶色っぽいオケラ





黒っぽいオケラ
薄茶っぽいものから茶色、焦げ茶っぽいものまで見かけますが、全体的に茶色系統です。


螻蛄の七つ芸(けらのななつげい)
ケラの多才さを表す言葉に「螻蛄の七つ芸」というものがあります。
掘る、よじ登る、泳ぐ、走る、跳ぶ、飛ぶ、鳴くと色んな事ができるんですね!
卵を守る習性もあることからちょっとした子育てまでする昆虫です。
しかし「ケラ芸」とも呼ばれるこの言葉はあまり良い意味で使われません。
掘るのに特化しているので、他のどの芸も中途半端なのです。そのおかげで「螻蛄の七つ芸」とは「器用貧乏」を指すような意味で使われます。
1.掘る
掘るのが得意な昆虫です。
土をかき分けるために発達した前脚はもぐらのようになっており、地中での生活をしやすくしています。
※違う種類の生き物が似たような生活で同じような性質を持つことを「収斂進化(しゅうれんしんか)」と呼びます。
モグラとオケラの地中での生活に特化した前脚の進化はその一例になります。

2.よじ登る
明かりにやってきたのか、玄関で家の壁に登っているのを見かけたことがあります。
しかしある程度登れるのですが、天井まで行くことはできずに途中で落ちてしまいます。
3.泳ぐ
地中での生活で汚れがつきにくいように全身にツヤ感のある微毛が生えています。
そのおかげで水に浮くこともでき、土をかく要領で器用に泳ぐこともできます。
田んぼの手入れをしている時に水面に浮いてくるという話も聞きます。
4.走る
見た目からするとかなり早く走ることができます。
スマートに走っているとは言い難いですが、手足を動かす速さはなかなかのものです。
5.跳ぶ
成虫まで成長するとあまり跳びませんが、幼虫の時などは割と跳びはねます。
6.飛ぶ
成虫になると羽もはえているので、飛ぶこともできます。
明かりにも飛んでやってきます。
7.鳴く
基本はオスが鳴くのですがメスも少しだけ発音できるようです。
「ジーーーーーー」とか「ビーーーーーーー」とか聞こえる鳴き声で地中から聞こえます。そのため古来はミミズの鳴き声と信じられていました。
8.弾く(おまけ)
ここまででケラの七つ芸ですが、水分の多い場所で生活するオケラの体は水を弾く性質も持っています。
これも特技と言っていいのでは?

生態
食べ物や餌(エサ)は?
オケラは雑食性でなんでも食べます。
土の中で生活し、植物の根っこや小昆虫からミミズなども食べていると思われます。
飼育下ではニンジンやジャガイモ、昆虫ゼリーから煮干しまで色々食べてくれます。

ケラの天敵
天敵も多い昆虫です。走るのが多少早いからと言って、見つかるとなかなか逃げられません。
鳥類やカエル、トカゲ、タヌキ、モグラなどに捕食されます。
同じような進化を遂げてきたモグラにも食べられてしまうのはなんだか切ないですね。
他にも寄生蜂や狩蜂にやられることもあるようです。
ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵を食べて成長します。

参考:ミイデラゴミムシ
以前見かけた時には、コンクリートの上を走っていると思ったらアリに追いかけられていました。
かなり体格差があるにも関わらずケラは逃げ回るだけで太刀打ちできませんでした。

このまま走って逃げていったが、この勝負はどうなったのか・・・
成長
卵をくるむ繭(まゆ)
オケラは土の中で生活し、卵は土作った繭の中に産卵します。
写真はオケラを水苔で飼育していたのですが、気がつくと塊が見つかるようになりました。

卵(たまご)
土繭(写真は水苔)の中に産卵された卵。

孵化(ふか)した幼虫(ようちゅう)
不完全変態で成長するオケラは孵化した時から成虫と似た姿をしています。

小さな幼虫(ようちゅう)
少し大きくなりましたが、比較して頭部が大きいので幼い印象です。



大きな幼虫(ようちゅう)
成長してくると、お腹もぷっくりとして成虫と変わらない印象です。
違うのはまだ羽が出来上がっておらず、小さな翅芽(しが)があることくらいです。





脱皮(だっぴ)
脱皮したばかりのオケラは白っぽくて神秘的。

成虫(せいちゅう)
羽化したオケラは飛ぶこともできるようになります。


ケラの飼育や育て方
登ったり飛んだりもできるので飼育ケースは蓋付きのものが良いです。
ケースの中には、湿り気のある土か、水苔を湿らせたものを敷き詰めておきましょう。
雑食性で色んなものを食べるのですが、カブトムシなどが食べる昆虫ゼリーも好んで食べるので餌の調達が面倒だったらそれが一番かもしれません。
ケラは好きな昆虫で、色々と試しながら飼育もしてみたので少し紹介します。
アリの観察キット
色んなタイプのアリの観察キットがありますが、土の代わりにゼリーを入れてアリの巣作りを観察するものです。
ゼリーがそのままエサにもなるので短期的な観察には面白いと思って買ったのですが、余っていたので「オケラにいいのでは?」と思って利用してみました。
最初の方は土を掘っていく様子などが見やすいと思ったのですが、たくさん穴を掘っていくとよくわからなくなってきました(笑)
それと、ゼリーだけではエサとして微妙だと思ったのでニンジンなどもあげていたのですが、フンでちょっとずつ汚れていきます。
一番の問題は汚れても、ゼリーの交換が簡単ではないことですね。


薄型アリの観察ケースと赤玉土
薄型のプラスチックケースで、土を掘っていく様子が観察しやすい100円ショップで売ってるタイプのやつです。
今まであんまりなかったものなので(必要になったら自作する事が多かった)とても嬉しい商品です。
オケラはやっぱり土が一番!と思って細かめの赤玉土をいれて、上部には少しだけ水苔を入れておきました。

こちらも最初の頃は良かったのですが、だんだんと土が泥化してきて壁面にくっつくように。
割と自然な状態かと思ったのですが、少しオケラの掘った坑道が見にくいです。

薄型アリの観察ケースと水苔
水苔だけで観察すると壁面も汚れにくいので、結局これが一番良いような気がします。
掘った坑道も観察しやすいですし、動き回るオケラも割と見やすいです。
エサはできるだけ食べ切れる量を入れるようにしますが、そこの方で腐ってしまうことも。
そんなときでも水苔は、土よりもかき出しやすくお掃除もしやすいです。
ちなみにニンジンなどを与える場合はケース幅くらいで、ちょっと引っかかるサイズ感にしておくと、引っ張って底まで持っていかれることが少ないです。
ただ、ここらへんの薄型ケースを使う場合は昆虫ゼリーなどは使えませんね。


大きなタッパー
長期間の飼育で産卵等まで狙いたい場合は、大きなタッパーやケースに土や水苔をたっぷり入れて飼育するのが良いと思います。
ほとんど土に潜っているので、姿を見る機会は少なくなりますが、透明ケースなら底をのぞくと土の中を走り回るオケラが見られます。
分布や生息地
日本では全国的に分布している昆虫で、地表や地中に潜んでいます。
畑や田んぼなどでは、農作業中に見つけることも多い昆虫ですが、都市公園などでも足元を走っているのを見かけることがあります。
灯火などにもやってきます。
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ケラ科まとめ 螻蛄図鑑











































